エイチーム<3662>は、3月13日、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した2015年7月期第2四半期(8~1月)の決算は、売上高が68億5700万円(前年同期比18.4%増)、営業利益10億2400万円(同2.1倍)、経常利益10億6000万円(同2.1倍)、四半期純利益6億8200万円(同2.5倍)と増収増益かつ、前年同期比2倍超の大幅増益を達成した。また、第2四半期会計期間(11~1月)で見ても、前年同期比でもQonQ(前四半期比)でも増収増益を達成。売上高は四半期ベースで過去最高を更新した。
決算説明会では、林高生代表取締役社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。質疑応答では、業績のけん引役となりつつある『ユニゾンリーグ』のことを中心に多くの質問が行われ、エンターテインメント事業の内容については、取締役エンターテインメント事業本部長の中内之公氏が回答し、それ以外の質問については林社長が回答した。そうした内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
まずは、第2四半期の業績について、見ていきたい。第2四半期会計期間は、売上高が36億5600万円(前年同期比18.5%増、前四半期比14.2%増)と前述の通り、過去最高の売上高を達成した。また、これをエンターテインメント事業と、ライフスタイルサポート事業に分けてもエンターテインメント事業が売上高18億4700万円(同12.0%増、同19.1%増)、ライフスタイルサポート事業は売上高18億800万円(同26.0%増、同9.6%増)といずれも過去最高の四半期売上高を達成したという。また、営業利益は5億3400万円(同44.6%増、同9.0%増)、経常利益5億6500万円(同48.8%増、同14.1%増)、四半期純利益3億5300万円(同68.5%増、同7.7%増)といずれも前年同期比でもQonQでも増益となっている。
下のグラフは四半期ごとの売上高と営業利益の推移になる。過去2期を見ると四半期ごとの推移で売上高の山が第3四半期にくる傾向があるが、これは「第3四半期が引っ越しの繁忙期のため」(林社長)だという。今期もライフスタイルサポート事業の「引越し侍」が第3四半期に引越し需要を享受することが予想され、第3四半期は売上高が大きく伸びることになりそうだ。
続いて下のグラフは、セグメント別の広告宣伝費の推移だ。増加要因はその下の費用解説にも載っている通り、エンターテインメント事業は『ユニゾンリーグ』のプロモーションが開始されたことによるもの、ライフスタイルサポート事業は「すぐ婚navi」のTVCM放映によるものになる。なお、第3四半期については、エンターテインメント事業の広告費が大きく膨らむ見通しだという。これは「『ユニゾンリーグ』について第3四半期に大型プロモーションをかける。主にTVCMで、有名タレント使わずに放送回数を多めに展開する」(林社長)ということだ。
セグメント別の人員数は、第2四半期は第1四半期から大きな変動はない状況だ。エンターテインメント事業もライブラリの活用などで、現状は人員を増やさずに開発・運用が行えているという。
続いて、エンターテインメント事業の詳細を見てみたい。下のグラフはエンターテインメント事業の四半期売上とセグメント利益の推移になるが、新作『ユニゾンリーグ』の好スタートに加え、既存タイトルである『ダークサマナー』『ダービーインパクト』『レギオンウォー』も引き続き収益貢献している。貢献度が最も大きいのは『ユニゾンリーグ』で、1月は自社タイトルのうちトップの売上を計上したという。ちなみに2月は1月と比べ日数は少なくなるが「なだらかな増加」(中内取締役、右写真)とのことだ。ほか、『ダービーインパクト』も海外展開がこのところ話題(関連記事)となっているが、国内のみで過去最高の月次売上高を達成するなど貢献度が高いようだ。
次にエンターテインメント事業の海外売上の状況だが、下のグラフを見ると、海外売上高は前年同期比でもQonQでも増加している。ただし、売上高全体に占める海外売上高の比率は第1四半期の25.6%から23.4%に低下した。これは、『ユニゾンリーグ』が国内売上高に大きく寄与しているため、結果的にそうした形になったようだ。
なお、エンターテインメント事業の第3四半期のトピックとしては、前述の『ユニゾンリーグ』の大型プロモーションに加え、先日に事前登録を開始した『三国大戦スマッシュ!』(関連記事)ということになる。『三国大戦スマッシュ!』は当初はNHNエンターテインメントとのLINE向けタイトルとして開発が進められていたとのことだが、両社で協議した結果、エイチーム単独のネイティブタイトルとしてリリースすることになったとのことだ。
