【速報】任天堂とDeNAが共同記者発表会を開催…スマホアプリを共同展開、複数タイトルのヒット目指す 「新しいビジネスのやり方にもトライしたい」
任天堂<7974>とディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、この日(3月17日)、業務・資本提携共同記者会見を東京都内で開催し、任天堂の岩田聡社長と、DeNAの守安功社長が出席した。
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今回発表された提携では、両社は、任天堂のIPを活用したスマートデバイス向けのゲームを共同開発し、グローバル向けに配信するほか、PC・スマートフォン・タブレットなど多様なデバイスに対応した新しい会員制サービスの共同開発を行うとのことだった。
注目されるゲームアプリの共同開発については、ケースバイケースではあるものの、任天堂がIPとアプリを開発し、DeNAがサーバー開発や行動分析、運営業務を担うことになるのでは、とのことだった。お互いが得意とする分野を担当することになるようだ。
ゲームアプリ化するIPに絞らないものの、タイトルは厳選するという。またゲーム専用機向けをそのまま移植するのではなく、スマートデバイス向けとして新しく作る考え。「最高のプレイ体験を提供できないのであれば、IPの価値が毀損するので出さない」(岩田氏)。
また、ビジネスモデルに関して、両者の合意が前提だが、ガチャの導入には否定的な見方を示した。「アイテム課金は否定しないが、ビジネスとして行き過ぎている部分がある」(岩田氏)という。岩田氏は「スマートデバイス向けのゲームを受け入れられてもらうために、これまでのやり方とは違うビジネスのやり方をトライしてみたい。もし新しいビジネスモデルの発明ができたら最高だ」と意欲を見せた。
提供するアプリについては発表されなかったが、年内に何らかの告知を行うことができる見通し。日本を含むグローバル向けとして配信するが、提供開始する地域などについてはまだ開示できる段階にないとのこと。スマートフォンアプリで成功している会社は単独のタイトルで稼いでいる会社が多いが、複数のヒットタイトルの創出を目指す。
同時に、資本提携も行う。任天堂がDeNAの保有する自己株式1508万株(発行済株式の10%)・総額220億円を取得し、DeNAが任天堂の保有する自己株式175万9400株(発行済株式の1.24%)・総額220億円を取得する。「お互いにノウハウを提供するため、長期的に強固な信頼関係を構築する必要がある」(守安氏)ためだ。お互いの経営にも興味をもち、お互いの案件を優先的に処理し合う関係にするという。
任天堂は、スマートデバイス向けの提供を通じて、ゲーム専用機の顧客を増やしていくことが狙い。「スマートデバイスとゲーム専用機の間に架け橋をかけていく」(岩田氏)。任天堂では、現在、全く新しいコンセプトのゲーム専用機プラットフォームを開発コード名「NX」として開発しているそうだ。
一方、DeNAでは、任天堂の持つ企画力・開発力とIPを使ったアプリを提供することで、スマートフォンアプリのグローバル展開を強化する考え。「任天堂との提携は、DeNAのモバイルゲーム事業を成長させるうえで最良のプランであると考えている」(守安氏)。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432
会社情報
- 会社名
- 任天堂株式会社
- 設立
- 1947年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 古川 俊太郎/代表取締役 フェロー 宮本 茂
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆6718億6500万円、営業利益5289億4100万円、経常利益6804億9700万円、最終利益4906億0200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7974