【レポート】SteelSeries、新作ゲーミングマウス「Sensei Pro」「Rival Pro」を発表 UWBによる安定した通信と交換式バッテリーを実現

山岡広樹 gamebiz編集者
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GNグループが展開するゲーミングデバイスブランド「SteelSeries」は、10月22日、新作ゲーミングマウスのメディア発表会を開催した。会場では、SteelSeries公式アンバサダーの伊織もえ氏と、eスポーツキャスターで同じく公式アンバサダーのOooDa氏が司会を担当。SteelSeries Sales Director, Japanの石井靖人氏が新製品「Sensei Pro」「Rival Pro」の特徴を紹介したほか、プロeスポーツチーム「SCARZ」のVALORANT部門に所属する選手・コーチも登壇し、製品の使用感やデバイス選びへのこだわりを語った。



新製品は、無線通信の安定性を高めるUltra-Wideband(UWB)技術と、バッテリーを交換しながら使い続けられる「Infinite Power System」を採用した点が特徴だ。発表会後には、東京・秋葉原の「LIFORK AKIHABARA Ⅱ」で実機を試せるポップアップイベントも実施。石井氏とSCARZ VALORANT部門のヘッドコーチを務めるArt氏への個別インタビューも行った。

■UWBと交換式バッテリーで無線マウスの課題に挑む――「Sensei Pro」「Rival Pro」を発表

第一部の会場となったesports style UENOでは、SteelSeries Sales Director, Japanの石井靖人氏が登壇し、新作ゲーミングマウス「Sensei Pro」「Rival Pro」の製品説明を行った。


▲SteelSeries Sales Director, Japanの石井靖人氏。

SteelSeriesは、ゲームに勝つための機能を提供することを製品開発の基本理念としてきた。2019年に発表した「Apex Pro」ではアクチュエーションポイントを調整できる機能を取り入れ、ヘッドセットなどのオーディオ製品でもゲームに適した性能を追求してきたという。



マウスについても、2007年に初めて製品を発売して以降、さまざまなアップデートを重ねてきた。今回の「Sensei Pro」「Rival Pro」は、同社を代表するシリーズを新たな技術とともに進化させた製品となる。



開発にあたって重視したのは、無線通信の安定性とバッテリー切れへの対策だ。一般的な無線ゲーミングデバイスで広く利用されている2.4GHz帯は、周囲の機器との電波干渉によって遅延や接続の不安定さが生じる場合がある。また、ワイヤレスマウスは充電が必要となるため、長時間のプレー中にバッテリーが切れてしまうことも課題だった。



そこで採用されたのが、UWB技術だ。2.4GHz帯とは異なる周波数帯を利用し、より広い帯域幅を活用することで、安定した通信を目指している。最大8000Hz(8K)のポーリングレートにも対応し、プレー中の入力を安定して伝えることを追求した。

もうひとつの特徴が「Infinite Power System」だ。交換可能なバッテリーを2個用意し、使用中のバッテリーが切れそうになった際には、もう一方へ交換できる。8Kのポーリングレート使用時はバッテリー1個あたり最大16時間、1000Hz使用時は最大60時間の連続使用が可能としている。交換式のため、充電のためにマウスを有線接続へ切り替える必要がない点もポイントとなる。



製品は、左右対称デザインの「Sensei Pro」と、右手用のエルゴノミックデザインを採用した「Rival Pro」の2シリーズを展開。重量は標準サイズが53g、Miniサイズが49gとなっており、交換式バッテリーを搭載しながら軽量化を実現した。

また、ゲームや設定に応じてマウスの位置情報の更新頻度を調整する「SuperSync」も搭載。8Kの通信を維持しつつ、ゲーム側が8Kの入力更新に対応していない場合などには、位置情報の更新を2Kや3Kに抑える仕組みを取り入れている。



設定面では、ブラウザからマウスの各種設定を行える「SteelSeries GG Web」にも対応。感度調整やエイムトレーニングなど、プレイヤーの好みに合わせたカスタマイズをサポートする。



価格は3万3310円(税込)。ブラックモデルは11月20日発売予定で、ホワイトモデルは12月中旬の発売を予定している。発表会当日から予約受付も開始された。



■SCARZの選手・コーチが新作マウスを体験――操作の安定性やバッテリー交換の利便性を評価

続いて、SCARZ VALORANT部門のヘッドコーチArt氏と所属選手が登壇し、新作マウスを実際に使用した感想や、デバイス選びについて語るトークセッションが行われた。


▲左から順に、SCARZ VALORANT部門のヘッドコーチArt氏、SCARZ VALORANT部門所属のthiefy選手、YamadaTaroNO1選手、SacrificE選手、Kellan選手、gray選手。
 

