今回は、ネット広告代理店のオプトだ。いちよし証券が主幹事証券となり、上場前説明会もかなりの数のアナリスト集めたと記憶している。上場前説明会では、事業の内容や今後の戦略を「目論見書の範囲内で」説明するとされている。たいてい多少は逸脱してしまうものだが、鉢嶺社長は「10%程度上ブレで着地する」とコメントするなど、「逸脱なんてレベルじぇねーぞ」と思った記憶がある。
さて、オプトの業績推移をご覧になると分かるが、当時の売上高は50億円、経常利益3億円程度であった。それに対して、直近の終わった期(2010年12月期)では、売上高581億円、経常利益14億円となっており、売上高で10倍以上、経常利益で4倍以上に伸びている。上場をテコにうまく業績拡大につなげている上場会社である。
オプト(ジャスダック・2389) 2004年2月13日(金)上場
「eマーケティング活動の支援事業」
インターネット広告代理業務を主力事業するオプトが2月13日、ジャスダックに上場する。顧客企業のインターネット上でのマーケティング活動の支援で、売上高の93%を占めている。バナーやメール、モバイルなど、インターネット広告の中から顧客に最適な広告媒体を選定、キャンペーン企画や広告クリエイティブなどと併せ提案・販売する。
そのほか、カードや新築マンションの比較サイト「マーケットプレイス」に加えて、広告効果測定ASPサービス「アドプラン」も展開。いずれも粗利益率が高く、80%超と高い水準にあるという。
同社の強みは、「ヤフージャパン」のパートナー企業となっている点だ。ヤフー内での広告シェアは電通、博報堂に次いで3位、ネット専業の広告代理店では1位の座を占めている。また、「アドプラン」と組み合わせることにより、各媒体の広告効果を把握・検証しながら、柔軟な広告業務を展開することができる点も特徴といえる。
現在、広告売り上げは予想以上に伸びており、すでに発表した売上高、利益の今期見通しについて、10%程度の上ブレが見込まれるようだ。
なお、調達した手取り概算金5億6700万円については、人材確保や人材教育への支出のほか、事務所移転費用として1億円、サーバーの増強・システム開発費、広告媒体仕入れ前払い資金として2億円、残額は運転資金として充当する予定。
〈会社概要〉
本社=東京都港区赤坂1-11-30
URL=http://www.opt.ne.jp/
社長=鉢嶺 登
設立=1994年3月
発行済株式数=9024株(上場時)
資本金=2億1865万円(04年1月13日現在)
大株主=鉢嶺 登 2832株(33.80%)、海老根 智仁 1088株(12.99%)、小林 正樹 688株(8.21%)、野内 敦688株(8.21%)、NVCC1号投資事業組合400株(4.77%)