東京証券取引所は、この日(11月7日)、ソーシャルゲームプロバイダーのenishの東証マザーズへの上場承認を行ったことを明らかにした。上場予定日は、12月11日で、市場コードは「3667」となる。主幹事証券は、大和証券で、公募株式数は5万株、売出は104万株、オーバーアロットメントによる売出が15万9000株となる。
enishは、2009年2月、株式会社シンクロア(現Kii)のソーシャルアプリを開発する子会社「株式会社Synphonie」として設立された。2009年10月にリリースした「ぼくのレストラン」を提供し、その後、「ぼくのレストラン2」や「ガルショ☆」、「ボクらのポケットダンジョン」、「料理の鉄人」などのソーシャルゲームを提供している。今年9月に現在の社名に変更した。
まだ設立間もないが、急速に業績が伸びている。2011年12月期の決算は、売上高25億9000万円(前期比6.2倍)、営業利益5億2600万円(同8.2倍)、経常利益5億2300万円(同7.3倍)、当期純利益2億9800万円(同5.4倍)となった。主力のレストラン経営ゲーム「ぼくのレストラン2」をはじめ、ファッション経営ゲーム「ガルショ☆」など、女性向けのシミュレーションゲームの売上が伸びたことが主な要因だった。
資本業務提携の関係にあるグリー<3632>の運営する「GREE」経由での売上が大きい点が特徴となっている。2011年12月期においては、売上の実に78.5%にあたる20億3300万円となっている。ただ、「GREE」以外でのプラットフォームでもタイトルを展開しており、売上高は「Mobage」が7.8%の2億0200万円、「mixi」が4.9%にあたる1億2700万円だった。
2012年12月期に入って、こうした女性向けのゲームに加えて、「ぼくらのポケットダンジョン2」や「ドラゴンタクティクス」などRPGやカードバトルゲームといった男性向けの新規タイトルもリリース。「GREE」ランキングの上位に入るなど、順調にユーザー数を拡大した。同時に、既存タイトルのスマートフォン対応も進めた。この結果、第3四半期(1~9月期)で、売上高28億5600万円、営業利益4億6300万円、経常利益4億6300万円、四半期純利益2億7000万円となっている。
なお、新規上場にともなって調達する資金は、約1億5600万円となる見通し。資金の使途については、プロダクトラインの増強に関する人材採用費に4900万円、本社移転・増床に関する設備投資資金1億8000万円の一部に充当する予定。
後日改めて紹介記事をまとめたい。おめでとうございます!
会社情報
- 会社名
- 株式会社enish
- 設立
- 2009年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 安徳 孝平
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3667