【ゲーム株概況】全般に下落、ミクシィの『モンスト』中国展開には慎重な評価も…マーベラスAQLやクルーズは逆行高

3日の東京株式市場では全体相場の下落の流れを受け、ゲーム株も下げる銘柄が目立った。とりわけ、不正ログインの発生や中国展開に対する懸念などからミクシィ<2121>の下げが目立った。

ミクシィは前週末比1040円（14.3％）安い6240円で取引を終えた。メリルリンチ日本証券のアナリストが投資家向けのリポートで「ゲーム1本の中国投入で積極評価は困難」と説明。ゲームの中国展開を好感した株価が上昇したことから「割高感がさらに拡大した」と指摘しており、投資家の心理を冷やしたとの声があった。

メリルのアナリストは中国のスマホゲーム市場規模がまだ小規模であること、シェアの大きいテンセント経由でゲームを提供しても、外部企業の収益取り分は3割程度と、国内（7割）と比べて収益性が低いことなどを挙げていた。また、広告宣伝効果の一巡で『モンスト』に陰りが出始めれば、ゲーム1本足という事業構造の弱さが強く懸念視される段階を迎えるとみていた。

前日に同社が運営する交流サイト「ｍｉｘｉ」上で、外部から不正なログインがあったと発表しており、こちらも利用者の減少につながるとの懸念を誘ったもよう。

一方、マーベラスＡＱＬ<7844>が4％高と堅調。一部ではモバイルゲーム『剣と魔法のログレス いにしえの女神』のランキング推移が好調だったことを材料視する見方があった。クルーズ<2138>も0.7％高としっかり。前週末に事前登録を開始した新作のパズルRPG『モンスターエッグアイランド』への期待感が株価の支えとなったようだ。

前週末に大幅な業績下方修正を発表したセガサミー<6460>は売りが先行したものの、徐々に買いが優勢となり、1％高と上げて取引を終えた。ゴールドマン・サックス証券のアナリストは「過去3年間、同社の遊技機の事業では計画通りにタイトルの投入が進んでいない。タイトル期ずれは想定通り」といつつ、モバイルゲームの成長やカジノ関連事業への期待感から、「買い」の投資判断を継続している。


以下、3日の主なゲーム企業の株価と騰落（単位は円）。

銘柄名	証券コード	終値	前日比	前日比率
マーベラスＡＱＬ	7844	790	31	4.08%
セガサミーＨＤ	6460	2,406	28	1.18%
アエリア	3758	1,790	16	0.90%
クルーズ	2138	5,740	40	0.70%
コナミ	9766	2,556	0	0.00%
バンダイナムコＨＤ	7832	2,258	-19	-0.83%
ネクソン	3659	853	-11	-1.27%
カプコン	9697	1,921	-25	-1.28%
コーエーテクモＨＤ	3635	1,235	-17	-1.36%
ガンホー	3765	617	-10	-1.59%
日本ファルコム	3723	897	-15	-1.64%
スクウェア・エニックスＨＤ	9684	2,273	-39	-1.69%
任天堂	7974	12,335	-220	-1.75%
アクセルマーク	3624	669	-16	-2.34%
ボルテージ	3639	1,603	-40	-2.43%
ドリコム	3793	236,600	-7,100	-2.91%
ｅｎｉｓｈ	3667	2,044	-68	-3.22%
ＫＬａｂ	3656	690	-23	-3.23%
ＧＭＯインターネット	9449	1,110	-37	-3.23%
モブキャスト	3664	956	-36	-3.63%
グリー	3632	1,085	-41	-3.64%
サイバーエージェント	4751	4,305	-170	-3.80%
日本一ソフトウェア	3851	740	-32	-4.15%
ディー・エヌ・エー	2432	2,102	-98	-4.45%
コロプラ	3668	2,788	-140	-4.78%
オルトプラス	3672	1,899	-100	-5.00%
エイチーム	3662	6,590	-360	-5.18%
エイティング	3785	1,230	-75	-5.75%
ケイブ	3760	2,178	-149	-6.40%
ミクシィ	2121	6,240	-1,040	-14.29%