UWBによる操作感は? 選手からは「ストレスなくプレーできる」との声

最初のテーマは、UWBを採用した新作マウスの使用感だ。

選手たちからは、カーソルの動きが意図したとおりに反映されることや、トラッキングの安定性を評価する声が上がった。通信の途切れやセンサーの読み取りに起因する不安を感じずにプレーできることは、競技シーンにおいても重要な要素となる。

また、実際に手に取った印象については、軽さに驚いたというコメントもあった。軽量設計と無線通信の安定性を両立した点が、選手たちの関心を集めていた。



バッテリー交換でプレーを中断せずに使い続けられる

2つ目のテーマは「Infinite Power System」だ。

ワイヤレスマウスを使用する際、充電を忘れたまま練習や試合に臨み、プレー中にバッテリーが切れてしまうことはゲーマーにとって身近な悩みのひとつ。従来の製品では、充電が切れた際にケーブルを接続して有線で使う必要が生じる場合もある。

これに対し、新作マウスではバッテリーを交換することで、無線接続のまま使用を継続できる。選手たちからは、長時間の練習や試合が続く日にも安心して使える点や、バッテリー切れを気にせずに済む点を評価する声が聞かれた。



デバイス選びでは性能だけでなく、形状や握り心地も重要

3つ目のテーマは、選手それぞれのデバイス選びへのこだわりについて。

マウス選びでは、センサーの性能や重量だけでなく、手へのフィット感や握り心地も重要になる。選手からは、左右対称の形状を好む声や、かぶせ持ち・つかみ持ちなどの握り方に合った形状を重視する意見が出た。

Art氏も、長年同じマウスを使ってきた経験に触れながら、性能だけでなくデザインも選ぶ際のポイントになると語った。競技で使用するデバイスは、スペックだけではなく、プレイヤー自身が使い続けたいと思えるかどうかも重要な要素となっているようだ。



ArtコーチとSacrificE選手が「3D Aim Trainer」でエイムに挑戦

トークセッションでは、エイムトレーニングソフト「3D Aim Trainer」を使用した実演も行われた。Art氏とSacrificE選手が新作マウスを使い、制限時間内にどれだけ多くの的を撃てるかを競った。

Art氏は「Sensei Pro」を使用して挑戦。軽量な本体や、手の大きさ・握り方に合わせて選べるサイズ展開についても話題に上った。

一方、SacrificE選手が使用した「Rival Pro」は、右手用のエルゴノミックデザインが特徴。親指を置く位置やサイドボタン周辺の形状が手にフィットし、安定して握れる点が注目された。

実演では、SacrificE選手が150を超えるスコアを記録。会場では、実際にゲームをプレーすることで、重量や形状、操作感の違いを確かめられる機会となった。

■秋葉原で新作マウスを体験できるポップアップイベントを開催

第二部の会場となったLIFORK AKIHABARA Ⅱでは、日本での発売に先駆けて新作マウスを体験できるポップアップイベントが開催される。



開催期間は2026年10月23日(金)から10月25日(日)までの3日間。来場者は「Sensei Pro」「Rival Pro」を実際に手に取り、左右対称デザインとエルゴノミックデザインの違いや、49gの軽量設計、UWBによる操作感などを試すことができる。

会場にはフォトスポットやプレゼント企画も用意。各日にはゲーミング配信者を招いたトークショーも実施され、デバイス遍歴やマウス選びへのこだわりなどが語られるほか、FPS向けの練習ソフトを使った来場者との対戦企画なども予定されている。

開催時間は10月23日(金)・24日(土)が13時から20時まで、25日(日)が13時から19時まで。トークショーの観覧には整理券が必要となる。詳細はSteelSeries Japanの公式Xアカウントなどで確認できる。
 

 

■SteelSeries Sales Director, Japan 石井靖人氏インタビュー――「ただ軽いだけではない」マウスを目指して

ここからは、発表会後にLIFORK AKIHABARA Ⅱで実施した、SteelSeries Sales Director, Japanの石井靖人氏と、SCARZ VALORANT部門ヘッドコーチのArt氏への個別インタビューをお届けする。新作マウスの開発に込めた思いや製品の特徴、チームでの活用に期待すること、今後の目標などを伺った。


▲SteelSeries Sales Director, Japanの石井靖人氏(写真右)と、SCARZ VALORANT部門ヘッドコーチのArt氏(写真左)。

――今回の新作マウスには、どのような思いが込められているのでしょうか。

石井氏:SteelSeriesには、ゲームをプレーする人たちに「勝つために何かを与えていく」という基本理念があります。「Apex Pro」でアクチュエーションポイントを変更できるようにしたり、オーディオ製品をゲームに適したものにしたりと、勝つための要素を製品に取り入れてきました。

