ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN-、ファリアーに関するスマホアプリ&ソーシャルゲーム連載記事

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【連載】ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- 第三十八回「軸足をもつ」

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株式会社ファリアー 代表取締役 社長の馬場保仁氏が、ゲーム業界の人材・採用に関して語っていく連載記事「ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN-」。同氏は、セガで家庭用ゲームの開発を、DeNAではスマホアプリ開発のプロデューサーを担うほか、人事・採用担当も兼任していた。ファリアー社を創業し、“人は人に活かされる”をモットーにゲーム開発、人材発掘・育成にこれまで以上に注力していく。開発現場・採用担当、双方の視点からゲーム業界における“人”に対してスポットをあてた連載記事。 
 
 

■第三十八回「軸足をもつ」




 
新しい年度が始まり、企業、学校ともに、フレッシュな新人の皆さんが大勢加入されている
ことでしょう。新しい人が来たということは、
 
育成
 
を開始しなくてはいけない、ということですね
学校であれば、カリキュラムを設定して、講義を開始するでしょうし、企業であれば、研修やOJTを実施することでしょう。ただ、目指すところは、企業と学校とでは、やや異なることとなります。
 
大学では、高校までに培われた学力に加え、より高度な学問を積み、そのうえで、制作や研究に取り組めるだけの実力をつけてもらうための基礎学力の向上を目指すことでしょう。もちろん、それだけでなく、決してモラトリアムであるだけではなく、人生の目標を見出せるような「きっかけ」を提供し、それをサポートしていくことになるかと思います。
 
大学に入る段階で、人生の目標が決まっている人もいるでしょうが、それを探すために、
モラトリアム的に3年を使うのも、悪くないかなと思います(4年でないのは、就活は3年生の夏には事実上開始されるからです)特に我々、エンタテインメント産業の人間は、
 
「好き」「面白い」「わくわくする」
 
を自分自身でみつけ、体験し、その感覚を自分のものとしなくてはいけません。
それは、自分からガツガツとりにいけたらラッキーですが、大半の人は、ガツガツいくためにも出会いやきっかけを求めているはずです。わたしも、この活人研でも過去に書きましたが最初からゲーム業界を志望していたわけではなく、単に趣味の1つでしかなかったですし、実際に就活に直面するまでは、具体的にめざしてもいませんでした。ですが、大学、大学院の研究で「チームでの作業、制作」に面白さを感じたために、これを仕事でやれるところはどこだろう?を考えたのがきっかけでした。

そういう意味では、結果論ですが、たまたまグループワークの多い学校にいけたこと(入学するまでまったくそんなことは知らなかったです。なぜなら、わたしの代が一期生でどんな授業をしているかもまったく情報がなかったからです)がラッキーだったということです。
 
なので、探すために、3年弱の時間稼ぎ、で良いと思うのです(笑)。ただ、繰りかえしになりますが、3年弱の期限付きであることは、認識しておかなくてはいけないということで、且つ、その間、いろんなことを体験していってほしいと思います。

専門学校生に比べて、必修ばかりでカリキュラムが組まれているわけでもないので、自分の時間をマネジメントする初めての体験がつめるのも、大学生のいいところです。
机にかじりついて勉強しろ!ということではありません。(もちろん、それも必要ですが)

どちらかというと、講義をいれない時間を計画的につくり(単位はちゃんととってくださいよ笑。 わたしは、決して、サボりや授業を少なくとれ、といっているわけではありませんので)、授業からは、学べないことを、調べる、体験する、まとめるなどできるとよいですね。それがサークル活動でもいいと思います。

どんなことでもいいので、全力でやりましょう。自分で考えてやりましょう。
それは大きな経験になり、自分だけの軸足を形成することになるでしょう。

これも繰り返し、活人研ではいっておりますが、いまの時代、情報が氾濫していると同時に、情報を集めることも比較的がんばれば容易にできる時代になっています。

で、あるがゆえに多少の知識を「知っている」程度では、価値があまりありません。(もちろん、知らないより、知っていた方がいいのですよ)それくらい、インターネットとスマホの登場は、表層的な知識、情報の重みをかえたと思います。

で、あるがゆえに、「体験」をすることで、同じ知識も「自分なりの理解、解釈」がそこに生まれるので、自分の言葉で他者に話すことができます。自分らしさを形にしたければ、とにかく、多くの「体験」をつんでいきましょう!3年弱を有効に使って!
 
