【App Store売上ランキング】月次推移で2013年を振り返る セガ・海外勢の存在感が強まる1年、上位20位は「ビッグ4」で半数占める
12月28日11時調べのApp Store国内売上ランキング(ゲームカテゴリー)では、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の『パズル&ドラゴンズ』が前週末に引き続き首位。68週連続の首位で、週末時点の比較では1度もその座を譲ることはなかった。今回は2013年最後のランキングなので、月末時点の同ランキングの推移を振り返りながら、今年のソーシャルゲーム市場の総括と分析を行いたい。
簡単に結論をまとめると、「セガと海外企業の存在感が高まる」「LINE、ガンホー、コロプラ、バンダイナムコゲームスの4社の勢力は堅調」「その他企業は踏ん張りどころ」といったところだ。なお、12月のデータのみ28日11時時点のランキングを用いているため、月末特有の動きなどが反映されていない可能性もある。厳密に月末時点での比較となっていない点を留意してもらいたい。
以下、12月28日11時調べのApp Store国内ゲーム売上ランキング(※変化は1週間前との比較)。
以下のグラフは、月末時点の売上ランキングで、企業別に上位20位に入ったタイトルが何本あったかを集計したものだ(左軸がタイトル数)。LINE、ネイティブアプリでヒット作を生み出したガンホー<3765>とコロプラ<3668>、「ガンダム」など強力なIP(知的財産)タイトルをリリースするバンダイナムコゲームス(バンナム)<7832>の4社で、トップ20の半数にあたる10本を継続的に占めている。12月28日時点ではLINEのタイトルが減っているが、この4社を国内モバイルアプリゲームの「ビッグ4」と言っても過言ではないだろう。
上位20位で分析したように、複数タイトルがランキング上位に登場するセガとバンダイナムコゲームスが2強で、好調な推移を続けている。12月はここに、スクウェア・エニックスが3タイトル、コナミが2タイトル、そしてカプコンが1タイトル上乗せしてきた。
スクエニはリリースしたばかりの『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』の販売が急速に伸びたほか、『拡散性ミリオンアーサー』『三国志乱舞』が50位内に返り咲いた。
コナミも、今年は『プロ野球ドリームナイン』『ドラゴンコレクション』『ときめきレストラン』のどれか一つが上位50位に顔を出す程度だったが、12月前半にリリースしたiOS版『ワールドサッカーコレクションS』が急速に立ち上がった。12月28日時点では『プロ野球ドリームナイン』『ワールドサッカーコレクションS』の2タイトルがランクインした。これまでApp Storeランキングの上位ではあまり見かけなかったカプコンも、12月は人気シリーズ『モンスターハンター』をモチーフとした新作カードバトルゲーム『モンハン 大狩猟クエスト』がトップ50に登場した。
ポケラボのタイトルが上位50位から徐々に姿を消し、10月以降はゼロとなった。ポケラボは『運命のクランバトル』や『三国INFINITY』といったネイティブアプリがApp Store売上ランキング上位5位内に入るなどの実績を持ち、グリー<3632>が2012年10月に約139億円で完全子会社化すると発表したことが話題となった企業(関連記事)だ。業界の変化の速さを象徴しているようだ。
KLab<3656>も年前半は最大3タイトルをランクインさせることもあったが、10月以降は『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』1本だけとなっている。D2Cは11月が『NBA ドリームチーム』のみとだったことも気がかりだ。
一方、アソビズムは『ドラゴンリーグX』『ドラゴンポーカー』の2本柱が安定してランクイン。エイチーム<3662>も『ダービーインパクト』『レギオンウォー』が上位50位内を維持している。サイバードは11月に、『学園×不良RPG 最凶学園ナックルバウト』『バーコードフットボーラー』のほか、女性向けの『イケメン王宮』『イケメン夜曲』と、4タイトルが登場した。
3月以降、上位50タイトルは、LINE、ガンホー、コロプラの3社で10本程度、家庭用ゲーム大手で10本程度、海外企業が数本、その他企業で30本弱という構図が続いてきた。この構図が2014年も続くのか、12月の変化が2014年のトレンドとなるのか、それともまた違った動きになるのか。2014年のモバイルゲーム業界も目が離せない。
※参考までに、月末の上位20位に、累計で何タイトルランクインしたかを企業ごとにまとめた。年前半に多くランクインした企業、後半にリリースしたタイトルが伸びた企業と、様々だ。
▼上位20位ランクインタイトル数(月末時点、12か月合計)
簡単に結論をまとめると、「セガと海外企業の存在感が高まる」「LINE、ガンホー、コロプラ、バンダイナムコゲームスの4社の勢力は堅調」「その他企業は踏ん張りどころ」といったところだ。なお、12月のデータのみ28日11時時点のランキングを用いているため、月末特有の動きなどが反映されていない可能性もある。厳密に月末時点での比較となっていない点を留意してもらいたい。
以下、12月28日11時調べのApp Store国内ゲーム売上ランキング(※変化は1週間前との比較)。
順位
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変化
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タイトル | 価格 | 開発会社 |
