コロプラ<3668>は、スマートフォン向け新作アプリ『合体RPG魔女のニーナとツチクレの戦士』(以下『魔女クレ』)のリリースを2014年7月中旬に予定している。
本作は、元気いっぱいの魔女っ娘・ニーナとともに、個性豊かなゴーレムを引き連れて不思議な大冒険に出かける、「合体」をテーマとしたコミカルでマジカルなRPG。「菜園シミュレーション」「アクションゲーム」「ストーリー」の3パートが合体し、同時に楽しめるという新しいタイプのゲームだ。
今回「Social Game Info」では、『魔女クレ』を特集した連載記事を3回に渡って掲載。第1弾では、同作の開発陣を迎えて、本作の開発経緯や“こだわり”などを聞いてきたインタビュー記事をお届け。
■『蒼の三国志』×キャリーシリーズ=?
株式会社コロプラ
『合体RPG魔女のニーナとツチクレの戦士』ディレクター(写真左)
『合体RPG魔女のニーナとツチクレの戦士』プロジェクトマネージャー(写真右)
――:よろしくお願いします。先日御社は新作『白猫プロジェクト』を発表されたばかりですが、まさか隠し球を持っていたなんて……本当に驚きました。本日はいろいろお話を聞かせていただきますが、まずおふたりのこれまでの経歴を簡単にお願いします。
プロジェクトマネージャー(以下、PM):コロプラには2年半前にジョインしたのですが、当時はスマートフォンのネイティブ基盤開発という、OSで新しい機能が出たときにそれをゲームに活かせないかを考えるチームにいました。そこから、Unityエンジニアの拡充を図るための社内プロジェクト「Unityブートキャンプ」へ参加したことをきっかけに、ゲーム開発の部署に移りました。これまでは『プロ野球PRIDE』の3Dバッティングの開発やKuma the Bearアプリの開発などを手掛けてきました。
ディレクター(以下、D):私も入社は彼(PM)とほぼ同時期です。入社後は『恐竜ドミニオン』のプロジェクトマネージャー兼ディレクターを担当していました。その後は、新規ネイティブオンラインアプリを開発して、今回の『魔女クレ』の開発に至ります。コロプラには2年半近くおりますが、そのほとんどが新規開発プロジェクトに携わっていますね。
――:分かりました。そして『魔女クレ』ですが、 どのような経緯で開発が始まったのですか。
D:弊社代表の馬場から「『蒼の三国志』のコアアクションを使って、キャリーシリーズ(『キャリー・ストーリー』『秘宝探偵キャリー』)のキャラクター資産をうまく活用した新作を作ろう」という提案があり、開発をスタートさせました。
すでにキャラクターデザインやコアアクションの仕様もあるため、当初の開発期間は2ヵ月ほどの予定でしたが、我々から馬場に改めて企画書を出したところ、「もっと盛れそうだ」という話になり、様々なコンテンツや演出に磨きをかけて、現状までに膨れ上がりました。
――:なるほど。最初の種は馬場社長からいただいたと思いますが、そこから実際のゲームの核となるコンセプトは、恐らくおふたりで決められたと思います。
D:はい。馬場から言われたコンセプトは、「『蒼の三国志』のコアアクション×キャリーシリーズのキャラクターデザイン」というものでしたが、そこに我々が新たに「魔女が操るゴーレムバトル」というコンセプトを打ち出しました。すると「ゴーレム」というキーワードから「合体」というフレーズに結びつき、より「合体」をフィーチャーした内容にシフトしていったのです。
PM:当初は、キャリーシリーズのキャラクターたちを3Dバトルとして戦わせたかったのですが、さすがに総勢2500体もいるキャラクターすべてを3D化するのは難しいため、「イラストの登場キャラクターたちが、3Dのゴーレムを操作する」というゲーム内容にしました。
そこから合体要素をどのように混ぜていくかを、さらに熟考していきました。はじめは剣士型のゴーレムとドラゴン型のゴーレムを合体したら、まったく別のタイプとなるドラゴンナイトが登場するなどを考えていたのですが、これって思えばふたつのゴーレムが溶け合う「融合」に近くて、「合体」とは異なる内容でした。