専門学校では、「ゲームが好き!」な人たちが集まっていることが多いはずです(笑)。
やや、奥歯にものが詰まったような言い方ですが、必ずしも、「大好き!」「仕事にしたい!」とまで、想いが強い、覚悟を決めた人ばかりではないのも事実だからです。あまり勉強が好きではない、でも、高校を卒業する段階では、まだ人生の目標を決めきれてない。でも、なにかは学んで身に着けたい。そうなったときに考えてみると、
 
「あ…自分はゲームなら好きだ」
 
というところに思い至り、学校に入っていく人も、まずまずな数いると思います。ただ、4年制、3年制の学校が増えてきているものの、まだ、2年制の学校もたくさんあります。そうなると、大学生の3年弱に対して1年しかないのです、モラトリアム期間が!

でも、「ゲーム」と絞り込んできているので、あとは、自身の覚悟を早々に確認できるかどうか?だと思います。つまり、
 
・ゲームを遊ぶのが好きなのか?
・ゲームをつくり他者にプレイして喜ばせるのが好きなのか?

 
を見定めることです。
前者でありながら、後者を満たせるかどうか?ここが一番大事なポイントになるかと思います。なので、やはり、大学生同様に体験をすることで、その踏み絵を乗り越えていかなくていけないと思います。

つまりは、先生、学校の環境を使い倒して、1日でも早くゲームをつくるという体験をすることです。拙いゲームでも構わないと思います。完成度は、経験と時間に比例するところもありますから。でも、そのゲームのエッセンスや、ポテンシャルは、どんなに拙くても他者の心を揺さぶるところはあります。また、受け入れられなかった時にこそ、「なにくそ!」というフラグが立つ人もいます(笑)。 専門学校生は、選択肢が多すぎるがゆえに、自身でいろんな体験をしていかなくていけない大学生に対して、わかりやすく、この「つくる楽しさ」を感じられるか?をいかに早く体験して、自身の覚悟を定めることかと思います。
 
ここまで、
 
大学生
→ さまざまな「体験」をすることで、自身の考え、判断の「軸足」をつくる

 
専門学校生
→ ゲームをつくる「体験」をすることで、「つくる面白さ」を実感し「軸足」とできるか?

 
という点をお話ししてきました。
ここからは、もう少し技術によせた話をしましょう。特に「プランナー」を志望する学生さんへのメッセージになれば、と思います。
 
プログラムが書けないから
絵が描けないから
だから、自分はプランナーにでもなるか…
 
では、これまでもでしたが、これからは、更に難しい時代が来ると思います。極論、入学するときは、それでもかまわないと思います。上記で、モラトリアムのすすめ、してますしね(笑)。でも、大学生なら3年弱、専門学校生なら1年弱の間に、そこからは抜け出していないといけません。
 
日本語なら、使ってるから何とかなりそう…シナリオでもやるか…とか、
キャラクタ設定とか好きだから、世界観とかつくるか…とか、
これを読んでる学生さんにもいませんか?

それがダメなわけじゃありません。なぜなら、それを仕事にされているプロもたくさんいらっしゃるからです。ですが、その方たちがいらっしゃれば、新たなジャンルを切り開くとか、「若いのに」という枕詞がつくかもしれませんが、年齢に比して、教養深く、いろんなジャンルに対応できる、もしくは、幅は狭いものの、特定ジャンルにおいては信じられない深さを見せるなどの「特徴」が必要となります。

つまり、言葉を武器に商売するならば、それはそれで、「広さ」か「深さ」の「軸足」が必要だということですね。なので、この猶予期間のうちに、数多くの書物にふれ、実際に自分で創作活動をして、他者の評価をうける体験をどれだけつめるか?でしょう
 
では、この「言語・テキスト」系のプランナー以外の人はどんなことを軸足におけばいいのでしょう?いくつも可能性はあると思いますが、今回はど真ん中の、ゲームデザインや、プレゼンテーションといったところではなく、これまでにはあまりいなかった、これからの時代、つまりは、
 
未来型プランナー
 
に求められるものをいくつか事例としてあげたいと思います。
ただ、未来型といっても、ゲームの業界の移り変わりは激しいので、何年かすれば、この未来型も普通のタイプになることでしょう!あくまでも、2017年4月の時点での、ということです。
 
企画書を書くだけがプランナーの仕事ではない!とはよく言われると思います。それは間違いなく、その通りです。本当に日本のゲーム企業におけるプランナーの業務は多岐にわたります。

でも、プランナーの採用でみられる観点は、その多岐にわたるものをすべて見ることはできません。となると、その時、見られるものはなんでしょうか?いくつかあると思います
 
・自分で、考える力
・考えたものを伝える力
・その人ならではの技術
など
 
でしょう。プランナーは、いかに自分がイメージしたものを、練り上げ、そして、それを他者に伝えることができるか?というところが大切です。と、なったときに、その「伝える方法」は「わかりやすい」ものであることが大切になるわけです。さて、ものを他者に伝える時に、
 