一方、ライフスタイルサポート事業の四半期売上とセグメント利益の推移が以下のグラフとなる。こちらは全体売上高以上に売上高の山が第3四半期にくる傾向にあるが、これは前述の通り、引越しの最盛期である2~4月を第3四半期に含むためだ。そのため、今期も「第3四半期は過去最高の売上高を出せるのでは」(林社長)とのこと。また、新規サービスのキャッシングの比較サイト「ナビナビキャッシング」も「そろそろ黒転となりそう」(林社長)としていた。
ちなみに質疑応答では、今後のエンターテインメント事業とライフスタイルサポート事業の売り上げのバランスについても質問が出ていた。現状はほぼ同程度の売上高比率となっているが、今後は「6対4でエンタメの比率が増えるのでは」(林社長)としている。
2015年7月期の業績予想については、従来予想から変更なく、売上高150億円(前期比24.6%増)、営業利益17億円(同17.0%増)、経常利益17億円(同15.6%増)、当期純利益10億8000万円(同33.7%増)を見込んでいる。第2四半期までの累計業績では、利益が大幅に予想を上ブレしているが、『ユニゾンリーグ』で数億円規模の広告投資を織り込んで予想を据え置いたとしている。また、『三国大戦スマッシュ!』など第3四半期以降にリリースされる新規タイトルや、予定されている『ユニゾンリーグ』の海外展開などについては、売上予想を保守的に織り込む一方、費用は予想に反映しているという。
また、配当については、以下の表の通り。中間配当を1株当たり10円で決定。業績を勘案しつつ、20%前後の配当性向を継続していく方針だ。さらに、新たに株主優待制度を導入し、1単元以上保有の株主に対し、同社の自転車通販サイト「cyma-サイマ-」で使える買い物券(3000円相当×3枚、1商品当たりで1枚使用可能)を贈呈するという。
なお、NHNエンターテインメントとのLINE向けタイトルについての質問も質疑応答では行われたが、「『ユニゾンリーグ』が通常50位くらい、イベントなどで20位くらいの順位にくらいの実力が付いてきた」(中内取締役)とし、「売上トップ10に入るようなタイトルを出したい」(林社長)とのことだが、具体的な形が見えるにはまだ時間がかかるようだ。
決算説明会では、林高生代表取締役社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。質疑応答では、業績のけん引役となりつつある『ユニゾンリーグ』のことを中心に多くの質問が行われ、エンターテインメント事業の内容については、取締役エンターテインメント事業本部長の中内之公氏が回答し、それ以外の質問については林社長が回答した。そうした内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
■エンターテインメント事業、ライフスタイルサポート事業とも過去最高売上高を達成
まずは、第2四半期の業績について、見ていきたい。第2四半期会計期間は、売上高が36億5600万円(前年同期比18.5%増、前四半期比14.2%増)と前述の通り、過去最高の売上高を達成した。また、これをエンターテインメント事業と、ライフスタイルサポート事業に分けてもエンターテインメント事業が売上高18億4700万円(同12.0%増、同19.1%増)、ライフスタイルサポート事業は売上高18億800万円(同26.0%増、同9.6%増)といずれも過去最高の四半期売上高を達成したという。また、営業利益は5億3400万円(同44.6%増、同9.0%増)、経常利益5億6500万円(同48.8%増、同14.1%増)、四半期純利益3億5300万円(同68.5%増、同7.7%増)といずれも前年同期比でもQonQでも増益となっている。
下のグラフは四半期ごとの売上高と営業利益の推移になる。過去2期を見ると四半期ごとの推移で売上高の山が第3四半期にくる傾向があるが、これは「第3四半期が引っ越しの繁忙期のため」(林社長)だという。今期もライフスタイルサポート事業の「引越し侍」が第3四半期に引越し需要を享受することが予想され、第3四半期は売上高が大きく伸びることになりそうだ。
