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【インタビュー】世界観と使いやすさの両立…『ファントム オブ キル』UIデザイナーチームが語る細部へのこだわり

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Fuji&gumi Gamesは、本格シミュレーションRPG『ファントム オブ キル』において、「プロジェクトZERO」をスタートさせた。

「プロジェクトZERO」の中核を担っているのが大型アップデート「地上編」だ。これは基本的なゲームシステムはこれまでの「天上編」を踏襲しつつ、より高難度のゲーム体験を提供するというもの。そして高難度となれば、これまで以上に丁寧かつ自然な誘導、しいてはUIのデザインがゲームの評価に直結すると言っても過言ではない。

今回は、『ファントム オブ キル』のUIデザインチームに所属し、制作の中心人物である3名にインタビューを実施。彼らが考えるUIの役割、そして世界観を壊さない自然なデザインへのこだわりを聞いてきた。

 

「プロジェクトZERO」特設サイト

 

 

■派手なデザイン=良いデザインではない…世界観との融合を重視する作り方



株式会社gumi Studio gg2
『ファントム オブ キル』デザイナー
鈴木 隆太 氏 (写真中央)
田辺 憲太郎 氏 (写真右)
金子 菜津美 氏 (写真左)


――:本日はよろしくお願いします。まずはみなさんがUIデザイナーとして、具体的にどんなところに携わっているかを教えてもらえますか。

田辺憲太郎氏(以下、田辺):私はUIの設計者です。ゲーム仕様やプロデューサーの意向を汲み取り、それを具体的にUIとしてどのように表現していくか、プランを作ることが主な業務になります。グラフィックデザイナーとして自分自身が手を動かすことは少ないですが、ワイヤーフレームを切ったり、画面の振る舞いの定義を作ることが多いです。どのタイミングでアニメーションを入れるか、どの表示を優先させるか、などですね。


――:UIそのものだけでなく、演出面も考えているのですか。

田辺:UIとは別に3D演出を考えるチームも存在しますが、UIと重なる部分でもあります。こちらがデザインを考えた際には、「これに合わせたアニメーションを入れてほしい」とお願いすることもあります。UIと演出を統一して考えなければ、世界観を表現するのは難しいことですので、調整は不可欠ですね。


――:なるほど。では金子さんはいかがでしょうか。

金子菜津美氏(以下、金子):私は『ファンキル』開発当初はUIのグラフィックを作るメンバーでした。現在はグラフィックチームのリーダーとして、クリエイティブ全般のチェックをしています。メンバーそれぞれが作ってくれたデザインの水準を保ち、さらに上げることが業務です。


――:デザインと言ってもキャラクターではなく、UIに関わる部分ですよね。

金子:そうですね。田辺が作ってくれたワイヤーフレームを元にUIのパーツを作っていきます。それ以外にも、お知らせのために使うバナー画像も私たちの担当業務になります。


――:そして鈴木さんも、同じくUIデザインに携わっていると。

鈴木隆太氏(以下、鈴木):私はアートディレクションという立場で、全体のデザイン方針の決定やクオリティ管理などを請け負っています。


――:分かりました。直近ではやはり『ファンキル』の最新アップデート「地上編」がメインの業務になっていると思いますが、みなさんはどういった形で参加していたのですか。

田辺:私の場合はもともと配信されていた「天上編」に引き続き、プロデューサーの意向を汲み取り、さまざまな要素を考えながら、実装に向けて動いていました。話を最初に聞いたときは、まだ漠然とした企画でした。アップデートとして入るのか、まったく別のゲームとなるのかをヒアリングする機会もありましたね。そして実現可能な形でワイヤーフレームを切り、プランナーやエンジニアに確認してもらいます。必要であれば修正しながら調整しました。
 

《「地上世界編」のゲーム概要》
世界樹ユグドラシルに分断された「天上」と「地上」の二つの世界――伝説の武器の名を持つ“キラープリンセス”と呼ばれる謎の少女達と出会い、失われた記憶を探し、共に成長していく物語が描かれる「天上世界編」――。好きなユニットを仲間にし、好きなだけ育てられる自由度の高い今までのゲームシステムに加え、 新たなゲームモード「地上世界編」が登場する。

