【決算まとめ】ゲームソフト大手6社中5社が営業益改善-ソーシャルゲームの比重高まる
■カプコン
カプコンは、減収減益となった唯一の大手ゲーム会社だが、ソーシャルゲームは「スマーフビレッジ」を中心に伸びたものの、主力のコンシューマゲームの販売減が主な要因だった。「モンスターハンター3(トライ)G」を3DS向けに発売し100万本を突破するなど好調だったものの、前年同期に複数リリースされた大型タイトルが今期はなかったため、反動減となった格好だ。
■コーエーテクモHD
逆に収益が急速に改善したのは、コーエーテクモHDで、家庭用ゲームソフトにけん引された。「真・三國無双 NEXT」や「無双OROCHI 2」が貢献したほか、ダウンロードコンテンツも好調だった。ソーシャルゲーム分野も伸びた。「100万人の信長の野望」と「100万人の三國志」が伸長したことに加え、「100万人のWinning Post」も収益に寄与した。ただ、前四半期比では伸び悩む傾向が見られる(関連記事)。
■コナミ
ソーシャルゲームで収益拡大を実現したのは、何と言ってもコナミだ。「ドラゴンコレクション」を筆頭に、「戦国コレクション」、「プロ野球ドリームナイン」、「クローズ×Worst」、「Jリーグドリームイレブン」などがヒットした。SNS関連の売上高は前年比173%増の265億円に伸びた。スロットマシンや、パチンコ・パチスロなどの遊技機、スポーツ施設といった事業も採算性が改善したことも収益を押し上げた。
■スクウェア・エニックスHD
2011年3月期は唯一の大手で唯一増益とならなかったスクウェア・エニックスHDだが、見事に復活を遂げた。「Deus Ex : Human Revolution」と「ファイナルファンタジーXIII‐2」など家庭用ゲームソフト販売が伸びたほか、ブラウザゲーム「戦国IXA」や、ソーシャルゲーム、スマートフォンアプリの課金収入が継続して伸長したことが主な増益要因となった。タイトーの運営するアミューズメント施設の収益改善も貢献した。
■セガサミーHD
セガサミーHDは、増収増益となったものの、ゲーム事業は不振だった。パチンコ・パチスロなどの遊技機の販売や、アミューズメント施設が堅調に推移したことが主な要因だった。コンシューマゲームについては、国内販売は堅調に推移したものの、欧州や北米での販売は不振だった。ネットワークコンテンツは、「Kingdom Conquest」が全世界200万ダウンロードを突破し、Android版もリリースした。
■バンダイナムコHD
バンダイナムコHDは、前年同期は253%増益を達成したが、今期も引き続き好調だった。定番キャラクター玩具や、カードなどの玩具周辺商材に加え、業務用ゲーム機、ソーシャルゲーム、家庭用ゲームソフトなど、全分野が伸長した。「テイルズ オブ エクシリア」や「機動戦士ガンダム EXTREME VS.」など家庭用ゲームがヒットしたほか、「ガンダム」シリーズを中心にソーシャルゲームも大きく伸びた。「GREE」や「Mobage」ではランキング上位に連ねている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460