【コロプラ決算説明会】3Qは「減収幅は想定の範囲内」(馬場社長)…新作低調も既存タイトルが計画上回る スマホゲームの開発パイプラインは13本に


コロプラ<3668>は、8月8日、2018年9月期の第3四半期(10~6月)の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した第3四半期決算は、売上高330億円(前年同期比13.5%減)、営業利益50億円(同48.6%減)、経常利益46億円(同54.1%減)、最終利益30億円(同52.6%減)となった。

決算説明会では、同社の馬場社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■3Qは「『白猫PJ』『白猫テニス』ともに計画を上回る」(馬場社長)


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見ると、第3四半期期間(4~6月)の売上高は前四半期比15.2%減の94億9100万円、営業利益は同55.8%減の8億7600万円、経常利益は同55.9%減の7億3000万円、最終利益は同64.1%減の4億4900万円となった。四半期ベースでの売上高100億円割れは、2013年7~9月期以来、19四半期ぶりとなる。

7月に主力タイトルである『白猫プロジェクト』(以下『白猫PJ』)の4周年イベントを控えており、元々『白猫PJ』が谷間の業績となることが予想されていたほか、今期より配信を開始した新作の不振で売り上げが低調に推移した。ただし、「『白猫PJ』『白猫テニス』ともに計画を上回った」(馬場社長)とし、「減収幅は想定の範囲内」(同)ともしていた。
 

費用面では、既存タイトルのコラボイベントに向けて広告宣伝費が増加したほか、新作リリースに向けた外注費も増加した。ただし、第2四半期決算の説明会では馬場社長が「11億円台を見込んでいる」としており、当初計画と比べると抑制される結果となっているもようだ。
 

続いて従業員数の推移を見てみたい。4月にグループ全体で53名の新卒入社を迎えたことで、グループ人員数は3四半期ぶりに増加した。
 
 

■新作パイプラインは他社IPタイトルが1本追加に


次にリリース時期別等売上推移を見ると、この四半期はFY13ものが大きく減少している。これは『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』(以下『黒猫のウィズ』)で前四半期に実施した5周年イベントの反動が生じたものとなる。また、FY18ものも3億円以上の減少となっており、前述の新作の不振という部分が見て取れる内容となっている。
 


新作の開発状況については、パイプラインに他社IPものが1本増加し、合計13本のスマホゲームの開発が進められている。なお、今期は『DREAM!ing』と『バクレツモンスター』が第4四半期期間に配信予定で、合4タイトルがリリースされることになる。
※『DREAM!ing』は8月9日に正式リリースされた(関連記事)。

また、今回より年度別の計画が示されており、2019年9月期は6本(うち他社IPもの1本)、2020年9月期は5本(同2本)がパイプライン上にあるようだ。
 

直近のトピックスとしては、同社タイトル初のコンサート「魔法使いと黒猫のウィズ Live Concert 2018」が期中に横浜と大阪で開催されたほか、『白猫PJ』のニンテンドースイッチ版『Shironeko New Project(仮)』の開発が発表された。ニンテンドースイッチ版『白猫PJ』は、完全新作のアクションRPGとして開発が進められており、その開発は子会社であるエイティングがこれまでに培ったコンシューマゲーム開発のノウハウを生かして担当しているとのこと。
 
 

■通期計画は据え置き 4Qの広告宣伝費は16億円を予定


なお、2018年9月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高500億円(前期比4.3%減)、営業利益80億円(同38.1%減)、経常利益74億万円(同42.6%減)、最終利益51億円(同41.3%減)を見込んでいる。
 

第3四半期までの進捗率で売上高は66.1%、営業利益は63.2%にとどまっているが、7月は『白猫PJ』の4周年イベントが大成功し、新作2本の寄与も見込まれていることから、計画据え置きとなっているようだ。

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なお、『白猫PJ』の周年イベント実施に加え、新作リリースもあって、第4四半期期間の広告宣伝費は16億円を予定している。
 
(編集部:柴田正之)


 
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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