プラットフォーム決算まとめ…売上が伸び悩む2大プラットフォーム Amebaは善戦、LINE急成長 利益面ではグリーの下げ止まりに注目
「ネイティブアプリの台頭」の年となった2013年の振り返りとして、2013年7~9月期までのプラットフォーム各社の決算をまとめた。四半期売上高を見ると、7~9月期はグリー<3632>の減収基調が続いたほか、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>も500億円を割り込むなど、既存プラットフォームの苦戦が続いた四半期と言えるだろう。一方、ガンホー<3765>やコロプラ<3668>といったネイティブアプリ特化企業の勢いや、LINEの成長を確認できた四半期となった。利益面ではコスト削減を進めたグリーに底入れの兆しが見えたことが特徴だろう。
これまで見てきたプラットフォーム5社の売上高(LINEはグロス)を積み上げると、以下のようなグラフとなる。Amebaを含めた既存のプラットフォーム全体では伸び悩むなか、LINEの存在感が高まってきていることが明確にわかる。
LINEを除く4社の合計売上高は7~9月が930億円と、4~6月に比べて53億円(5%)減った。3四半期連続で減少し、2011年10~12月以来の規模に落ち込んだ。
DeNAとグリーの営業利益の推移をグラフにすると、以下のようになる。前四半期比(QonQ)で、DeNAの減益基調が続く一方、グリーは久々の増益に転換した。グリーの増益はコスト削減の進展によるもの。今後は、希望退職の募集などリストラ効果が出てくるため、利益が改善基調に入る可能性が高まってきている。
この2社の営業利益の合計をみると、2013年7~9月は249億円と4~6月(248億円)からわずかに増加。2011年7~9月以来、2年ぶりにQonQで増益となった。赤字が続いていたAmebaも、運営するサイバーエージェントではこれから黒字に転換し、収穫期に入ると見込んでいる。
■売上高:伸び悩み続く既存プラットフォーム、「Ameba」の善戦と「LINE」の急成長
ソーシャルゲームの2大プラットフォームであるDeNAとグリーの売上高と、成長著しいネイティブアプリ特化企業2社(ガンホーとコロプラ)の合計売上高について、四半期推移をグラフにした。ガンホーとコロプラ2社の合計売上高は4~6月にグリーを抜き、7~9月にはDeNAも抜き去った。次に、サイバーエージェント(CA)のプラットフォームである「Ameba」事業と、LINEの「LINE」事業、「mixi」を運営するミクシィ<2121>の四半期売上高をそれぞれグラフとした。Amebaは大手2社と異なり、じりじりと売上高を伸ばしている。『ガールフレンド(仮)』など人気タイトルが課金収入の支えとなっているもようだ。
LINEは後発ながら、スマートフォンの普及に伴って急速に成長、グロス(総額表示)では3か月間で160億円近くを売り上げている。GoogleやAppleなどのストアに支払う30%の決済手数料を除いた金額のうち、開発会社との契約に基づいてLINEが受け取る金額だけを売上として計上するネット(純額)売上も99億円と、Amebaを上回るプラットフォームに成長した。
LINEは後発ながら、スマートフォンの普及に伴って急速に成長、グロス(総額表示)では3か月間で160億円近くを売り上げている。GoogleやAppleなどのストアに支払う30%の決済手数料を除いた金額のうち、開発会社との契約に基づいてLINEが受け取る金額だけを売上として計上するネット(純額)売上も99億円と、Amebaを上回るプラットフォームに成長した。
これまで見てきたプラットフォーム5社の売上高(LINEはグロス)を積み上げると、以下のようなグラフとなる。Amebaを含めた既存のプラットフォーム全体では伸び悩むなか、LINEの存在感が高まってきていることが明確にわかる。
LINEを除く4社の合計売上高は7~9月が930億円と、4~6月に比べて53億円(5%)減った。3四半期連続で減少し、2011年10~12月以来の規模に落ち込んだ。
■利益:グリーに反転の兆し
DeNAとグリーの営業利益の推移をグラフにすると、以下のようになる。前四半期比(QonQ)で、DeNAの減益基調が続く一方、グリーは久々の増益に転換した。グリーの増益はコスト削減の進展によるもの。今後は、希望退職の募集などリストラ効果が出てくるため、利益が改善基調に入る可能性が高まってきている。営業利益率をみても、DeNAは低下基調が続いているが、グリーは反転している。
この2社の営業利益の合計をみると、2013年7~9月は249億円と4~6月(248億円)からわずかに増加。2011年7~9月以来、2年ぶりにQonQで増益となった。赤字が続いていたAmebaも、運営するサイバーエージェントではこれから黒字に転換し、収穫期に入ると見込んでいる。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751
会社情報
- 会社名
- LINE株式会社
- 設立
- 2019年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 出澤 剛/代表取締役 慎 ジュンホ