ソフトバンクが国内時価総額2位に浮上 市場の関心は「スマホ普及の次」へ

10月3日の東京株式市場でソフトバンク<9984>の株式時価総額が三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>を上回り、国内上場企業の時価総額ランキングで2位に浮上した。スマートフォンの普及が進むなか、国内携帯キャリアに対する株式市場の評価軸は「海外展開」に向かっている。 3日のソフトバンク株は2日に比べて290円(4.0%)高い7530円で取引を終えた。時価総額は9兆円を超え、これまで国内2位だった三菱UFJを上回った。首位のトヨタ自動車<7203>は約21兆円。 ドコモは今年9月にiPhone5s、5cの取り扱いを始め、国内キャリア大手3社がすべてiPhoneを扱うようになった。ただ、NTTドコモ<9437>の時価総額は6.7兆円で5位、auのKDDI<9433>は4.6兆円で10位と、ソフトバンクは2社を突き放している。 エース経済研究所の安田秀樹アナリストによれば、一時は市場でiPhone販売開始によるドコモの巻き返しが期待されたものの、「従来よりも発売直後の新型iPhoneの品薄期間が短くなっている印象がある」と指摘。市場は「国内でのスマートフォン普及の一巡をにらみ、国内通信事業を軸に事業多角化を目指すNTTドコモとKDDIよりも、海外展開を進めるソフトバンクへの成長期待が強まっている」とみていた。 ソフトバンクは米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを買収した。Googleが実施した調査「Our Mobile Planet」の2013年版によると米国のスマートフォン普及率は56%で日本の25%よりも高く、今後の普及余地が大きいわけではない。安田氏によると、市場の関心は、ソフトバンクとの提携効果による米国シェアの拡大だ。 国内携帯キャリア3社はスマートフォンの普及を追い風に業績を伸ばしてきた。だが、株式市場の投資家は、すでにスマートフォン普及の「次」を見極めようとしているようだ。  
ソフトバンクグループ株式会社
https://group.softbank/

会社情報

会社名
ソフトバンクグループ株式会社
設立
1981年9月
代表者
代表取締役会長兼社長執行役員 孫 正義
決算期
3月
上場区分
東証プライム
証券コード
9984
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