インデックス、12年8月期は事業再編一巡し6期ぶり最終黒字…「ペルソナ」やソーシャルゲームが伸長

インデックス<4835>は、この日(10月19日)、2012年8月期の連結決算を発表し、売上高183億1500万円(前期比20.1%減)、営業利益13億7500万円(同40.6%増)、経常利益9億1700万円(前期3億2000万円の赤字)、当期純利益4億4700万円(同44億9800万円の赤字)だった。     引き続きグループ会社の整理を進めたため、大幅な減収となったものの、事業再編に関わる損失計上が一巡したこともあり、最終損益は6期ぶりの黒字となった。セグメント別の業績は以下のとおり。 主力のネット&ゲーム事業は、売上高149億8000万円、営業利益24億1300万円だった。「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」が26万本、「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」が22万本を販売するなど、パッケージソフトの販売が好調に推移した。「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」は、世界で一番売れているPS Vita向けソフトではないかと同社の小川喜美社長は説明していた。 また、ソーシャルゲームについては、9タイトル配信し、会員数は前期比で約2倍となる322万人となった。「GANTZ/XAOS」が会員数80万人を突破するなど順調に伸びたほか、「ペルソナ3 ソーシャル」、「世界樹の迷宮」、「デビルチルドレン」などを配信した。ソーシャルゲームの月商は約1億円で、その多くは「GANTZ/XAOS」によるもの。売上は第4四半期は若干低下したとのこと。 このほか、モバイルデバイス事業が30億8000万円、営業利益4400万円だった。PHS端末を手がけるネットインデックスで、第3四半期までの数字が連結決算に組み込まれている。第4四半期以降は持分法適用会社となる。映像関連事業は、売上高4億0400万円、営業損益500万円の赤字だった。   ■2013年8月期の見通し 2013年8月期は、売上高156億9000万円(前期比14.2%減)、営業利益13億9300万円(同1.3%増)、経常利益8億5800万円(同6.4%減)、当期純利益6億6500万円(同48.7%増)を見込む。パッケージゲームの発売が下期に集中するため、利益計画は下期に集中する見通しだ。     ネットインデックスを売却したことや、デジタルデーム事業にフォーカスするため、セグメント変更も行ない、「デジタルゲーム事業」、「コンテンツ&ソリューション事業」、映像関係を手がける「その他」に再編した。 デジタルゲーム事業は、売上高76億4900万円、営業利益10億5000万円を見込む。パッケージソフトについては、「真・女神転生Ⅳ」や「ドラゴンズクラウン」など年間4~5タイトルを発売する予定。 ソーシャルゲームは、開発ラインを強化するとともに、5~6タイトルを配信する予定で、年間会員数は670万人を見込む。9月末にリリースした「ペルソナ4 The Card Battle」は、3週間で会員数が11万人登録するなど「GANTZ/XAOS」規模で推移しており、前期以上の売上が期待できるとのこと。パチンコ・パチスロポータルも展開する。 このほか、コンテンツ&ソリューション事業は、売上高66億8100万円、営業利益14億1800万円、その他は、売上高3億1500万円、営業利益4500万円を計画している。   ■注目すべきトピックスとしては、以下の事項があげられる。 (1)タイのITセンターの活用があげられる。これまでタイでのコンテンツ配信を行なってきたが、オフショアの開発拠点として稼働を開始、すでに30名近い開発スタッフが在籍している。インデックスの開発したソーシャルゲームエンジンを用いて、GREE「織田信奈の野望」を開発したほか、ニンテンドーDS「スノボキッズ」をベースにしたスマートフォンアプリも開発した。 (2)NTTドコモが11月より開始する「dゲーム」にも取り組む。初期ラインナップにはインデックスのパブリッシングタイトルはないものの、開発を請け負ったタイトルがリリースされる。さらに1月以降にはリリースすべく、開発の準備を進めるとともに、NTTドコモと協議を進めているという。「LINE」へのコンテンツ提供も決定した。 (3)最近、GREEやMobageといったプラットフォームを介さない形で、スマートフォン向けソーシャルゲームを提供するSAPが増えている。インデックスでもプラットフォームへの提供は行いつつも、App StoreやGoogle Playで配信するタイトルの一部は、ソーシャルゲームプラットフォームを介さない形で提供する。海外についても同様に直接配信することも検討している。 (4)有利子負債の圧縮を進めており、2007年8月期には545億円あったが、2012年8月末には195億円まで圧縮に成功している。2013年8月期もキャッシュ・フローや株式・事業譲渡で返済を進めていく。ネクソンがgloopsを買収したことが話題になったが、ソーシャルゲーム事業の売却を行なって有利子負債の圧縮に充てるのか、という質問に対し、小川社長は「デジタルゲーム事業に集中するという方針がある以上、考えていない」と回答した。
株式会社インデックス

会社情報

会社名
株式会社インデックス
設立
1995年9月
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