――:では、おふたりが思い描く「合体」というのは。
D&PM:もうガシーン、ガシーン、ガチャーンという感じが合体です!(笑)
――:(笑)。たしかに意外と合体ってアナログですよね(笑)
PM:チーム内でも「これだよ、これ!」となって、開発でもより合体を基調とした熱い内容に仕上げていきました。そのため、最初はタイトルロゴも魔法少女アニメっぽい感じでしたが、格好いいタイプに変更しました。
――:恐らくゲーム内では合体の“熱さ”がありつつも、魔女のキャラクターが登場する“ファンシーさ”も備えていると思います。世界観の調整はいかがでしたか。
D:合体ロボットアニメのテイストをそのまま取り入れてしまうと、どうしてもニッチな世界観になってしまいます。そのため『魔女クレ』では、ゴーレムの等身を低くして可愛らしいデザインにしつつも、合体すると熱いバトル展開に移り変わるといった、異なる雰囲気がうまく調和するように意識して世界観を構築していきました。
――:また、『合体RPG 魔女のニーナとツチクレの戦士』というしっかりとしたタイトルも特徴的ですよね。
D:タイトルを決めるだけで1ヵ月以上はかかっています。当初はイメージ的なタイトルにしたり、キャッチーに4文字ぐらいにしたりしましたが、どれもタイトルを見たときにゲームの中身が想像できないということになり、「奇をてらうよりは分かりやすいほうがいい」と現在のタイトルに落ち着きました。
PM:チームメンバーから150案以上ものアイデアが出てきました。そのなかから、どう絞っていこうかというところで随分と時間がかかりましたね。そのまま略称で『魔女クレ』であったり、合体要素を押した『ドキドキドッキング』などもあったりしました。
「ゴーレムを庭で育てる」「戦略的なバトル」「アニメのような物語」などなど、本当にこのゲームには様々な要素があるため、どこをフィーチャーしてタイトルにするか大変悩みました。最終的には、一番ワクワクして想像力を沸き立たせるタイトルとして、『合体RPG 魔女のニーナとツチクレの戦士』に決まりました。ぜひ、『魔女クレ』の愛称で親しんでほしいです。
――:ちなみに、おふたりが思う『魔女クレ』の注目ポイントは。
D:合体を見て欲しいですね。
PM:そうですね。演出面でもそうですし、合体後のキャラクターデザインにも注目してほしいです。格好良いのもできるし、格好悪いのもできるんですよ(笑)。
D:当然チームメンバーは『魔女クレ』をやり込んでいますが、それでもたまに「なんだこれ?」とか「すげー格好良い!」というゴーレムが出てきたりと、我々でもまだ見たことのないデザインが登場したりします。ゴーレムの合体では、種類やレベルによって見た目と能力値がすべて変わるため、見応えがあると思います。
ちなみに頑張って試算をしたところ、現状18億通り以上の組み合わせパターンがあります。能力の違いを入れたら恐らくこれの100倍以上は……。いかに少ない手数で、組み合わせがたくさんできるようにするかは、初期段階でもだいぶ時間をかけたところですね。
PM:たとえば、人型である剣士のゴーレムとドラゴンの形をしたゴーレム、そして足が逆関節になっている悪魔型のゴーレムを合体させたときに、歪んだ見た目にならないようにデザインを調整しています。というのもドラゴンの頭の上に剣士のヘルムが乗っかるという単純で無理やりなデザインにならないように、あえて手を入れているという感じです。
現在ではドラゴンと剣士を合体すると、ドラゴンが鎧を着ているデザインになったり、悪魔タイプと天使タイプが合体すると堕天使ということで、かぶりものがカラスの骨になったりなど、色々な組み合わせでも多彩なパターンが生まれるようになっています。合体しないと見られないゴーレムもたくさんあるため、積極的に合体をしてほしいですね。
――:そのこだわりようで、18億通り……。それは見て欲しいですね。
D&PM:ぜひ!