“キラープリンセス”に加え、“キラーメイル”と呼ばれる男性ユニットが登場。悪魔が支配する弱肉強食の荒廃した世界で人類の抗いが描かれる。「地上世界編」は全てのユーザーが「同じ条件」の下、 限られたユニット、 武具、 アイテムで思考の限りを尽くして挑戦する「AP消費なし」の新ストーリーモード。

ユニットは物語を進めることで加入・脱退し、傷つき倒れた仲間は戦場に復帰することはできず“ロスト”する。 仲間を守るために緻密に戦略を練り、 パラメーターを確認して、 ダメージの計算をしながら誰一人失うことなく物語を進められることができるのか? 仲間を守る使命感から生まれる緊張が物語をさらに盛り上げる。
 

 
 



――:結果として「天上編」と「地上編」のUI設計はかなり変わったものになったという印象です。田辺さんとしては、なにかこだわった部分があったのですか。
 

田辺:UIのテイストをどの程度変えるか、変えるとしたらどういった方向性なのかは慎重に議論を重ねました。新たなスタートですので変えたい気持ちはあった反面、まったく違うものにすると既存のユーザー様が遊びづらくなってしまいます。どこまで共通のUIにするか、ボーダーラインの引き方は特に意識したところです。また、UIを変更するにしても、世界観設定を反映しなければいけませんので、スタッフと調整していきました。


――:金子さんも「地上編」に携わっていたのですか。

金子:いえ、私は通常の「天上編」を中心とした開発で、「地上編」にはそこまで深く関わっていませんでした。「地上編」でのクオリティ管理は、鈴木の担当でした。ただし「地上編」のアップデートが入っても「天上編」はこれまでどおり快適にプレイができるよう、調整も続けていきます。

鈴木:基本的にプロデューサーの今泉から表現したいことをヒアリングし、アートワークを見ながらUIに落とし込んでいくという流れが主な内容でした。また、各セクションのスタッフとも打ち合わせを重ねて、UIに関わる演出の方向性や、天上編のUIとの差別化を効果的に行うにはどうしたらよいか等のディレクションを行いました。


――:分かりました。では、鈴木さんの視点からこだわった点はありますか。
 

鈴木:操作感はそのままにしたほうがユーザー様も使いやすいと思いますし、基本的なデザインは変えず、色味や演出を調整して印象を変える方向性で臨みました。また、「地上編」は「天上編」に比べて暗く荒廃したイメージがあるので、そこは崩さないようにしています。


――:そもそも「地上編」の前、「天上編」の言わば『ファンキル』の開発段階からみなさんは関わっていたと思いますが、その当時に気を使ったことはありましたか。

鈴木:私は『ファンキル』の企画が始まった初期の段階からチームに入り、金子も早い段階で合流するという流れでした。当時を振り返ってみると、スマートフォンアプリには、『ファンキル』ほど本格的なシミュレーションRPGはほとんど存在しませんでした。最初は横画面で開発していて、他社さんのゲームをプレイして勉強したこともあります。しかし、いつしかプロデューサーから「縦画面で、片手で楽しめる作品にしたい」と持ちかけられたのです。

そこからは、議論を重ね、一旦動かして、そして意見を出し合うというトライ&エラーの連続でした。片手でストレスなく操作してもらう為に、どのボタンを押したらいいか直感で分かるようにするのに苦労しました。また、情報量も非常に多い作品ですので、シーンで必要な情報やボタンだけを表示するようこだわりました。

金子:こだわりといえば、横から縦にした結果、見せなければいけない情報の出し方も気を配るようになりましたね。縦画面だと見せられる幅が狭くなるので、キャラを押し出しつつ、いかに情報を見せるかは試行錯誤の連続だった記憶があります。本来載せなければならない情報があるにもかかわらず、すでに画面上はいっぱい、というケースもよくありました。無理やり入れても、ユーザー様のストレスにしかなりませんからね。
 