・字で伝える
・絵で伝える
・動くもので伝える
 
どれが一番つたわりづらいでしょう?言うまでもなく、字のみでつたえる、ですね。もちろん、字で伝えることは大事です。これまで活人研でも語彙を増やさないとプランナーは厳しいという話もしてきていますしね。デザインに関して、大学や専門学校でやってる学生さん、単にイラストを描きたいだけでなく、このゲームにおける絵の意味を考えて描くことができる人は、プランナーの素養もあるといっていいでしょう。もちろん、その「考え抜く」ところまでいけないといけませんが。

動くものに関しては、エンジニア系の学生で、ゲームエンジンをつかって、ゲームをたくさんつくっている学生さんもいると思います。この人たちは、イメージしたものを、とっととプロトタイピングしてイメージを仲間に共有することができる力をもっています。百聞は一見に如かずではないですが、動くものをつくれば、伝えやすくなるのは間違いありません。が、であるがゆえに、そもそも面白いものを考えて、形にしてないと馬脚をあらわすことになりますが(笑)。 でも、イメージしたら、すぐに手が動く、これは、今後求められる能力の1つになると思います。
 
と、デザイナーやプログラマの専攻をしている学生さんも、「軸足」を自分たちが培ってきた技術におき、そのうえで考えて、他者に伝える、考え抜いたうえで、ということができれば、プランナーとしてかなりニーズがあるといっていいでしょう。
 
今回いいたいことは、
 
・期限をもって自分の軸足を探そう
・軸足の活かし方は、狭い範囲とは限らない
 
ということでした。それでは、今回は以上!
 
 


■著者 : 馬場保仁
株式会社ファリアー 代表取締役社長。過去、セガ(当時 セガ・エンタープライゼス)で『プロ野球チームをつくろう!』『Jリーグプロサッカークラブをつくろう!』など多数のゲーム開発に従事。その後DeNAにてスマホアプリ開発のプロデューサーを担うほか、人事・採用担当も兼任。現在は、ファリアー社を創業し、“人は人に活かされる”をモットーにゲーム開発、人材発掘・育成にこれまで以上に尽力している。著書に「ゲームの教科書」(ちくまプリマー新書)がある。
 



■ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- バックナンバー

第三十七回「どんな経験が?」

第三十六回「自分だけの面白いから脱却」

第三十五回「幸せのカタチ、面白さのカタチ」

第三十四回「プロの言葉・責任」

第三十三回「小さな成功、大きな成功」

「ゲーム業界クリエイター教育トーク」【後編】(第三十二回)

「ゲーム業界クリエイター教育トーク」【前編】(第三十一回)

第三十回「指導者に問われるもの」

第二十九回「そもそも、企画の仕事って…」

第二十八回「転職〜中級編・自分の価値を知る〜」

第二十七回「転職〜入門編〜」

第二十六回「リーダーシップとは」

第二十五回「思考のスタミナ」

第二十四回「出て行く勇気」

第二十三回「個人でつくる・集団でつくる」

第二十二回「指摘される勇気、指摘する気遣い」

第二十一回「どこを見るか? どう採るか?」

第二十回「100%の力を発揮するために……」

第十九回「まずは、”伝える”ことから始めよう!」

第十八回「カード少なく勝負に挑まない」

第二回「学校トーク!!」…三者鼎談【後編】(第十七回)

第二回「学校トーク!!」…三者鼎談【前編】(第十七回)

第十六回「新人事始」

第十五回「就職活動にみられる地方格差」

第十四回「【思いやり】の向こう側

第十三回「仕事選び 〜成長・夢・時間〜

第十二回「本当にそれは、ゲームに必要か?」

第十一回「ハッカソンの功罪」

第十回「会社選びと成長(プロ、アマ問わず)」

「学校トーク!」 東京工芸大学 『パックマン』生みの親 岩谷徹氏に訊く【後編】(第九回)

「学校トーク!」 東京工芸大学 『パックマン』生みの親 岩谷徹氏に訊く【前編】(第八回)

第七回「学生さんにやっていただきたいこと~前編~」

第六回「学生さんにやっていただきたいこと~前編~」

「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【後編】(第五回)

「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【前編】(第四回)

第三回「若手のチャンスとキャリアパス」

第二回「企業×学校×学生」

第一回「ゲーム業界って本当に人手不足なの?」
 
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企業情報(株式会社ファリアー)

会社名 株式会社ファリアー
URL http://farrier.jp/
設立
代表者 馬場保仁
決算期
直近業績
上場区分
証券コード

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