ガンホーが家庭用ゲームソフトの開発費の会計処理を変更との報道…アイテム課金型は1-5年に分割
8月16日付の日本経済新聞朝刊は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3635>が2012年第3四半期(7~9月期)より、アイテム課金型の家庭用ゲームソフトを対象に、開発費の会計処理を変更する、と報じている。
報道によれば、開発費はこれまでゲームソフトの発売と同時に一括で原価計上していたが、1~5年かけて費用処理する方法にするとのこと。従来のパッケージソフトと異なり、売上計上が長期にわたるため、費用をそれに対応させ、より実態に近い利益を投資家に示す狙いだという。
今秋ダウンロード無料で配信するPS Vita用ゲームの「ピコットナイト」から開発費用を5年程度に分けて原価に計上する予定。ただし、家庭用ゲームソフトでも、店頭販売するゲームやダウンロードが有料でアイテム課金比率が低い場合、開発費は従来と同様一括計上とするとしている。
なお、ゲームソフトの開発費の計上方法については、通常、
(1)ゲームソフトの開発中は開発費を「仕掛品」や「ソフトウェア仮勘定」などの資産として計上し、発売と同時に費用に振り替えるパターン
(2)開発中から費用処理するパターン(ソーシャルゲームでもこれが増えてきた)
(3)長期間にわたって収益を稼ぐオンラインゲームなどでは開発中は「仕掛品」「ソフトウェア仮勘定」などとして資産に計上し、開発が完了した時点で、「ソフトウェア」に振り替えて一定期間、一定額を償却するパターン
があり、ガンホー社の新しい処理方法は、(3)に近いものになるとみられる。その場合、期間中の売上が想定に満たず費用の回収が不可能と判断された場合、期間中であっても減損損失などを計上する必要が出てくる可能性もある。
会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森下 一喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765