▲『ファントム オブ キル』ホーム画面


▲『ファントム オブ キル』バトル画面


――:出来上がったデザインをチェックするときは、どんなことを心がけていますか。
 

金子:まずは世界観に合っているかが第一です。また、高難度ステージや初心者向けステージなど、施策の内容や難易度を考慮したデザイン表現をすることにより、ユーザー様に違和感を抱かせないことも大切です。また文字が読みやすいかどうかという視認性のチェックも、単純なことですが大切なものだと思っています。

田辺:運営をしていると、月に1回くらいのペースで機能追加をしたり、改修することもあります。そのひとつひとつにも開発スタッフの意図があり、意思を共有する必要も出てきます。また、早いペースで更新していくため、極力戻しがないよう、事前にどういうUIがいいのか把握するように努めています。


――:デザインチームだけで完結するのではなく、他の部署との連携も大切なのですね。

田辺:そうですね。デザインしながら、実装しながらでも開発はできますが、曖昧な部分が多いと効率が悪く、無駄な時間も生まれてしまいます。


――:常々改修は行っていると思いますが、印象に残っている大きな改修はありますか。

田辺:「プロジェクトZERO」です(笑)。新機能としてとにかく大きなプロジェクトでしたし、我々だけでなくサウンドやイラスト、エンジニア、そしてプロモーションと、全てのセクションによる総力戦でした。
 

鈴木:UIチームだけで完結出来る部分が少なく、各セクションが足並みをそろえなければいけなかったので、スケジュール管理は苦労しました。制作にも順番があり、どこかひとつでも崩れると、後ろがバタバタと倒れていってしまいます。部署間の気遣いを大切にして、お互いの足りないところをフォローしながらの作業でした。


――:現場間でも積極的なコミュニケーションがあったと。

鈴木:私たちはUIを作ることが主な仕事ですが、それだけにとどまらず、UI等を動かしたときの音のイメージがある場合はサウンドチームに提案します。UIに密接な演出に関しても同様に、どんどん提案していきました。結果的にはお互いが切磋琢磨して、より良いものが出来上がったと感じています。


――:UIのデザインをする上では、演出やサウンドも決して無関係ではありませんからね。

鈴木:「ここに、こういうアニメーションを入れます」という話は事前に聞かされてはいますが、そのアニメーションにつなぐためにどうするべきかは、私たちが考えることです。どんな動きをするのか全体を通して見ながら、見た目のバランスを調整していきます。
 


――:ゲーム内容に関してユーザー様から意見をいただく機会もあると思いますが、その中にはUIに関係する意見もあるのですか。

鈴木:UIに限定した意見というのはあまりないですね。恐らくUIに関しては、意見がないほうが良いことなのだと思います。主張しすぎず、特にマイナスな印象を残さないことが重要だと思います。


――:確かに、決して主張しすぎず自然に溶けこむのがUIデザインのあるべき形だと思います。

鈴木:ユーザー様が使いにくく、悪い印象を与えてしまうと、ゲーム全体の評価も下げてしまいます。さらに世界観を表現するとき、ボタンの装飾にこだわるケースもあります。一方で、世界観にこだわり派手にするほどユーザビリティと相反するときもあります。ユーザビリティと世界観、どちらを優先するかは画面ごとに違うのですが、毎回迷うところですね。


――:派手なデザイン=良いデザインとは限らないと。

金子:UIはキャラクターや背景イラスト、サウンドといった、別々に制作したクリエイティブを、ひとつの世界に落とし込むために存在します。その中でUIだけが主張せず、全体のバランスを取ることを大事にしていています。また、デザインにおいては強弱も大切で、全部が目立つようだと、ユーザー様になにも伝えられません。意図的に情報に強弱をつけることにより、ユーザー様に最も伝えたいことを伝えられるように努めています。
 

田辺:UIはグラフィックデザインとしての成果物であると同時に、ユーザー様が使う道具のひとつでもあります。ユーザー様がゲームと触れ合うのは、画面とスピーカーから流れるサウンドくらいです。特にUIは、ユーザー様が接触できる唯一無二の存在ですので、チーム全体が責任感を持って作り上げることが望ましいです。


