東映アニメ、第1四半期の営業利益は4割減…好調だった前年の反動、「ワンピース」の版権や「聖闘士星矢」のソーシャルゲームが軟調

東映アニメーション<4816>は7月28日、2015年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比14%減の68億円、営業利益は41%減の9.48億円、経常利益は40%減の10.79億円、純利益は39%減の7.09億円と、大幅な減収減益だった。好調な前年同期からの反動が出た。

映像製作・販売事業では、前年にヒットした映画「ドラゴンボールZ 神と神」や好調だったワンピース関連の反動減が出た。版権事業でも「ワンピース」が軟調で、「聖闘士星矢」のソーシャルゲームも軟調に推移した。




以下、事業部門別の概要となる。

■映像製作・販売事業:売上高は33億円(前年同期比4%減)、セグメント利益は4.8億円(同43%減)と減収減益だった。

・劇場アニメ部門では3月に「映画プリキュアオールスターズNewStage3」、6月に映画「聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY」を公開したが、前年同期にあった「ドラゴンボールZ 神と神」のヒットに相当するものが無く、大幅な減収となった。

・テレビアニメ部門は、「ワンピース」、「ハピネスチャージプリキュア!」、「暴れん坊力士!!松太郎」、「ドラゴンボール改」、「マジンボーン」、「金田一少年の事件簿R」、「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」の7作品を放映。新作の放映本数が増えたことから、大幅な増収となった。

・パッケージソフト部門では、前年同期にあった映画「ワンピースフィルム Z」や「ドラゴンボール」シリーズのブルーレイ・DVDに相当するものが無く、大幅な減収となった。

・海外部門では、複数作品の中国向けの大口映像配信権の販売や、北米やアジア向けの「ワンピース」や「ドラゴンボール」シリーズの放映権・ビデオ化権の販売が好調に稼動し、大幅な増収となった。

・その他部門では、新たにブラウザゲーム『聖闘士星矢 ビッグバンコスモ』、『ロボットガールズZ ONLINE』を展開したものの、ソーシャルゲーム『聖闘士星矢 ギャラクシーカードバトル』などが前年同期に比べ軟調に推移したことから、全体で減収となった。


■版権事業:売上高は21億円(前年同期比20%減)、セグメント利益は8.9億円(同14%減)と減収減益となった。国内部門では「ワンピース」が軟調な展開となった。海外部門もアジア向けの「ワンピース」や欧州向けの「ドラゴンボール」シリーズの商品化が堅調に推移したが、全体としては減収だった。

■商品販売事業:売上高は11億円(前年同期比22%減)、セグメント利益は700万円(同65%増)。前年同期に好調だった「ドラゴンボールZ 神と神」関連商品の反動減が響いた。

■その他事業:売上高は2.25億円(前年同期比37%減)、セグメント利益は3200万円(同57%減)だった。前年同期にあった大阪での「ワンピース展」に相当する催事がなく、反動で大幅な減収減益となった。


なお、2015年3月期の通期業績予想は据え置いた。

東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高671億1700万円、営業利益177億7200万円、経常利益203億円、最終利益145億9300万円(2024年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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