2013年の米国App Storeにおける女性向け恋愛ゲーム…安定した強さのボルテージと後半伸びたNTTソルマーレ
2013年11月に米国App Storeで女性向け恋愛ゲームのポジションが上昇していることを報じたが、今回、2013年の年間を通じて、さらに前回のトップ20からトップ50まで広げて、その動きをあらためて振り返ってみたい。あの時は急上昇などと書いたが、年間を通してみると少し事情が違っていた。
米国App Storeにおいて、女性向け恋愛ゲームの配信で一定の実績を残しているのは、ボルテージとNTTソルマーレの2社だ。両社ともに国内では公式サイトやブラウザソーシャルゲームとして恋愛ゲームを提供していたが、海外向けについては2012年より提供を開始した。両社とも1年以上にわたって取り組んでいるのである。
■海外展開は2012年よりスタート
ボルテージは、2011年7月のAndroidアプリ『PIRATES IN LOVE』をリリースし、翌年1月には、iOSアプリ版の提供を開始。以後、「My Forged Wedding」や「A Prince‘s Proposal」など、延べ10タイトル以上の恋愛ゲームを提供してきた。
一方、NTTソルマーレも、ボルテージから遅れること半年後の2012年7月より、『ShallWeDate?:NinjaLove』の提供を開始。その後、翌年7月に『Shall we date?: Destiny Ninja』や『『Shall we date?: My Sweet Prince+』などを配信している。
■ボルテージが圧倒的な強さ 気がかりな点も
海外進出で一歩先んじたボルテージだが、提供タイトル数だけでなく、売上の面でも結果を早く出しており、2013年の年初段階からトップ50に12タイトルも送り込んでいた。「My Forged Wedding」や「Be My Princess」が「Pirates In Love」が主力タイトルとなった。
下の図は、2013年1月~12月の月末時点における米国App Storeの売上ランキング(エンターテイメント)のトップ50に占めるボルテージタイトルの変遷を示したものである。ボルテージのタイトルを黄緑で示し、視覚的に把握できるようにした。
これをみると、月ごとに一定の変動があるものの、年間を通じてトップ50に平均で10タイトルを送り込んでいた。2013年6月にはトップ50に12タイトル、さらにトップ20に限ると7タイトル入った。しかし、それ以降、トップ50におけるタイトル数は変わらないものの、トップ20に占めるタイトル数が減少傾向にある。
■年後半に伸びたNTTソルマーレ
同様に、NTTソルマーレのタイトルの動きを示したものが以下の図となる。NTTソルマーレのタイトルは水色で示した。これをみると、2013年の年央くらいまでは1タイトル入るか入らないかであったのだが、9月以降、3タイトルがランクインしたことがわかる。しかもトップ20に2タイトル、9月~11月に限るとトップ10に2タイトル入った。
■まとめ
下のグラフは、トップ50に送り込んだタイトル数の推移を示したものである。ボルテージを赤、ボルテージのトップ20に入ったものを黄緑、NTTソルマーレを青とした。すでに触れたようにトップ20に入るボルテージのタイトルが下方トレンドにあるように見受けられる。
【売上ランキングトップ50における両社のタイトル数の推移】
最後に2014年の展望も含めて考えると、ボルテージは、年央からやや失速傾向にあることが伺えるが、2014年は再びポジションを高めることができるのかが注目される。昨年7月以降、前社長の津谷 祐司氏と、前副社長の東(津谷) 奈々子氏がそれぞれ米国子会社のCEO、COOとして米国展開に注力しているが、そろそろ成果が期待される時期でもある。
一方、NTTソルマーレについては、年後半にランキングタイトルがふえており、勢いがでてきたといえる。その余勢を駆って、ではないだろうが、年末には『Shall we date?: Angel or Devil』や『Shall we date?: Magic Sword』、『Shall we date?: Can’t Say No』などリリースラッシュとなった。年末年始の新作が今後、どこまでポジションをあげるかがポイントになるだろう。
最後に、女性向け恋愛ゲームというジャンルが米国App Storeの全体でどこまで存在感を高められるかも注視すべきポイントかもしれない。『My Forged Wedding』は、エンターテイメントで1位を獲得したが、全体では最高62位。米国における女性向け恋愛ゲーム市場についてはまだまだ市場を掘り起こすフェーズなのかもしれない。多種多様なモチーフの作品を提供し、ユーザー数の拡大とヒット作品を探る局面が続くのだろうか。
米国App Storeにおいて、女性向け恋愛ゲームの配信で一定の実績を残しているのは、ボルテージとNTTソルマーレの2社だ。両社ともに国内では公式サイトやブラウザソーシャルゲームとして恋愛ゲームを提供していたが、海外向けについては2012年より提供を開始した。両社とも1年以上にわたって取り組んでいるのである。
