ブロッコリー株が荒い値動き…『うた☆プリアイランド』の開発会社変更や「売上高影響は1億円」に思惑

7月3日の東京株式市場でブロッコリー<2706>株が荒い値動きとなっている。朝方は前日の下げの流れを受けて売り先行で始まったが、昼ごろ、配信を中断しているスマートフォンゲーム『うた☆プリアイランド』の開発会社を変更することを発表すると一転、買いの勢いが強まった。さらに他のゲーム株にも波紋が広がっている。

6月26日よりサービス提供を開始した女性向けの人気コンテンツ「うたの☆プリンスさまっ♪」のスマートフォン向けゲームアプリ『うた☆プリアイランド』(iOS版)は、株式市場の収益貢献期待が強く、売上ランキングでも上位に入るなど好調なスタートを見せたていた。ただ、サービス開始以来、接続障害がたびたび発生しており、7月1日20時よりサービス提供を一時中断していた。同社では、サービス再開は10月を予定 しているという。

『うた☆プリアイランド』の配信中断を受けて、前日は売り注文が殺到し、取引制限値幅の下限(ストップ安)まで売り込まれた。株式市場の収益貢献期待が高いタイトルだったため、配信中断で失望売りが出た。だが、きょうの昼ごろ、『うた☆プリアイランド』について、すでに開発会社の変更を行い、「抜本的な修正」に向けて再出発したと発表すると、急速に下げ幅を縮め、前日比で小幅高に転じる場面もあった。

開発会社の変更で、「サービス再開後、再び同様の障害が発生するリスクが減った」「サービス再開に向けて作業が前進している」などの期待感が浮上し、買いにつながった見方もある。開発会社の社名については明らかにされていない。

一方、リリースで「本件に関する売上高への影響は1億円の減少を想定している」と公開。この数値から推測する本作のKPI(業績評価指標)が、予想よりも大きいとの見方も出ていた。

またブロッコリーの発表後、無関係のはずの中小型のゲーム株で急伸する動きが相次いだ。たとえば日本一ソフトウェア<3851>は午前中、安く推移していたが、午後に入ると急伸し、一時はストップ高である793円まで上昇。クルーズ<2138>やKLab<3656>、ミクシィ<2121>なども、買いの勢いが強まった。

「ブロッコリー株をいったん売り抜けた投資家の資金が流入する」などの思惑のほか、『うた☆プリアイランド』の新たな開発会社に選ばれるのでは、という思惑もあったようだ。特に日本一はPSP版『うたの☆プリンスさまっ♪』の開発会社だったこともあり、市場の注目が集まったもよう。もっとも、変更後の開発会社が上場企業であるとは限らないうえ、企業間でも様々な関係性があるため、「次はどこ」というのは定めづらい。株式市場らしい思惑先行の売買と言えよう。


なお、ブロッコリーの今期業績への影響は「現在精査中だが、7月10日発表予定の第1四半期決算短信で開示する」としている。

 
株式会社ブロッコリー
http://www.broccoli.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ブロッコリー
設立
1994年3月
代表者
代表取締役社長 鈴木 恵喜
決算期
2月
直近業績
売上高65億6300万円、営業利益2億8300万円、経常利益3億1200万円、最終利益1億6800万円(2022年2月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
2706
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