1 | 0 | パズル&ドラゴンズ | - | ガンホー<3765> |
2 | 15 | チェインクロニクル◆本格シナリオRPG/チェンクロ | - | セガ<6460> |
3 | 1 | クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ | - | コロプラ<3668> |
4 | 1 | LINE ポコパン | - | LINE |
5 | 2 | 戦国炎舞 -KIZNA- | - | サムザップ<4751> |
6 | -3 | プロ野球PRIDE | - | コロプラ<3668> |
7 | 20 | SDガンダム ジージェネレーション フロンティア | - | バンダイナムコゲームス<7832> |
8 | 0 | Clash of Clans | - | Supercell |
9 | 6 | ブレイブフロンティア | - | エイリム |
10 | -8 | ぷよぷよ!!クエスト | - | セガ<6460> |
11 | 3 | キャンディークラッシュ | - | King |
12 | 0 | ガンダムエリアウォーズ | - | バンダイナムコゲームス<7832> |
13 | -4 | ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル | - | KLab<3656>/ブシロード |
14 | -4 | ドラゴンリーグX | - | アソビズム |
15 | 15 | ポケットコロニー ~かわいいアバターゲーム~ | - | Cocone |
16 | 8 | ディバインゲート | - | ガンホー<3765> |
17 | 17 | 関ヶ原演義 | - | D2C |
18 | -7 | ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 |
2800
|
スクウェア・エニックス<9684> |
19 | -3 | モンスターストライク | - | ミクシィ<2121> |
20 | 9 | ケリ姫スイーツ | - | ガンホー<3765> |
■上位20位:セガの2タイトルと海外企業の2タイトルが常連に
以下のグラフは、月末時点の売上ランキングで、企業別に上位20位に入ったタイトルが何本あったかを集計したものだ(左軸がタイトル数)。LINE、ネイティブアプリでヒット作を生み出したガンホー<3765>とコロプラ<3668>、「ガンダム」など強力なIP(知的財産)タイトルをリリースするバンダイナムコゲームス(バンナム)<7832>の4社で、トップ20の半数にあたる10本を継続的に占めている。12月28日時点ではLINEのタイトルが減っているが、この4社を国内モバイルアプリゲームの「ビッグ4」と言っても過言ではないだろう。年後半は興味深い動きが出てきた。年前半、上位20位に姿を見せなかったセガと海外勢(SupercellとKing)の躍進だ。年後半、セガ<6460>は安定的に2タイトルをランクインさせている。海外勢は『キャンディークラッシュ』(King)と『Clash of Clans』(Supercell)がトップ20に登場。テレビCMやコラボなどで、日本市場に本格的なプロモーションをかけてきた成果だろう。
セガは、『チェインクロニクル』と『ぷよぷよ!!クエスト』が上位の常連となった。家庭用ゲーム大手のなかでは、すでに確固たる地位を築いたバンダイナムコの次に、頭一つ抜け出してきたという印象だ。
以下、月ごとに、ランキング上位50位について、家庭用ゲーム大手5社のタイトルに色付けした図だ。縦が順位で、右に進むほど時間が経過する。セガを赤、スクエニ<9684>を緑、コナミ<9766>を黄、カプコン<9697>を紫、バンナムを青に着色した。バンナムのみ別表とした。
バンナム以外のゲーム大手が上位から姿を消していくなか、セガは赤の矢印のように、年後半にトップ20での存在感を高めていった。25位以下にも多くのタイトルがあり、層の厚さも感じられる。
セガは、『チェインクロニクル』と『ぷよぷよ!!クエスト』が上位の常連となった。家庭用ゲーム大手のなかでは、すでに確固たる地位を築いたバンダイナムコの次に、頭一つ抜け出してきたという印象だ。
以下、月ごとに、ランキング上位50位について、家庭用ゲーム大手5社のタイトルに色付けした図だ。縦が順位で、右に進むほど時間が経過する。セガを赤、スクエニ<9684>を緑、コナミ<9766>を黄、カプコン<9697>を紫、バンナムを青に着色した。バンナムのみ別表とした。
バンナム以外のゲーム大手が上位から姿を消していくなか、セガは赤の矢印のように、年後半にトップ20での存在感を高めていった。25位以下にも多くのタイトルがあり、層の厚さも感じられる。
■ガンホー、コロプラ、LINEは引き続き上位に複数タイトル
同様の表で、ガンホー、コロプラ、LINEの状況を見てみよう。首位を塗りつぶすガンホーだが、今年後半は、『ディバインゲート』『ケリ姫スイーツ』のランキング推移も25位以上で安定するようになった。コロプラも『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』のダウンロードの伸びが話題となりがちだが、『プロ野球PRIDE』も堅調。App Storeの2013年の年間総合売上ランキングでは『プロ野球PRIDE』が2位だった(関連記事)。LINEもバンナムと同様、トップ20に数本ランクインする月が多い。
■上位50位①:家庭用ゲーム大手がシェア拡大の兆し?
