『ケリ姫スイーツ』と『にゃんこ大戦争』がまさかのコラボ! ガンホー西村氏とポノス升田氏にインタビュー
(関連記事:ガンホーとポノス、『にゃんこ大戦争』と『ケリ姫スイーツ』でコラボキャンペーンを実施)。
異色の組み合わせのようにみえるが、両タイトルのコラボのポイントや狙いはどこにあるのか、どういう経緯で実現に至ったのか。『ケリ姫スイーツ』のプロデューサーである西村大介氏と、『にゃんこ大戦争』のプロジェクト・マネージャーの升田貴文氏にインタビューを行った。
―――: 今回コラボを行うとのことですが、一見世界観もかなり異なるゲーム同士のコラボのように思えましたので、驚きました。今回コラボを行うことにした経緯について教えていただけますか?
西村氏: 今回のコラボは、ガンホーサイドからお話をさせていただきました。『にゃんこ大戦争」のビジュアルと世界観が良い意味でシュールであったことと、ゲーム自体は本格的なシミュレーションゲームに仕上がっているというギャップに二度惚れしまして、ぜひ『ケリ姫スイーツ』と一緒に面白いことをさせてもらえませんかとお話しました。『ケリ姫』も、シュールな世界観を持ちつつ、ゲーム自体は深い作りの本格的なゲームになっていますので、ゲームの内容こそ違いがありますが、良い形でコラボができると考えました。
升田氏: ガンホーさんとコラボができるなんて夢にも思っていませんでした。しかもコラボするタイトルがあの『ケリ姫スイーツ』ですから。世界観がマッチングしている部分もあったんですが、お話を聞いていると、非常に楽しそうに開発をされていたので、その熱意がこちらにも移ってきたことが大きいですね。ぜひやりたいです、となったわけです。
―――: 『にゃんこ大戦争』がブレイクしてからポノスさんには他の会社からも同様のお話は多かったかと思いますが、なぜガンホーさんにされたんですか?
升田氏: そうですね。そういうオファーは、実はこれまでもあったんですが、その中でもガンホーさんの熱量は圧倒的でした。ビジネスの話は抜きで面白いことをやろうといった感じです。とにかく勢いで京都まで来ちゃいました的な(笑)。我々は、ガンホーさんのそういう姿勢が本当に好きで、それならば是非やりましょう、となったわけです。お話をいただいて本当に嬉しかったです。
―――: いつ頃から話をされたのですか?
西村氏: 実は、すごい最近でして、3月の中旬にオファーをさせていただき、そこからトントン拍子で話を進めて行きました。はじめのお話から非常に早いスピードで進みましたね。
―――: わずか1カ月ほどで、ですか。すごい速さですね。
西村氏: 実際に顔を合わせてお話をした段階で、どういった内容でコラボするかは決めていました。ですから決まった翌日からお互いに素材の受け渡しを行い、どのキャラを出すのか、ということを決めました。スピードは相当速かったかと思います。
升田氏: 本当にもう勢いだけで進めたような感じですから(笑)。我々にとっては、ガンホーさんのスピード感は本当に心地よかったですね。ポノスとしては全リソースを注いで、できる限りのスピードで対応しました。ご迷惑かけているのではないかと心配していました。
西村氏: いえいえ、全然迷惑じゃなかったですよ。
■にゃんこの3Dで忠実に再現
―――: コラボの内容についてお聞きしたいのですが、『にゃんこ大戦争』のキャラクターが『ケリ姫スイーツ』に登場しますが、どういったところが注目点でしょうか?西村氏: そうですね、今回のコラボでは、『にゃんこ大戦争』のキャラクターをいかに3Dで忠実に表現するか、という点に注力しました。かなりいい出来になったと自負しています。にゃんこたちのモーションも忠実につくっていますので、ユーザーさんにはそこを楽しんで欲しいですね。また、ポノスさんから音楽も提供していただきましたので、雰囲気は『にゃんこ大戦争』になっているかと思います。「ケリ姫スイーツ」では、通常モンスターがステージのボスですが、、今回のコラボでは『にゃんこ大戦争』の拠点がボスになっています。ステージや背景、音楽も『にゃんこ大戦争』のように仕上げていますので、一瞬でも『にゃんこ大戦争』で遊んでしまったのではないか、と思っていただけると嬉しいですね。
―――: 確かに再現度が高いですね。キャラクターはどのくらい登場しますか?
