
昨年(夏開催)は3日間で総参加者数が59万人にも及ぶなど、年々コミケに思いを馳せる消費者たちも増加の一途を辿り、いまや夏の風物詩のひとつとも呼べるビッグイベントである。
ゲーム業界に身を置く方たちは、コミケを通して“その年の流行コンテンツ”の知見を深めることもあるだろう。人気IPのゲーム化はもとより、ゲーム発のタイトルを成長させるなど、今年も一大イベントに多数のゲーム会社が出展している。「Social Game Info」では、一部ゲーム会社(またはゲームタイトルを扱う企業)のブースを取材してきた。
■DeNA:「美少女Mobage」展開、新作アプリ『ハッカドール』も訴求


「美少女Mobage」は、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(提供:バンダイナムコゲームス)を筆頭に、『To LOVEる-とらぶる- ダークネス -Idol Revolution-』(提供:gloops)や『とある魔術の禁書目録 頂点決戦』(提供:HEROZ)など、20タイトル以上の魅力的なヒロインが彩るゲームのことを指す。同ブースでは、該当タイトルの限定カードやポスターが配布された。
また、本日(8月15日)リリースされた新作ニュースアプリ『ハッカドール』(関連記事)についてもアニメーションを流すなど、大々的なプロモーション活動を行っていた。本アプリは、アニメ・マンガ・ゲームなどのジャンルに特化した情報を、利用者の好みを学習しながら最適なニュースとして提供するため、コミケ来場者に訴求する形となったことだろう。
⇒「美少女Mobage」
■マーベラス:自社の人気ADVゲーム『幕末Rock』を展開

また、同社の美少女IP系ソーシャルゲームの『一騎当千 バーストファイト』、『ハイスクールD×D』などは、「美少女Mobage」枠として出展。そのため、今回のブース展開では、女性に向けた販促形式となった。
■セガ:新旧タイトルが出揃う

さらに歴代セガハードグッズとして、ドリームキャストのTシャツも販売。新旧タイトルが入り混じるラインナップで、老舗ゲームメーカーらしい老若男女の幅広い層に向けたブース展開となった。
■ブロッコリー:『うたプリ』不在で『Z/X』に注力


また、赤丸急上昇中の自社トレーディングカードゲーム『Z/X』もグッズ出展。キャラクターシーツのみではあるが、新規コンテンツのため、やや大きめのPOPが目立っていた。ちなみにブースでは、10,000円購入する毎に缶バッジ(サイズ:直径40mm)全7種(内当たり1種)より1つをランダムでプレゼント。
⇒ブロッコリー出展情報
■Cygames:制作陣描き下ろしの豪華スタッフブック


ブースのテレビ画面では、2014年10月から放送開始となる『神撃のバハムート』のTVアニメ「神撃のバハムート GENESIS」も流れており、来場者の注目を集めた。「神撃のバハムート GENESIS」は、ゲームで描かれる世界ミスタルシアにおいて繰り広げられる、完全オリジナルストーリーとなっているという。
そのほか、2015年にTVアニメ化する『アイドルマスター シンデレラガールズ』も言わずもがな多くの人がグッズに殺到していた。
⇒Cygames出展情報
■ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン:「ユニティちゃん」フィーバー!


さて、前回に引き続き「ユニティちゃん」をメインにした出展となり、ユニティちゃん初の楽曲CDや3Dモデル用のダンスモーション、前回大好評だったアートログの続編にあたり新作の描き下ろしマンガ付きの設定資料集「UNITY-CHAN! OFFICIAL ART LOG 2」などが目玉となっている。
また、購入者特典として特製のショッパーや、最近話題のヘッドマウントディスプレイが容易に体験できる「ハコスコ」とユニティちゃんがコラボした「ユニティちゃんハコスコ」の配布も予定。
個人でもゲーム開発環境を容易に整えるようになった昨今、市場ではゲームエンジン「Unit」が大きな注目を集めているが、一般層の知名度は低いもの。そんな新規層開拓のために、マスコットキャラクター「ユニティちゃん」が大活躍。新たな経路から自社サービスを訴求した、数少ない成功例になりつつある。
⇒「ユニティちゃん」出展情報
■スパイク・チュンソフト:女性を中心に『ダンガンロンパ』が人気