マウスについても、2007年に最初の製品を発売してからアップデートを重ねてきましたが、「Sensei」と「Rival」のハイエンドモデルは2019年以降、発表していませんでした。

そのなかで、何をもってゲーマーに還元できるのかを考えた結果、今回のUWBやInfinite Power Systemが生まれました。ただ軽いだけのマウスを作るのではなく、ゲームに対してプレイヤーが熱くなれるようなものを作りたいという思いが、新製品の開発につながっています。



――開発にあたって、特に苦労した点を教えてください。

石井氏:これまでにないことに取り組んだため、全体的にかなり時間がかかりました。バッテリーを交換式にするにあたっては、プレー中にどうすればスムーズに使ってもらえるかを考え、さまざまなプロトタイプを作ったと聞いています。

UWBについても、新しい無線規格を使い、広い帯域幅のなかで安定した通信を実現する必要がありました。さらに、「SuperSync」などのソフトウェア開発にも時間をかけています。ハードウェアとソフトウェアの各チームが、それぞれ試行錯誤を重ねて開発してきました。



――購入を検討している読者に、注目してほしいポイントはありますか。

石井氏:まずは実際に触っていただきたいです。ポップアップイベントでは、ゲームで新作マウスを使って試していただけます。発表会でもSCARZの選手が話していましたが、操作のスムーズさやバッテリー交換の簡単さは、実際に使ってみないと分からない部分もあると思います。ぜひ体験したうえで、購入を検討していただきたいです。

――最後に、読者へメッセージをお願いします。

石井氏:「Rival」や「Sensei」は、SteelSeriesのなかでも伝説的な製品です。マーケットでも高く評価していただいたシリーズが、新たな形で生まれ変わりました。ぜひ実際に触っていただきたいと思います。
 

■SCARZ VALORANT部門 ヘッドコーチ Art氏インタビュー――無線で使い続けられる点が大きな魅力

――新作マウスを実際に使ってみて、これまでの製品との違いをどのように感じましたか。

Art氏:一番違いを感じたのは、バッテリーを交換できるところです。ゲーマーなら、充電しないままスクリム中にバッテリーが切れてしまうこともあると思います。僕自身も頻繁に充電するタイプではありません。

従来のマウスでは、充電が切れると一時的に有線で使うことになり、無線のまま使い続けられない点がネックでした。バッテリーを交換すれば無線で使い続けられるというのは、あまり触れられていない部分かもしれませんが、僕にとっては一番大きな違いです。



――新作マウスをチームに取り入れることで、どのような変化を期待していますか。

Art氏:僕はデバイスを選ぶときのポイントに「愛」と書いているのですが、スポンサーさんに提供していただいたデバイスを使えること自体が、個人的にすごくうれしいんです。それを使っているからやる気が出る、という部分もあります。

もちろん性能が良いことも大切ですが、それ以外にもスポンサーさんを背負っているという意識が、ふとしたときにやる気のスイッチになってくれたらいいなと思っています。そうしたモチベーションにつながることを期待しています。



――今後に向けた意気込みと、ファンへのメッセージをお願いします。

Art氏:昨年度は結果が振るわず、個人としても「やってしまったな」という自覚がありました。だからこそ今年はコーチに転向しましたが、自分にはコーチという役割が向いているという手応えもあります。

チームの仕組みをしっかりと安定させ、大会で結果を出していきたいです。メンバーには「尊敬してもらえるチームでいよう」と伝えています。応援してもらえることはとても大切だと思うので、これから一生懸命練習し、そうしたチームを作っていきます。応援よろしくお願いします。

■通信の安定性と使い続けられる利便性を追求した新作マウス

今回発表された「Sensei Pro」「Rival Pro」は、UWBによる無線通信の安定性と、交換式バッテリーによる利便性を追求したゲーミングマウスだ。軽量設計や形状の異なる2シリーズを用意することで、プレイヤーごとの持ち方や好みにも対応する。

発表会では、SCARZの選手たちが操作感やバッテリー交換の利便性に言及したほか、石井氏も実際に触れて体験することの重要性を強調した。製品の性能や機能はもちろん、手に取った際のフィット感や操作感は、マウス選びにおいて欠かせない要素だろう。

秋葉原で開催されるポップアップイベントでは、発売前に新製品を試すことができる。無線マウスの通信安定性やバッテリー運用に関心があるプレイヤーは、実際の使用感を確かめてみてはいかがだろうか。




(取材・文 編集部:山岡広樹)

 

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