西村氏: 拠点を含めて5キャラクターとなっています。ポノスさんから好きなものを使って構わないというお話をいただきましたので、スタッフの思い入れのあるキャラクターを選びました。例えば、私の好きな「美脚ネコ」がいますし、『ケリ姫スイーツ』には空に浮いている敵もいますので、「ネコUFO」が登場したりしています。
―――: なるほど。この他にも「にゃんこアクセサリー」もあるんですね。取得条件は何かあるんでしょうか。
西村氏: こちらはゲーム内でのドロップです。「もねこドレス」もドロップアイテムとなります。それとは別に、コラボのアイテムとして、「ネコヴァルキリー」が持っている「にゃんぐりる」という槍の武器も登場します。『にゃんこ大戦争』側にも特設ステージを設けていただいてますので、そちらをクリアすると「神槍にゃんぐりる」をプレゼントすることになります。
―――: このほか、ポイントになりそうなところはありますか?
西村氏: それ以外ですと、「宝船」のステージも『にゃんこ大戦争』仕様になって登場します。こちらはゲリラで登場します。見かけた方はやっていただけると、コインが集められてお得なステージになっています。始めたばかりの方でも楽しめるようになっていますので、ぜひ挑戦して欲しいです。
■2D化されたケリ姫が大暴れ
―――: 『にゃんこ大戦争』側についてなんですが、見どころはどういった点でしょうか。升田氏: 『にゃんこ大戦争』では、『ケリ姫スイーツ』のステージを準備しています。『ケリ姫スイーツ』のキャラクターがおなじみの『にゃんこ大戦争』のテイストで登場します。登場するのは敵の拠点として「城」が出てくるほか、敵キャラクターとして「剣士」、「ガウガウ」、そして何と言っても主人公の「ケリ姫」がものすごいスピードで出てきます(笑)。「ケリ姫」の頭身などをそのまま持ってくると浮いてしまいますので、一から描き起こして作りました。アニメーションもいままでにないくらいヌルヌル動くようになっています。「ケリ姫」の蹴るというモーションは『にゃんこ大戦争』の世界観にマッチしています。「ケリ姫」のポリゴンを2Dにするとどうなるのか、にゃんこたちが蹴られて笑顔で昇天していく様子をみていただきたいですね。
―――: かなり高速で動きますね。これはぜひ自分のキャラクターとしても使いたいですね。
升田氏: ええ、『ケリ姫スイーツ』の側でも、「にゃんこステージ」を用意していただいてますので、そこをクリアすると『にゃんこ大戦争』で「ケリ姫」が自分のキャラとして使えるようになります。しかも! 「ケリ姫」のレベルを10まで上げてクラスチェンジしていただきますと、これまでタブーとされていたことですが、なんと色がついてしまうのです! ケリ姫が色っぽくなります(笑)。
―――: おお! いいですね。
升田氏: さらにさらに! 今回急遽、新しいキャラクターも登場させます。その名は「ネコひめ」です! 真実の美を求めて地球を旅するネコで、旅の途中に出会った姫に憧れてカツラを購入してかぶっている、という設定です。もちろん、クラスチェンジもあります。こちらのキャラクターもぜひぜひ、楽しんでいただきたいですね。
―――: (画面を見ながら)なるほど。これは楽しいですね。クラスチェンジするとどうなるのでしょうか?
升田氏: クラスチェンジすると、「ネコひめビューティ」となります! こちらはぜひご自分の目で確かめて下さい!「ネコひめ」の入手方法ですが、激ムズステージをクリアすれば入手できます。ほんとうに難しいステージですが、「神様」(課金アイテム)の力を借りなくてもクリアできるように絶妙な調整となっています。
――: 難易度といえば、コラボステージの難易度はどのくらいでしょうか?
升田氏: ステージは、初心者の方から、すでにゲームを極めてしまった人までどちらのユーザ様も遊べるようなものを用意しています。ゲーム内でも非常に使い勝手のいいキャラクターですのでぜひ使って頂きたいです。『ケリ姫スイーツ』側でも初心者向けのステージを準備されていますよね。
西村氏: はい。『ケリ姫スイーツ』側でも、普通のステージでランク1から5までありますが、コラボステージも同じくランク1から5まで用意しています。ランク1ですと、それこそチュートリアルを終えたばかりの初心者の方が楽しめるようになっていますし、ランク5ですとレベル50~60の方でも楽しめるようになっています。ランク2だとレベル10程度でのプレイを想定しており、幅広いユーザー様が楽しめるようにしています。
―――: ランクが上になると難易度以外に何か違いがあるのでしょうか?
