
ワンダープラネット<4199>は、2027年8月期の業績について、売上高21億円(前期比8.0%増)、営業利益3000万円、経常利益1000万円、最終利益1000万円を見込む。2026年8月期は既存タイトルの減収などが響いて営業損失を計上したが、運営体制や費用構造の見直しを進め、今期は営業黒字化を目指す。
・売上高:21億円(同8.0%増)
・営業利益:3000万円(同1億6200万円の損失計上)
・経常利益:1000万円(同1億8200万円の損失計上)
・最終利益:1000万円(同3億2900万円の損失計上)
・EPS:3.92円


ただ、今回の業績見通しで注目したいのは、単に赤字から黒字への転換を目指す点だけではない。2027年8月期を収益性の回復と新規タイトルの開発を進める期間と位置付け、その先の2028年8月期に予定する新規タイトルのリリース集中期につなげる考えだ。
■既存開発コストの削減と新規タイトルへの投資を両立
2026年8月期の売上高は19億4400万円(前期比16.0%減)、営業損失は1億6200万円(前期は1億2900万円の損失)だった。『クラッシュフィーバー』など長期運営タイトルの減収に加え、『パンドランド』のサービス終了なども影響した。
一方、同社は開発体制や費用構造の見直しを進めてきた。2026年8月期第4四半期(6~8月)の営業損益は500万円の黒字となり、四半期ベースで営業黒字に転換している。通期では営業赤字が続いたものの、収益性の回復に向けた取り組みが進み始めた。
2027年8月期の営業利益予想は3000万円。決算説明資料では、営業利益の増減要因として、売上高の増加による1億5500万円の増益に加え、既存の開発コスト削減による5億7300万円の増益を見込む。一方、新規タイトルへの開発投資が7億900万円、広告宣伝費の増加が1億1900万円の減益要因となる。
この内訳からは、単純に開発費を削減して黒字化する計画ではないことがわかる。既存タイトルなどにかかる開発コストを抑える一方、新規タイトルへの投資を継続・拡大する方針だ。既存事業の収益性を改善しながら、将来の成長に必要な開発投資を進める構図となっている。

■IP協業とオリジナルタイトルの両輪で新作開発
新規タイトルの開発では、有力IPホルダーとの協業とオリジナルタイトルの両輪で取り組む。サンリオとの共同開発プロジェクトに加え、IP協業タイトルとオリジナルタイトルの開発も進めている。
同社は協業タイトルについて、リスクとリターンを見極めたうえで経済条件を設計し、収益性の向上を図る考えを示している。新作の数を増やすだけでなく、開発・運営に伴うリスクと収益機会のバランスを意識した事業展開を目指す。

また、独自開発基盤「SEED」の洗練と生成AIの活用も重要な施策となる。SEEDを共通の開発基盤として改善し、生成AIを開発工程や社内業務に組み込むことで、生産性の向上と複数タイトルの並行開発を目指す。
これは単なる人件費削減にとどまらず、限られた開発リソースで複数の開発・運営ラインを推進できる体制を整える取り組みといえる。新規タイトルへの投資を続けながら収益性を高めるうえで、開発基盤の効率化がどこまで実効性を持つかも注目点となりそうだ。

■27年8月期は次の成長局面に向けた準備期間
同社は今後3年間の事業計画で、各期の役割を明確にしている。2027年8月期は営業黒字化を果たす初年度とし、新規開発に注力。2028年8月期は新規タイトルのリリース集中期、2029年8月期は前期に配信した協業タイトルなどの利益貢献を積み重ね、利益成長を目指す。
このロードマップを踏まえると、2027年8月期は黒字化そのものを最終目標とするのではなく、次の成長局面に向けて収益基盤と開発パイプラインを整える期間と位置付けられる。

もっとも、営業利益予想は3000万円と小幅な黒字にとどまる。新規タイトルへの投資や広告宣伝費の増加を織り込む一方、開発コストの削減効果を見込んでおり、計画どおりに収益性を改善できるかが問われる。さらに、開発を進めるタイトルが実際のリリースや収益貢献につながるかどうかも、中期的な成長を左右することになる。
ワンダープラネットにとって、2027年8月期は収益性の回復と新作開発を並行して進める重要な1年となる。黒字化を実現できるかに加え、2028年8月期のリリース集中期に向けて、開発パイプラインと収益構造をどこまで整えられるかが焦点となりそうだ。
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会社情報
- 会社名
- ワンダープラネット株式会社
- 設立
- 2012年9月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 佐藤 彰紀
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高23億1600万円、営業損益1億2900万円の赤字、経常損益1億5300万円の赤字、最終損益1億3100万円の赤字(2025年8月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4199