上位50位もまず、家庭用ゲーム大手の状況から見ていこう。以下、上位50位内にランクインしたタイトル数の推移を示したグラフだ。上位20位で分析したように、複数タイトルがランキング上位に登場するセガとバンダイナムコゲームスが2強で、好調な推移を続けている。12月はここに、スクウェア・エニックスが3タイトル、コナミが2タイトル、そしてカプコンが1タイトル上乗せしてきた。
スクエニはリリースしたばかりの『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』の販売が急速に伸びたほか、『拡散性ミリオンアーサー』『三国志乱舞』が50位内に返り咲いた。
コナミも、今年は『プロ野球ドリームナイン』『ドラゴンコレクション』『ときめきレストラン』のどれか一つが上位50位に顔を出す程度だったが、12月前半にリリースしたiOS版『ワールドサッカーコレクションS』が急速に立ち上がった。12月28日時点では『プロ野球ドリームナイン』『ワールドサッカーコレクションS』の2タイトルがランクインした。これまでApp Storeランキングの上位ではあまり見かけなかったカプコンも、12月は人気シリーズ『モンスターハンター』をモチーフとした新作カードバトルゲーム『モンハン 大狩猟クエスト』がトップ50に登場した。
■上位50位②:国内中堅SAPは踏ん張り所、ポケラボの姿が…
今年、月末の上位50位に2タイトル以上が同時にランクインしたことのあるSAPを「中堅SAP」として、その状況を見ていこう。以下のグラフは、上位50位に登場したタイトル数の推移だ。KLab<3656>も年前半は最大3タイトルをランクインさせることもあったが、10月以降は『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』1本だけとなっている。D2Cは11月が『NBA ドリームチーム』のみとだったことも気がかりだ。
一方、アソビズムは『ドラゴンリーグX』『ドラゴンポーカー』の2本柱が安定してランクイン。エイチーム<3662>も『ダービーインパクト』『レギオンウォー』が上位50位内を維持している。サイバードは11月に、『学園×不良RPG 最凶学園ナックルバウト』『バーコードフットボーラー』のほか、女性向けの『イケメン王宮』『イケメン夜曲』と、4タイトルが登場した。
■上位50位③:前門の海外大手、後門のコンシューマー大手
以下、上位50タイトルの内訳だ。12月が一時的なのかもしれないが、じわりと存在感を高める海外企業と、家庭用ゲーム大手に、国内SAPがじりじりと押され始めているようにも見える。(※家庭用ゲーム大手はカプコン、コナミ、スクウェア・エニックス、セガ、バンダイナムコ)
3月以降、上位50タイトルは、LINE、ガンホー、コロプラの3社で10本程度、家庭用ゲーム大手で10本程度、海外企業が数本、その他企業で30本弱という構図が続いてきた。この構図が2014年も続くのか、12月の変化が2014年のトレンドとなるのか、それともまた違った動きになるのか。2014年のモバイルゲーム業界も目が離せない。
※参考までに、月末の上位20位に、累計で何タイトルランクインしたかを企業ごとにまとめた。年前半に多くランクインした企業、後半にリリースしたタイトルが伸びた企業と、様々だ。
▼上位20位ランクインタイトル数(月末時点、12か月合計)
LINE | 45 |
コロプラ | 26 |
ガンホー | 23 |
バンダイナムコゲームス | 22 |
KLab | 15 |
アソビズム | 15 |
アプリボット | 15 |
セガ | 13 |
サムザップ | 8 |
スクウェア・エニックス | 7 |
Supercell | 7 |
D2C | 5 |
Donuts | 5 |
gloops | 4 |
エイリム | 4 |
サイバード | 4 |
ポケラボ | 4 |
Cocone | 4 |
エイチーム | 3 |
グリー | 3 |
King | 2 |
Cygames | 1 |
Aiming | 1 |
ミクシィ | 1 |
Social Quantum | 1 |
ポノス | 1 |
Crossgate | 1 |
会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森下 一喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765
会社情報
- 会社名
- 株式会社セガ
- 設立
- 1960年6月
- 代表者
- 代表取締役会長CEO 里見 治紀/代表取締役社長執行役員COO 内海 州史/代表取締役副社長執行役員Co-COO 杉野 行雄
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1916億7800万円、営業利益175億3900万円、経常利益171億9000万円、最終利益114億8800万円(2023年3月期)
会社情報
- 会社名
- Supercell