【Google Play売上ランキング】月次推移で2014年を振り返る 『モンスト』『スクフェス』『ログレス』が飛躍 トップ50は海外勢の比率も増加

2014年の国内Google Play売上ランキングは、2013年から続いていたガンホーの『パズル&ドラゴンズ』のトップの座を、ミクシィの『モンスターストライク』が8月に奪取し、その後はトップを守り続けるという構図になっている。App Storeランキングとはその様相が異なるが、これは両ランキングの集計方法の違いが影響しているものとの思われる。それだけ、両タイトルは激しい競り合いを繰り広げているという証左でもあるのだろう。

なお、今回は2014年の国内Google Play市場の様子を、月次推移によって振り返ってみたいと思うが、App Store市場と同様に月初(各月1日)ベースの売上ランキングを採用しているため、12月にリリースされたタイトルはデータに反映されていない。あくまで市場のトレンドをとらえるための参考データということでご了承願いたい。
 

■大手ゲームメーカーがトップ20中、7タイトル占める月も


さて、まずはトップ20にタイトルが何本あったかを集計したものが下のグラフだ。App Storeと比べて、プラットフォーム企業の勢力が弱く、大手ゲームメーカーと国内SAPの勢力が強い状況だ。特に大手ゲームメーカーは、6月、8月、9月といずれも7タイトルがランクインしている。

また、海外勢が11月に3タイトルをランクインさせるなど、こちらもApp Storeよりも強さを見せている。
 

■LINEの上位タイトルが年後半にかけて増加


続いて、各社のタイトルのトップ50へのランクイン状況を色分けした図を見てみよう。まずは、ガンホー、コロプラ、LINEの3社だが、年後半にかけてLINEのタイトルがやや上位に多くなってきた印象だ。『LINEポコパン』→『LINEポコポコ』、『LINE POP』→『LINE POP2』というシフトが功を奏している部分もあるのだろう。

一方、コロプラは本数こそ変化はないものの、やや順位がトーンダウンしてきた感がある。ただ、そうした中でけん引役となるトップタイトルが『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』から『白猫プロジェクト』へうまくバトンタッチされつつあることも見て取れる。
 


■バンダイナムコは7月に9本がランクイン


次に家庭用ゲーム大手(バンダイナムコ、セガ、スクウェア・エニックス、コナミ)のデータに目を移してみたい。バンダイナムコは、7月に9本をランクインさせるなど、Google Playランキングでも年間を通して多くのタイトルが活躍している。ただ、4月以降、トップ10にタイトルを送り込めていないのはちょっと気掛かりなところではある。

また、セガは『チェインクロニクル』と『ぷよぷよ!!クエスト』の2本柱を軸に月平均3本強がランクイン。スクウェア・エニックスも『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』に加え、『スクールガールストライカーズ』が上位に定着しつつあるほか、『乖離性ミリオンアーサー』も上位進出の気配を見せている。

3社と比べると、コナミはやや立ち遅れた印象か。サクセス機能を搭載した『実況パワフルプロ野球』など新作タイトルの動向に今後は注目しておきたい。
 
 

■『モンスト』『スクフェス』『ログレス』の飛躍が鮮明に


Google Playランキングでは、プラットフォーム企業の印象が弱いため、少し趣向を変えて、次は前述の7社と海外勢以外でトップ10圏内にタイトルを送り込んだSAPその他(プラットフォーム企業も含む)と、海外勢の動向をまとめてみた。

トップ10の図の方は、2014年に飛躍してトップ10入りを果たしたタイトルというのがはっきりと分かる。黄緑色がミクシィの『モンスターストライク』で、4月から2位で足場を固め、8月にトップに立った形となっている。

続いて、赤い色がKLabの『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』だ。同タイトルは年前半の20位前後から年後半のトップ10圏内へ右肩上がりのトレンドを描いている。さらに鋭角な上昇軌道を描いたのが、黄色で示したマーベラスの『剣と魔法のログレス いにしえの女神』と言えるだろう。年後半は完全にトップ10圏内に定着している。

それらと比べると、紫色のDeNAの『ファイナルファンタジー レコードキーパー』は、10月の登場、11月のトップ10入りというスタートは良かったが12月にややトーンダウンしている印象だ。今後、上位に定着できるのかどうか2015年もその推移を見守りたいところだろう。

海外勢については、App Storeと比べて、強い印象だがそうした中でもKingが右肩下がりの兆候となっているのが目立つ。Supercellの『Clash of Clans』が安定して上位をキープしているのと非常に対照的な姿だ。
 
 

■海外勢の比率が上昇、国内SAP勢は年末にかけて盛り返す


最後に上位50タイトルの内訳をまとめたのが下のグラフになる。まずは年後半にかけて海外勢の比率が高まったのが印象的だ。ちなみに9月と10月はトップ50中、7タイトルが海外勢ということになる。

さらに年央に一度大きくシェアを減らした国内のその他SAPが年末にかえて復調してきていることも興味深い。しかも中身を見てみると、12月は2タイトルをランクインさせたSAPはなく、15社が1タイトルずつランクインさせた格好だ。『消滅都市』をランクインさせたWright Flyer Studiosなど顔触れに変化も出てきており、2015年にこれらの企業がさらなる活躍をできるのかは引き続き注目しておきたい。

気掛かりはコロプラとLINEのランクインタイトル数の減少だろうか。12月の数字は一時的なものなのか、2015年も同様の傾向が続くのか、注視しておく必要があるだろう。