西村氏: ランクが上に行けば行くほど、、先ほど紹介したコラボのアクセサリーやドレスのドロップ率が高くなって、入手しやすくなります。『にゃんこ大戦争』ではカラーのキャラクターが登場しますが、こちらでは初めてモノクロのキャラクターが登場することになります(笑)。
■何より楽しんでもらうことが狙い
―――: 一応ビジネスメディアですので、ビジネス的な効果についてお聞きしたいのですが。西村氏: そうですね。実はあまり意識していませんでした。『にゃんこ大戦争』とコラボをやったら面白いんじゃないか、ということが発端でした。いかに面白く見せるか、ユーザー様に楽しんでいただけるか、満足していただけるか、という点に注力していました。このため、ダウンロード数や売り上げがどれだけ伸びるか、全く考えていませんでした。
―――: 御社のスタンスはそうですよね。売り上げやユーザー数はあくまでユーザーに楽しんでもらった結果であると。
西村氏: ええ、数字などはあくまで結果ですね。
升田氏: 当社もそのスタンスです。この点も一致していますね。でも、これだけ面白いことをやったんだから、数字部分が伸びてくれることも多少は期待しています(笑)。
――: 今回のコラボで大変だった点などはありますか?
西村氏: スケジュールが若干タイトだったことくらいですね。ポノスさんに制作物の承認をいただくのも本当に早かったですから。苦労というよりも作っていて本当に楽しかったですね。
升田氏: ゲーム作りなんて苦労するものですから(笑)。でも、その苦労が楽しめましたね。ユーザー様には、我々の感じた楽しさがうまく伝わるといいなと思います。ぜひ笑って欲しいです。
■せっかくだから『にゃんこ大戦争』がヒットした要因も聞く
―――: 本題からそれてしまいますが、せっかくの機会ですのでお聞きしたいのですが、『にゃんこ大戦争』がヒットした要因についてどうお考えですか?升田氏: ゲーム自体の面白さには自信がありました。実は原型となるタイトルはiモードでも出していましたが、ここまでヒットしませんでした。スマートフォン版も無料ランキングでちょっと上がってすぐに落ちるのかなという程度のイメージでして。ヒットした要因は、いいタイミングで口コミで盛り上がってくれたことかなと思います。口コミで広がってくれるような細かい仕掛けも盛り込み、上手い具合にヒットしてくれました。
―――: 遊んでいてゲームにツッコミを入れたり、ついつい他の人に話したくなりますね。私も4~5人に紹介しました。
升田氏: ゲームで遊んでいて、ついつい他の人に話したくなるような内容を散りばめています。また、にゃんこ大戦争のキャラクターは、人に紹介するのにすごく抵抗感が少ないのではないかと思います。例えば、萌えキャラの登場するゲームを、同僚や友人に紹介するのは少し気恥ずかしいですよね。でも『にゃんこ大戦争』のキャラは紹介しても恥ずかしいと思う方は少ないはずです。日本人の感性にすごくマッチしているんじゃないでしょうか。
■違うゲームを体感してほしい
―――: 最後に『ケリ姫スイーツ』では、ユーザーにはどういった楽しみ方をしてもらいたいですか?西村氏: ゲームのコンセプトとして、シュールな世界観はもちろんですが、触ったら楽しさがわかるというものがあります。ですから、『にゃんこ大戦争』のユーザー様にはぜひ一度触って、コラボステージを楽しんでいただければ、ゲームの楽しさが体感していただけると思います。非常に直感的に楽しめますから。
西村氏: シュールな世界観とやりこみ要素のあるゲームという点で両社は共通していますが、両タイトルともに幅広いユーザーさんに遊んでいただいているかと思います。あくまで感覚値ですが。でも『にゃんこ大戦争』は、女性ユーザーさんが多そうな印象がありますね。
升田氏: そうですね。正確な数字がとれていないので詳しくはわかりませんが、感覚的には、女性ユーザーが多いと思います。女性が楽しめるゲームは、だれでも楽しめると思っていますので、多くの男性ユーザーの方にも抵抗感なく楽しんでいただけてるのではないかと思っています。
―――: では『にゃんこ大戦争』ではいかがでしょう。
升田氏: 『にゃんこ大戦争』は、手軽に遊べるゲームですので、『にゃんこ大戦争』をメインで遊んでいる方には、『ケリ姫スイーツ』のようなやりこみ要素の深いゲームに触れて頂ける良い機会ではないかと思います。シュールな世界観は同じでも、性質の異なる両方のゲームを遊んでいただき、お互いの良い部分を楽しんでいただければ、と思っています。
―――: ありがとうございました。
■『ケリ姫スイーツ』
■『にゃんこ大戦争』
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© PONOS Corp.
会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森下 一喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765
会社情報
- 会社名
- ポノス株式会社
- 設立
- 1990年12月
- 代表者
- 辻子禮子、辻子依旦
- 決算期
- 11月
- 上場区分
- 非上場