ゲームソフト大手6社の1Qは明暗分かれる…セガサミーの好調目立つ[決算まとめ]
また、大手ゲーム会社は、モバイルやオンラインゲームなどのコンテンツに注力しているものの、依然としてコンシューマーゲームの比率が高いこともわかる。コンシューマーゲームは、年末商戦などに集中してタイトルをリリースするため、収益が下期に集中する傾向にある。よって、第1四半期の利益水準や通期計画に対する進ちょく率はどうしても低くなってしまう。セガサミーHDやバンダイナムコHDは、モバイルや玩具、遊技機などの事業を展開しているため、第1四半期でも高い収益を出すことができている。
(注1)コナミはSEC基準のため、経常利益はない。
(注2)前期比で%表記のないものは前期実績である。
(注3)△は赤字であることを示す。
【大手6社の売上高比較】
【大手6社の営業利益比較】
■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高が2.6%減の1058億円、営業利益は17.4%減の134億円となった。玩具を中心とするトイ・ホビー事業が減収減益となったことに加え、アミューズメント施設事業で赤字となったことが影響した。またゲームを中心とするコンテンツ事業も営業減益となった。ソーシャルゲームの第1四半期実績の売上高は、「アイドルマスターシリーズ」や「機動戦士ガンダム」シリーズ、「ワンピース」などが貢献し、140億円だったとのこと。第2四半期は120億円、下期では190億円で、通期では450億円を見込んでいるという。
■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高が10.9%増の64億円、営業利益が79.8%増の44億円だった。経常利益も前期の5億円の赤字から16億円の黒字となっている。オンライン・モバイル事業やメディア・ライツ事業が先行投資による減益となったものの、「討鬼伝」などの家庭用ゲームソフトが好調だった。経常利益の大幅な増加は、株式市場の活況により、投資有価証券の売却益を計上したことによる。
■セガサミーホールディングス<6460>
売上高が29.6%増の907億円、営業利益が同197%増の161億円と大幅な増益を達成。『パチスロ 北斗の拳 転生の章』を中心に遊技機事業が好調に推移したことが主な要因だった。さらに前年同期に15億円の赤字を計上したコンシューマー事業が3900万円の黒字に転換したことも収益を押し上げた。構造改革による新作の絞り込みにより、コンシューマーゲームの販売本数は減少したものの、『ファンタシースターオンライン2』や『ぷよぷよ!!クエスト』などのオンラインコンテンツが貢献した。利益貢献はまだ少ないものの、スマホ関連コンテンツを精力的にリリースしており、今後の活躍が期待される。
■コナミ<9766>
売上高及び営業収入が前年同期比7.20%減、営業利益が72.2%減の14億円だった。主力のデジタルエンタテインメント事業の不振が響いた。「ドラゴンコレクション」、「戦国コレクション」、「プロ野球ドリームナイン」、「クローズ×WORST」シリーズなどソーシャルコンテンツが堅調に推移したものの、ゲームソフトの販売本数が前年同期の202万本から103万本に減少したことが響いた。
■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高が3.3%減の240億円、営業利益が前年同期11億円の赤字から6億円の黒字となった。デジタルエンタテインメント事業と、アミューズメント事業の収益改善が進んだ。家庭用ゲーム機向けソフト販売が低調に推移する一方、「戦国IXA」や「拡散性ミリオンアーサー」、「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族オンライン」といったオンラインコンテンツが堅調だった。ただ、コンシューマーゲームの大型タイトルが控えているため、コンテンツ制作勘定が199億円と前年同期158億円から増加しており、この辺りが今期のカギを握りそうである。
■カプコン<9697>
売上高が6.2%減の174億円、営業利益が72.9%減の7億円となった。『バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション』が概ね計画通りに推移したほか、『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』も堅調だったものの、パッケージソフトの販売単価の低下とモバイルコンテンツでの有力タイトルの不在などにより大幅な減益となった。
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460