――:チームとして、個人としてのどちらでも構わないので、『ファントム オブ キル』をどう成長させていきたいか、展望があれば教えてください。

鈴木:常に進化していきたいと思っていて、現状に満足せず、やれることはどんどんやって、新しい遊び方を提案していきたいと考えています。UIという点でも、もっと使いやすく、分かりやすく改善を重ねていきます。

金子:『ファンキル』は1年以上運営しているタイトルであり、ずっとプレイしてきたユーザー様もたくさんいます。そんな方々にも、常に新鮮に感じてもらえる作品に仕上げていきたいと思います。また、以前は女性キャラだけでしたが、「地上編」からは男性のユニットも入ってきました。より幅広い層に触れられるチャンスだと捉えており、新しいユーザー様にも楽しさを届けられるよう、努力していきます。

田辺:ユーザー様に直接関係のない、陰の部分であっても積極的に改善を重ねていきたいと思います。操作感覚はもちろん、些細な表示についても改善案はいつも出していますし、実装に向けての努力も重ねていきます。運用が続くに連れてマンネリも出てくると思うので、いつも新しさを提供できるようにしたいです。

 

■大切なのはデザインに意味を持たせられること


――:採用面に関して、求めている人物像があれば教えてください。

鈴木:デザイナーに一番必要な能力は、コミュニケーション力だと思います。ユーザー様に伝えることはもちろん、その前にプロデューサーやプランナーの意図をかみ砕いてデザインに翻訳する事も重要です。ゲームは自分一人で作れるものではありませんし、常に誰かと話し合って決めていくのです。あとは、言うまでもなくゲームが好きであることです。それがモチベーションにもつながりますし。

金子:デザインに意味を持たせられることも重視します。例えばバナーの背景色に赤を使用していたとしたら何故その色を選んだのかを説明できると、私たちとしても心強いです。タスクが多い状況でもクオリティの高いものを作り出していきたいので、「なんとなく」ではなく、デザインのひとつひとつに意図があると、活躍できる機会も増えます。

田辺:何かをお願いするときに、具体性を持たせられる人ですね。先に2人が話していましたが、デザインはいろいろなスタッフと話し合いながら作っていくものです。ときにはデザインチームから提案することもあります。作品を良くするための提案であれば大歓迎ですが、そこに具体性があると、なお助かります。


――:会社の制度や体制で印象的なものはありますか。

田辺:デザインチームであっても、必要であればUnityのライセンスを取得できるのは弊社ならではだと思います。デザインがメインの業務であっても、Unityに理解があればより効率的に作品が作れます。また、同じ作りでも、もっと綺麗に見せたり、クオリティを上げられたりと、さまざまな利点があります。

金子:実際、UIデザインチームはほぼ全員Unityのライセンスを持っています。作ったデザインをゲームに組み込むまでが私たちだけでできるため、だいぶ効率も上がりました。もちろん絶対に必要なスキルではありませんが、役に立つことは間違いありません。

田辺:加えて、UniteやCEDECなどのカンファレンスへの参加費も出してくれます。これらのカンファレンスはプログラマーやエンジニア向けという印象が強いですが、弊社に関してはグラフィックデザイナーでも自由に勉強へ赴くことができます。


――:本日はありがとうございました。
 


(取材・構成:編集部 原孝則)
(文:ライター ユマ)


 

■『ファントム オブ キル』
 

 
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■『ファントム オブ キル』 - 「プロジェクトZERO」特集





 

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企業情報(株式会社Fuji&gumi Games)

会社名 株式会社Fuji&gumi Games
URL http://fg-games.co.jp/
設立 2014年1月
代表者 種田 慶郎
決算期
直近業績 未開示
上場区分 非上場
証券コード

企業情報(株式会社gumi)

会社名 株式会社gumi
URL http://gu3.co.jp/
設立 2007年6月
代表者 國光宏尚
決算期 4月
直近業績 売上高259億円、営業利益16億円、経常利益17億円、最終利益13億円(2017年4月期)
上場区分 東証1部
証券コード 3903

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