■「毎週アニメの放送を楽しみにする感覚で」
――:さて、アニメ的な展開が特徴的な「ストーリー」パートですが、1話完結タイプの長編ストーリーと伺っています。さぞシナリオに関してご苦労があったと思いますが、こちらは内製でしょうか。
PM:はい、内製となります。シナリオに関しては、アニメと比較しても遜色のない量を作っています。豪華声優陣を起用したフルボイス進行の完全オリジナルストーリーと、350体以上もの登場キャラクターが本作の世界観をさらに盛り上げてくれます。声優さんも「ここまで本格的な台本をもらって収録したスマートフォンゲーム作品はなかった」とおっしゃるほどでした。
D:ゲームでは、第1章第1話みたいな形で進んでいくのですが、第1章をすべてクリアーすると最後にエンディングと第2章の次回予告が挿入されます。ちなみに第1章は9話まであります。リリースのタイミングでは第3章まで収録されており、その後は定期的に新しいお話を加えていきます。すでに第6章まではプロットができており、第4章はシナリオが完成しています。
▲「ストーリー」パートとゴーレムを育てる「菜園シミュレーション」パート
――:声優さんの収録では、実際にアフレコ現場に行かれたんですか。
D:ええ、伺いました。ストーリーパートの収録のほかに、登場する汎用キャラクターのこともありましたので、かなりの量となりました。じつは、ある一定のレアリティ以上のキャラクターは全員喋るようになっています。★3以上のキャラクターが喋るため、だいたい150体近くにボイスはついています。そのため『魔女クレ』では、総勢60人ほどの声優さんが関わっています。
■声優キャスト(敬称略)
明坂聡美(ニーナ役) | 沢城みゆき(魔女先生役) | 下野紘(レント役) | 堀江由衣(リリー役) |
小杉十郎太(ミハエル役) | 浪川大輔(アルト役) | 伊藤静(シェスカ役) | 川原慶久(クラウス役) |
――:そして主題歌。こちらの導入経緯については。
PM:主題歌を作るきっかけとなったのは、合体シーンが完成したときに、「やはりアニメでも合体のときは熱い主題歌が流れるだろう」という話になり、そこから主題歌を作成しました。すると主題歌があるならばアニメ調に進んでいこうと、アニメ調になるのであれば次回予告やフルボイスにしようなど、次々と色々な要素を盛り込んでいきました。ある意味、すべては合体から始まったようなものですね。
D:主題歌はきちんとフル楽曲として手掛けています。ゲーム内では各曲1分半ぐらいしか聞けないのですが……。
――:キャラクターは、キャリーシリーズのデザインを踏襲された形でしょうか。
D:そうですね。キャリーシリーズのメインデザイナーが担当しています。『魔女クレ』では、新規キャラクターも当然いますが、旧キャラクターに関しては等身を伸ばしたり、色の塗りを増やしたり、表情を変えたりなど、全てリファインしています。とはいえ、キャリーシリーズを遊んでいるファンの方なら、気に入っていただけると思います。ちなみに『魔女クレ』とキャリーシリーズにおける世界観の接点は、パラレルワールド的な感覚として捉えていただければ。
――:すでに社内レビューで遊んだ方からの意見・要望が寄せられたと思いますが、いかがでしたか。
D:難しいという声は挙がりましたが、自分なりの攻略や戦略が見えてくると楽しいと言ってくれる人もいました。我々も難易度には気を使っていますが、やはり単純にボタンをポンポン押しているだけで勝てるゲームにはしたくないという想いはあります。
PM:拠点制圧ゲームのため、難易度の調整は人それぞれ出てくると思います。そのため『魔女クレ』では、「普通」「難しい」「チャレンジ」の3つの難易度を用意しています。
はじめから出ている「普通」はストーリーを見るために遊んでもらって、「難しい」では追加ストーリーが見られるなどの要素を加えています。「チャレンジ」に関しては、純粋に己の腕の限界に挑戦してほしいと思っています。
――:そういえば『白猫プロジェクト』と同様に『魔女クレ』にも「スタミナ」という概念がありませんね。……しかし、いまの話を伺うなかで、なるほど、納得しました。
PM:はい。どうしてもスタミナがある場合は、ユーザーさまもスタミナが消費してしまうことを考えて、難しいステージに挑むことを躊躇ってしまうものです。すぐに負けてしまって、スタミナが無くて再挑戦できないのはバランス的にも問題があります。
スタミナ消費が無ければたとえ負けても何回でも挑戦できて、少しずつ攻略方法が見えてくると思います。経験を積むことでプレイヤー自身がテクニックを習得して、難しいステージもクリアーできるようになるでしょう。逆にどんなに強いキャラクターを持っていても、きちんとうまく動かさないと負けてしまうこともあると思います。
▲パーティー編成画面とバトル画面
――:それでは、最後にリリース後の運営方針について教えてください。
D:先ほども申し上げましたが、メインストーリーを主軸に遊んでいただくために、定期的にストーリーを追加していきます。スパンは長いですが、毎週アニメの放送を楽しみにする感覚で遊んでほしいですね。また、追加ストーリーを待っていただいている間は、イベントを楽しんだり、キャラクターを育てたり、はたまた高難易度の「難しい」「チャレンジ」に挑戦していただけたら幸いです。
『魔女クレ』はライトに遊ぶこともできますが、突き詰めていけば相当濃い遊び方もできるゲームとなっています。みなさんに長く遊んでもらえるように頑張ってまいりますので、リリース後にぜひ触ってみてください。
PM:リリース時には実装されませんが、現在リアルタイムマルチプレイの導入も進めています。みんなで戦略的にバトルを展開させるのは、本当に盛り上がります。熱い合体やワクワクするストーリーなど、たくさんのエンターテイメントが詰まったポテンシャルの高い作品になっています。チーム内でも多角的な展開を構想しているため、今後の『魔女クレ』にぜひ、ご期待ください。
――:本日はありがとうございました。
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③ 「アイテム獲得コード」をゲーム内で入力することで、ゲーム内アイテムを受け取れる。
※ゲーム画面のキャプチャは開発中のものです
© 2014 COLOPL, Inc.
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668