続いて下のグラフは、セグメント別の広告宣伝費の推移だ。増加要因はその下の費用解説にも載っている通り、エンターテインメント事業は『ユニゾンリーグ』のプロモーションが開始されたことによるもの、ライフスタイルサポート事業は「すぐ婚navi」のTVCM放映によるものになる。なお、第3四半期については、エンターテインメント事業の広告費が大きく膨らむ見通しだという。これは「『ユニゾンリーグ』について第3四半期に大型プロモーションをかける。主にTVCMで、有名タレント使わずに放送回数を多めに展開する」(林社長)ということだ。
セグメント別の人員数は、第2四半期は第1四半期から大きな変動はない状況だ。エンターテインメント事業もライブラリの活用などで、現状は人員を増やさずに開発・運用が行えているという。
■『ユニゾンリーグ』は1月は自社タイトルトップの売上を計上
続いて、エンターテインメント事業の詳細を見てみたい。下のグラフはエンターテインメント事業の四半期売上とセグメント利益の推移になるが、新作『ユニゾンリーグ』の好スタートに加え、既存タイトルである『ダークサマナー』『ダービーインパクト』『レギオンウォー』も引き続き収益貢献している。貢献度が最も大きいのは『ユニゾンリーグ』で、1月は自社タイトルのうちトップの売上を計上したという。ちなみに2月は1月と比べ日数は少なくなるが「なだらかな増加」(中内取締役、右写真)とのことだ。ほか、『ダービーインパクト』も海外展開がこのところ話題(関連記事)となっているが、国内のみで過去最高の月次売上高を達成するなど貢献度が高いようだ。
次にエンターテインメント事業の海外売上の状況だが、下のグラフを見ると、海外売上高は前年同期比でもQonQでも増加している。ただし、売上高全体に占める海外売上高の比率は第1四半期の25.6%から23.4%に低下した。これは、『ユニゾンリーグ』が国内売上高に大きく寄与しているため、結果的にそうした形になったようだ。
なお、エンターテインメント事業の第3四半期のトピックとしては、前述の『ユニゾンリーグ』の大型プロモーションに加え、先日に事前登録を開始した『三国大戦スマッシュ!』(関連記事)ということになる。『三国大戦スマッシュ!』は当初はNHNエンターテインメントとのLINE向けタイトルとして開発が進められていたとのことだが、両社で協議した結果、エイチーム単独のネイティブタイトルとしてリリースすることになったとのことだ。
■「ナビナビキャッシング」もそろそろ黒転に
一方、ライフスタイルサポート事業の四半期売上とセグメント利益の推移が以下のグラフとなる。こちらは全体売上高以上に売上高の山が第3四半期にくる傾向にあるが、これは前述の通り、引越しの最盛期である2~4月を第3四半期に含むためだ。そのため、今期も「第3四半期は過去最高の売上高を出せるのでは」(林社長)とのこと。また、新規サービスのキャッシングの比較サイト「ナビナビキャッシング」も「そろそろ黒転となりそう」(林社長)としていた。
ちなみに質疑応答では、今後のエンターテインメント事業とライフスタイルサポート事業の売り上げのバランスについても質問が出ていた。現状はほぼ同程度の売上高比率となっているが、今後は「6対4でエンタメの比率が増えるのでは」(林社長)としている。
■『ユニゾンリーグ』海外展開や新規タイトルは保守的に織り込む
2015年7月期の業績予想については、従来予想から変更なく、売上高150億円(前期比24.6%増)、営業利益17億円(同17.0%増)、経常利益17億円(同15.6%増)、当期純利益10億8000万円(同33.7%増)を見込んでいる。第2四半期までの累計業績では、利益が大幅に予想を上ブレしているが、『ユニゾンリーグ』で数億円規模の広告投資を織り込んで予想を据え置いたとしている。また、『三国大戦スマッシュ!』など第3四半期以降にリリースされる新規タイトルや、予定されている『ユニゾンリーグ』の海外展開などについては、売上予想を保守的に織り込む一方、費用は予想に反映しているという。
また、配当については、以下の表の通り。中間配当を1株当たり10円で決定。業績を勘案しつつ、20%前後の配当性向を継続していく方針だ。さらに、新たに株主優待制度を導入し、1単元以上保有の株主に対し、同社の自転車通販サイト「cyma-サイマ-」で使える買い物券(3000円相当×3枚、1商品当たりで1枚使用可能)を贈呈するという。
なお、NHNエンターテインメントとのLINE向けタイトルについての質問も質疑応答では行われたが、「『ユニゾンリーグ』が通常50位くらい、イベントなどで20位くらいの順位にくらいの実力が付いてきた」(中内取締役)とし、「売上トップ10に入るようなタイトルを出したい」(林社長)とのことだが、具体的な形が見えるにはまだ時間がかかるようだ。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662