JPモルガン証券は、1月10日付で「ゲーム・インターネットセクター」と題する第3四半期決算前のプレビューレポートを発行した。ゲームソフトやソーシャルゲームに関する部分をピックアップして紹介しておこう。
レポートの総論として、ソーシャルゲームは成長性がピークに達しつつあるほか、前年同期のハードルが高くなると指摘。さらにビデオゲーム業界については新ハードや有力タイトルの発売があるものの、ソフト販売にはサプライズはないとコメントしている。ただ、ミクシィ<2121>については、ゲームプラットフォームのリニューアルにより、マネタイズが少なからず向上すると見ているという。
大手ゲームソフト各社やソーシャルゲーム関連各社に関するコメントは以下のとおり。
■コーエーテクモホールディングス<3635>
主要タイトル投入が奏功し、2011年度は好調な着地となる見通しだが、投資有価証券の評価損計上によるバランスシートの弱体化が懸念される。
■バンダイナムコホールディングス<7832>
年末商戦での国内玩具販売は堅調だが、特にサプライズではない。ソーシャルゲームについては、今冬Mobageで投入予定の「ONE PIECE」がけん引役になるだろう。
■カプコン<9697>
「モンスターハンター3(トライ)G」は、3DS向けとしては好調な販売だが、特にサプライズはない。スマホアプリは大きな成果が見られず、好調な国内ソーシャルゲームで部分的に相殺はされるものの、全体では同社の業績は市場予想を下回る見込み。
■コナミ<9766>
ソーシャルゲームは安定しているが、前四半期比では成長率の停滞兆候が見受けられる。またパッケージソフトの競争力は低下。2011年度通期は、会社計画が保守的だったため、上方修正や増配が見込まれるが、サプライズではないだろう。
■ミクシィ<2121>
広告需要は短期的な大幅改善は難しい。一部SAPは、「mixi」をGREEやMobageに取って替われる存在として認識。アイテム課金のARPUについては、四半期比で大幅に増加すると予想している。
■ディー・エヌ・エー<2432>
内製ゲームのヒット不足で、同社のARPU増加は難しい。海外市場でのアプリのダウンロード数は多いが、コイン消費は会社計画を大きく下回る見込み。同社の内製ゲームとしてのカードコレクションタイトルのリリースを待ちたい。
■グリー<3632>
引き続きARPUの増加が顕著。海外へのプラットフォーム展開が4~6月に予定されているが、これが多大なコスト負担となるのか、同投資の回収時期はいつとなるのかなどが注目点となる。
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697