【GW企画】あの会社の新規上場時(3) 日本ファルコム

第3回目は、日本ファルコム。上場当初は、パソコン向けゲームメーカーとして登場した。上場で調達した資金を使って、PCオンラインゲームに進出するという成長イメージがあったようだ。「イースオンライン」や「ソーサリアンオンライン」を提供し、日本だけでなく、海外で展開して収益を稼ぐというものだった。

しかし、残念ながら期待通りには進まなかった。PCゲームやオンラインゲームで伸びるのが難しいと判断したのか、2006年頃から、ライセンス提供にとどまっていた家庭用ゲームソフトの自社開発に乗り出した。良質なコンテンツを提供できる会社として評価を徐々に高め、「軌跡シリーズ」などヒットタイトルを輩出。いまやPCゲームよりも、家庭用がメインになっているようだ。

今後はソーシャルゲームやスマートフォンにも力を入れていくとのこと。良質なコンテンツを作れる会社だけに、こちらの動向にも目が離せない。

 

日本ファルコム(東証マザーズ 3723)・・・2003年12月2日(火)上場

「PC用の人気RPGを多数輩出」

 ゲームソフト開発の日本ファルコムが12月2日、東証マザーズに上場する。

 パソコンのゲームソフトの企画・開発・販売が主力。「イース」や「ザナドゥ」、「ソーサリアン」など人気のロールプレイングゲーム(RPG)を発売している。

 同社の強みは、多くの販売実績を持つメジャータイトルを保有している点だ。「ファルコム」ブランドに支えられた安定した売上高、高い利益率を誇る。売上高はPC用RPGで1位、PCゲーム全体ではコーエー<9654>に次ぐ2位となっている。

 また、ゲームの内容が特定の文化や地域の特性に頼らず、高い普遍性を持っている点も強み。海外へのゲームと関連製品のライセンス販売を行なうことが可能で、「ファルコム」ブランドは台湾や中国、韓国、米国でも高い支持を得ている。

 今後、成長分野としてブロードバンドの普及を視野に入れたネットワークゲームに進出する。まず、オンラインゲーム先進国である韓国で現地ソフト会社、ISPと提携して「イース」のサービスを開始する。全世界のオンラインゲーム市場は、01年で5億6800万ドルだが、06年にはその10倍に拡大すると予想されている。

 上場で調達する手取り概算金2億2900万円については、主に研究開発に向けた設備資金に5000万円、海外ゲームソフトのライセンス買い取りに1億円に充当し、残りは安全性の高い金融商品で運用する予定。

 

 

〈会社概要〉

 本社=東京都立川市曙町1-14-13

 URL=http://www.falcom.co.jp/

 社長=山﨑 伸治

 設立=2001年11月1日

 発行済株式数=9700株(上場時)

 資本金=3080万円(03年9月30日現在)

 大株主=ファルコムドットコム4160株(44.73%)、加藤正幸2200株(23.66%)、伊藤忠商事750株(8.06%)、山﨑伸治400株(4.30%)、加藤孝雄200株(2.15%)

日本ファルコム株式会社
http://www.falcom.co.jp/

会社情報

会社名
日本ファルコム株式会社
設立
1981年3月
代表者
代表取締役社長 近藤 季洋
決算期
9月
直近業績
売上高25億3300万円、営業利益14億6000万円、経常利益15億7300万円、最終利益10億2700万円(2022年9月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3723
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