
ミントフラッグは、旺文社ベンチャーズが運用するファンドを引受先とする第三者割当増資を実施したことを発表した。出資額や出資比率などの情報は開示していない。旺文社は英検対策書籍最大手の出版社で、英検関連市場において圧倒的なシェアを持つ。一方、ミントフラッグが運営するAI英語学習アプリ『マグナとふしぎの少女』(以下、マグナ)は、ユーザー数34万人を超え、全国400校以上のGIGAスクール端末に導入されているファンラーニング型アプリである。本出資を通じて、長年にわたり英検対策の知見を蓄積してきた旺文社グループとの連携を視野に入れ、『マグナ』の英語学習体験を進化させる方針だ。
■出資の背景
近年、大学入試における英検活用の本格化に伴い、英検受験者数は過去10年でほぼ倍増し、2023年には約450万人に達した。とりわけ小学生の受験者数の伸びは顕著で、2015年の24万人から2023年には55万人と8年間で倍以上に増加している。これを受け、日本英語検定協会は2026年秋より英検6級・7級を新設し、若年層への展開を強化する。
子供たちの英語学習においては、テストのための詰め込みではなく、「英語を楽しい」と感じ、自ら学び続ける動機づけが重要であるとの認識が広がる。『マグナ』は、ゲームやアニメ、AIキャラクターとの英会話を通じ、「英語を臆せず話せる」力を育てるファンラーニング型アプリとして、全国のGIGAスクール端末にも導入が進む。
■連携の狙いと実績
ミントフラッグは、子供たちが「自分は英語ができるようになる」という自己効力感を持つことを目指す。「話す力」を育てる『マグナ』と、資格を通じて「自信」を育てる英検。この両輪を揃えることで、語学の壁や心の壁を越える子供たちを創出することを目指す。
その第一歩として2025年に開講した『マグナの英検チャレンジ講座』では、確かな成果が生まれている。はじめて英検に挑戦する小学生が多数を占める中、5級・4級コースで合格率85%を達成した。さらに小学3年生2名が高校卒業レベルの英検2級に一発合格し、二次試験(面接)の合格率は100%を記録した。アプリで楽しく英語に親しんだ子供たちが、短期集中の講座を経て英検合格という成功体験を得る、という流れが「自己効力感の育成」の実践例である。
今後は、旺文社グループが長年培ってきた英語教育・英検領域の知見と、『マグナ』のAI・ゲーミフィケーション技術を掛け合わせ、英語を好きになり、英検に合格する子供たちを飛躍的に増やす考えだ。英検チャレンジ講座にとどまらず、AIを活用した新たな取り組みも準備を進めている。
■関係者のコメント
旺文社ベンチャーズ パートナーの岡崎祐樹氏は、出資に際して以下のように述べている。
「ゲームと学習を組み合わせたサービスはこれまでも数多く提案されてきましたが、日本人の英語に対する苦手意識は依然として大きく、十分に克服されたとは言い難い状況です。そうした中、マグナが掲げる『ゲームを楽しむ中で自然と英語を身につけ、異文化への興味や関心を広げていく』というコンセプトには大きな可能性を感じています。実際にアプリ内では、ゲームの中で学習系メニューに取り組む子どもほど自己肯定感が高まり、継続して学ぶ傾向が見られるとのデータもあるようで、学びへの意欲を引き出す重要な“熱狂”がこのサービスには秘められていると考えています。私たち旺文社は、学び続ける子どもたち、また教育機関に寄り添いながら、90年以上活動してまいりました。未来に向けた大きな意欲を持って英語を学ぶ子どもたちへ良質な学習コンテンツや手法を届けることを大きなミッションとしております。同じ教育業界に携わる者として、『楽しく』『学ぶ』子どもたちを支え、その成長を後押ししていく同志として、ミントフラッグ社とともに歩んでいけることを楽しみにしています」