新規上場企業では、ソーシャルゲーム関連銘柄が人気になっていることに加え、新規上場時の公募・売出の規模も小さく、需給面での懸念が乏しいこともあって、個人投資家を中心に短期値幅取りの買いが集まりやすくなっているようだ。
また、本日の最終気配値1840円で時価総額を弾くと約45億円となる。比較対象としてソーシャルゲーム関連会社をみていくと、ドリコム<3793>が時価総額99億円、クルーズ<2138>が120億円、KLab<3656>が155億円、ボルテージ<3639>が45億円、エイチーム<3662>が303億円などとなっている。
■成長戦略も明らかに
なお、同社はこの日、今後の成長戦略も明らかにしている。現在、同社の持つ強みとして、(1)経営シミュレーションゲームのカテゴリーキラー、(2)複数のプラットフォームでの展開実績、(3)Online to Offline展開の先駆けをあげ、これらを活かした成長を目指す。
「ぼくのレストラン2」と「ガルショ」が長期間にわたってセールスが安定して伸びていることから、引き続き品質向上と高速PDCA、業務効率化を進めていく。またコンテンツ展開について、も経営シミュレーションに加え、RPGやカードバトルの仕組みを取り入れたゲームもヒットし、あらゆるトレンドに対応したポートフォリオを構築する。
またプラットフォームの展開については、「GREE」を中心に「mixi」、「Mobage」、「Ameba」、「engag!」でのリリース実績とプラットフォーマーとの良好な関係と協力体制で国内で引き続き成長を目指すとともに、ネイティブアプリと海外展開を強化する。
OtoOについては、ゲームユーザーの限定アイテムを獲得する強いモチベーションをフックに提携店舗に送客するサービスを展開する。すでに「ぼくのレストラン2」などでは、リンガーハットやローソン、チャルメラ、スパリゾートハワイアンズなどと連携して多くのユーザーを送客した実績がある。
上場を契機に事業展開を大きく変えていくというものではなく、ここ最近、同社が行なってきた施策をさらに強化していくというイメージであろうか。
会社情報
- 会社名
- 株式会社enish
- 設立
- 2009年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 安徳 孝平
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3667