大和証券CM、ソーシャルゲーム市場の拡大続くが、大手優位が鮮明に

大和証券キャピタル・マーケッツ(CM)は、2011年12月22日付で「ゲームエンターテインメントセクター」に関するレポートを発行した。家庭用ゲーム機や遊技機、ソーシャルゲームなどのサブセクターの現状と見通しをまとめているが、この記事ではソーシャルゲームを中心にまとめていこう。比較的、マーケットの見通しについてはポジティブだが、証券関係者の間でも見方が分かれつつある、といえるのかもしれない。また取り上げられている企業は上場企業なので注意されたし。 大和CMでは、ソーシャルゲーム市場の拡大は続くと指摘。プラットフォーマーの自社タイトルだけでなく、外部ソーシャルゲームプロバイダーの投入タイトルの増加傾向が続いているが、パッケージソフト大手によるコンテンツの投入によって、新規ユーザー層の拡大や、マニア向けサービスの強化に伴う高ARPU化などが進むと想定している。 一方、ソーシャルゲームプロバイダーについては、参入事業者の急増で競争激化と大手優勢が今後明確になると予想している。独立系中小内では、その煽りを受けて急速に成長鈍化もしくは業績悪化となる銘柄と、先行者メリットで一定の規模を確保した銘柄に二極化する、としている。そうしたなか、独立系では、KLab<3656>と、ドリコム<3793>が有利になると見ている模様。 このほか、興味深い指摘として、「ソーシャルゲームは儲かる市場」との通説の浸透が進み、キャラクターIPホルダーも安価な条件でのライセンスアウトを拒む事例があると紹介している。独立系ソーシャルゲームプロバイダーの中でも、実績のある比較的大きな企業に案件が集中する傾向が出始めているようだ。 なお、業界としての課題として、スマートフォン対応、コンテンツのリッチ化、海外進出の3点をあげている。特に海外展開については、海外ユーザーが日本と比較してARPUが低いことに加え、日本発コンテンツが海外で受け入れられた事例が多くないとし、グリー<3632>とディー・エヌ・エー<2432>の海外ビジネスの初動は確認すべきとしている。