■海外展開は2012年よりスタート
ボルテージは、2011年7月のAndroidアプリ『PIRATES IN LOVE』をリリースし、翌年1月には、iOSアプリ版の提供を開始。以後、「My Forged Wedding」や「A Prince‘s Proposal」など、延べ10タイトル以上の恋愛ゲームを提供してきた。
一方、NTTソルマーレも、ボルテージから遅れること半年後の2012年7月より、『ShallWeDate?:NinjaLove』の提供を開始。その後、翌年7月に『Shall we date?: Destiny Ninja』や『『Shall we date?: My Sweet Prince+』などを配信している。
■ボルテージが圧倒的な強さ 気がかりな点も
海外進出で一歩先んじたボルテージだが、提供タイトル数だけでなく、売上の面でも結果を早く出しており、2013年の年初段階からトップ50に12タイトルも送り込んでいた。「My Forged Wedding」や「Be My Princess」が「Pirates In Love」が主力タイトルとなった。
下の図は、2013年1月~12月の月末時点における米国App Storeの売上ランキング(エンターテイメント)のトップ50に占めるボルテージタイトルの変遷を示したものである。ボルテージのタイトルを黄緑で示し、視覚的に把握できるようにした。
これをみると、月ごとに一定の変動があるものの、年間を通じてトップ50に平均で10タイトルを送り込んでいた。2013年6月にはトップ50に12タイトル、さらにトップ20に限ると7タイトル入った。しかし、それ以降、トップ50におけるタイトル数は変わらないものの、トップ20に占めるタイトル数が減少傾向にある。
■年後半に伸びたNTTソルマーレ
同様に、NTTソルマーレのタイトルの動きを示したものが以下の図となる。NTTソルマーレのタイトルは水色で示した。これをみると、2013年の年央くらいまでは1タイトル入るか入らないかであったのだが、9月以降、3タイトルがランクインしたことがわかる。しかもトップ20に2タイトル、9月~11月に限るとトップ10に2タイトル入った。
■まとめ
下のグラフは、トップ50に送り込んだタイトル数の推移を示したものである。ボルテージを赤、ボルテージのトップ20に入ったものを黄緑、NTTソルマーレを青とした。すでに触れたようにトップ20に入るボルテージのタイトルが下方トレンドにあるように見受けられる。
【売上ランキングトップ50における両社のタイトル数の推移】
最後に2014年の展望も含めて考えると、ボルテージは、年央からやや失速傾向にあることが伺えるが、2014年は再びポジションを高めることができるのかが注目される。昨年7月以降、前社長の津谷 祐司氏と、前副社長の東(津谷) 奈々子氏がそれぞれ米国子会社のCEO、COOとして米国展開に注力しているが、そろそろ成果が期待される時期でもある。
一方、NTTソルマーレについては、年後半にランキングタイトルがふえており、勢いがでてきたといえる。その余勢を駆って、ではないだろうが、年末には『Shall we date?: Angel or Devil』や『Shall we date?: Magic Sword』、『Shall we date?: Can’t Say No』などリリースラッシュとなった。年末年始の新作が今後、どこまでポジションをあげるかがポイントになるだろう。
最後に、女性向け恋愛ゲームというジャンルが米国App Storeの全体でどこまで存在感を高められるかも注視すべきポイントかもしれない。『My Forged Wedding』は、エンターテイメントで1位を獲得したが、全体では最高62位。米国における女性向け恋愛ゲーム市場についてはまだまだ市場を掘り起こすフェーズなのかもしれない。多種多様なモチーフの作品を提供し、ユーザー数の拡大とヒット作品を探る局面が続くのだろうか。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ボルテージ
- 設立
- 1999年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 津谷 祐司
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高34億5600万円、営業損益9400万円の赤字、経常利益1500万円、最終利益500万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3639
会社情報
- 会社名
- エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社(NTTソルマーレ)
- 設立
- 2002年4月
- 代表者
- 苫名 明
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 非公開
- 上場区分
- 未上場