ゲーム発からマンガやアニメ、舞台など、クロスメディア展開でさらなる人気を集めている『ダンガンロンパ』シリーズ。ブースでは、女性を中心に賑わいを見せていた。
■コーエーテクモゲームス:運営移管した『ときめきレストラン』グッズも販売

また、KONAMIより運営をコーエーテクモゲームスに移管した恋愛レストランゲーム『ときめきレストラン☆☆☆』のグッズも販売。会場購入特典では、『エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~』のコミケ限定オープニング絵コンテブックレットがプレゼント。
⇒「ガスト&ネオロマンス」出展情報
■タカラトミー:早々に完売…続く「WIXOSS -ウィクロス-」旋風


該当商品は、限定プロテクトや紙製ストレージ、さらに1期放送終了記念の制作スタッフ複製色紙入りセットであることに加え、購入特典として 限定紙袋と8月発売スプレッドセレクター購入キャンペーンでもらえるルリグ ”ウムル” のレベル0プロモが先行配布された(コミケ限定仕様)。なお、当日はひとり2個限定という制限があったものの、早々に完売した(写真右)。
⇒「WIXOSS」出展情報
■日本ファルコム:マスコットキャラクター・みっしぃが目印

なかでも『英雄伝説 閃の軌跡II』のトールズ士官学院の紋章が刺繍されたポロシャツなど、Tシャツ系が人気となったようだ。また、3Dうちわを各日数量限定で無料配布。
⇒日本ファルコム出展情報
■日本一ソフトウェア:『ディスガイア』の人気商品も再販

なお、ブースで商品を5,000円以上購入した方に、非売品『神様と運命覚醒のクロステーゼ』いとうのいぢさん複製サイン色紙を2種類からランダムで1枚プレゼントされる。
⇒日本一ソフトウェア出展情報
■5pb.:アイドルカレッジのメンバーも登校

なお、対象商品を購入した方に、アイドルカレッジメンバーから商品が渡される「お渡し会」も開催された。残念ながら1日のみの限定イベントだったようだ。
⇒5pb.出展情報
■KADOKAWA:新規コンテンツ『城姫クエスト』が、いよいよ開城
KADOKAWA<9477>は、角川ゲームスとDMM.comが運営するPCブラウザゲーム『艦隊これくしょん』のグッズ販売をはじめ、グループ会社(アスキー・メディアワークス、エンターブレイン、角川書店、富士見書房、メディアファクトリー、キャラアニ)が保有する各種コンテンツを展開。

アスキー・メディアワークスとしては、本日(8月15日)よりGREEで提供開始した『城姫クエスト』のグッズも早速販売した。まだ1商品(熊本城 B2タペストリー 開城 Ver.)のみとなるが、今後の盛り上がりによりグッズ販売も加速化しそうだ。

▲りんかい線「国際展示場駅」には『城姫クエスト』の広告が掲示。
「戦が始まる」は、まるでコミケ来場者に対するメッセージのようだ。
■二次元コスパ:こちらも『艦これ』一色

Tシャツをはじめ、ネクタイやストラップ、卓上時計、メガネケースなど、身なりを“『艦これ』一色”にできるほどのバラエティに富んだグッズが出揃った。
⇒二次元コスパ出展情報
まだ1日目ではあるが、今年のコミケをひと周りした雑感としては、『艦隊これくしょん』の人気が最も目立っていた。また、今回の「コミックマーケット86」から新たに『艦隊これくしょん』がジャンルコードに加わり、ユーザー間では“ひとつのジャンル”として認知されるまでのコンテンツに成長したようだ。企業の努力なくして自社のコンテンツを盛り上げることはできないが、ときとしてユーザー間の制作物が二次・三次と展開してブームに火がつくこともあるだろう。