47億円の最終赤字を計上したアエリア、不採算タイトル整理や開発費見直しなどコスト圧縮でV字回復狙う 減損計上で今期償却費は6.7億円、来期8.2億円減少へ


アエリア<3758>は、6月5日、2020年12月期の第1四半期(1~3月)の決算説明資料を公開した。5月22日に発表した決算は、売上高65億7400万円(前年同期比8.7%減)、営業損益2億8000万円の赤字(前年同期8億900万円の黒字)、経常損益3億4200万円の赤字(同7億8000万円の黒字)、最終損益47億8700万円の赤字(同5億1700万円の黒字)だった。
 


巨額の最終赤字だったが、業績拡大のけん引役だったコンテンツ事業が営業赤字となったことに加え、減損損失42億1100万円を特別損失として計上したことが響いた。減損損失の内訳は、子会社買収時に発生した「のれん」が30億9500万円と、コンテンツ事業の固定資産の減損損失11億1500万円となる。回収可能性が見込めないと判断したという。

ただし、減損損失を計上したことによって、今後発生する償却費については大きく減る見通しだ。2020年12月期では6億7200万円、2021年12月期では8億2700万円減少するとのことで、収益面にはプラスに働いてくる。積極的な企業買収で業容拡大を行ってきた同社だが、今後の成長を見据えて、いったんここで地固めを行う時期と判断したのだろう。
 

コンテンツ事業については、不採算タイトル・事業の整理を行うとともに、開発コスト・人員の見直しによる固定費の削減なども行っていくことで、収益性の向上を図り、業績のV字回復を狙っていく。
 


各事業の状況は以下のとおり。

①ITサービス事業…売上高10億7500万円(前年同期比25.6%減)、営業利益1億2300万円(同8.0%減)
オンライン電子出版に特化したアフィリエイトプラットフォーム事業を行うファーストペンギンと、データサービス事業を行うエアネットが安定した収益を獲得したが、アフィリエイト広告収益の減少に伴い減収減益となった。


②コンテンツ事業…売上高34億8500万円(同20.9%減)、営業損益4億4200万円の赤字(前年同期6億4400万円の黒字)
コロナウイルス感染症の拡大によりイベントなどの延期あるいは中止に伴い収益が伸びなかった一方、ソフトウエアの開発費および償却費が増加した。


③アセットマネージメント事業…売上高20億4700万円(同50.3%増)、営業利益3700万円(同12.7%増)
不動産の賃貸および売買並びに国内外の企業などへの投資などを行った。
株式会社アエリア
http://www.aeria.jp/

会社情報

会社名
株式会社アエリア
設立
2002年10月
代表者
代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
決算期
12月
直近業績
売上高226億7100万円、営業利益4億7300万円、経常利益7億5200万円、最終利益4億8000万円(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3758
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