トーセ、15年8月期の営業益予想を下方修正　大型案件期ずれで　為替差益で経常益は増額　第3四半期は減収・営業減益

顧客からの受注や引き合いは好調に推移し、売上高は第3四半期期間までの累計で計画を上回ったものの、ゲームソフト開発事業において顧客による仕様変更や開発プロジェクトの大型化で、開発完了時期が来期移行にずれ込んだ大型案件が発生した。その結果、通期の売上高および営業利益は当初予想を下回る見通しとなった。ただ、経常利益と当期純利益については、為替差益や投資有価証券評価益など営業外収益が増加したことが寄与し、予想を上回る見通しで、当期純利益については、持分変動利益など特別利益の計上も影響している。


 
同時に、2015年8月期の第3四半期累計（14年9～15年5月）の連結決算を発表し、売上高35億9000万円（前年同期比5.7％減）、営業利益2億6400万円（同23.5％減）、経常利益4億3300万円（同17.2％増）、四半期純利益2億7100万円（同64.1％増）となった。
 
各セグメントごとの第3四半期までの状況は以下の通り。

①ゲームソフト開発事業…売上高24億8600万円（前年同期比9.5％減）、営業利益3億4900万円（同5.2％減）
引き合い件数の増加など受注環境が良好に推移する中、顧客による開発スケジュールの変更により、開発完了時期が第1四半期から第3四半期にずれ込んだパチンコ・パチスロ案件の部分作業や、第2四半期から第3四半期にずれ込んだ据置型ゲーム機のマルチプラットフォーム向け大型案件の開発業務が発生したが、いずれも第3四半期に完了したことや、顧客による仕様追加に伴って開発売上が増加した案件が複数発生した結果、開発売上は24億2000万円となった。一方、運営売上は、第1四半期に開始したスマートフォン向けゲームの運営業務が順調に推移した結果、3000万円となった。ロイヤリティ売上は、過年度に開発完了したタイトルを中心に好調に推移した結果、3500万円となった。

②モバイル開発事業…売上高8億7100万円（同8.9％増）、営業利益1億3400万円（同16.4％増）
スマートフォン向けコンテンツの旺盛な開発需要を背景に、開発業務はおおむね計画通りに推移。当期に受注したスマートフォン向け大型案件において試作版の開発売上を計上した結果、開発売上は4億7100万円となった。運営売上は、顧客による開発スケジュールの変更により運営業務の開始時期が第1四半期から第2四半期にずれ込んだ大型案件があったことや、既存の非ゲーム系スマートフォン向け案件の運営売上が当初の想定を下回った結果、2億8800万円となった。ロイヤリティ売上は、スマートフォン向けコンテンツのロイヤリティ売上が好調に推移した結果、1億1100万円となった。

③その他事業…売上高2億3200万円（同9.9％減）、営業損益2億1900万円の赤字（前年同期1億3800万円の赤字）
パソコン向けアバター制作業務が堅調に推移したものの、その他のコンテンツ開発の受注状況が低調に推移した結果、開発売上は1億1900万円となった。運営売上は、子会社のフォネックス・コミュニケーションズが展開するスマートフォン向けコンテンツ配信サービス「テイクアウトライブ／Take Out Live」において、音楽及びエンターテイメント業界の大型コンサートなどでリピート採用及び新規採用の実績を拡大したほか、ブライダル業界など様々な業種での採用を進めることができた結果、4700万円となった。ロイヤリティ売上は、「Wii U」向け家庭用カラオケ楽曲配信事業を中心に6500万円となった。

なお、2015年3月期通期の予想は、前述の通り修正されており、売上高55億5100万円（前期比5.3％増）、営業利益4億9000万円（同25.2％増）、経常利益6億4200万円（同47.5％増）、当期純利益3億5200万円（同80.2％増）の見込み。