サンリオの新しい成長事業「ピューロランド」と「ハーモニーランド」 44億円の債務超過から急回復し過去最高益へ 債務超過解消し累損一掃も視野に

木村英彦 取締役 編集長
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サンリオ<8136>と聞くと、多くの人はハローキティをはじめとするキャラクターIPを思い浮かべるだろう。一方で、同社がテーマパーク事業を展開していることは、知られているようで意外と知られていない。

サンリオは東京都多摩市の「サンリオピューロランド」と、大分県日出町の「ハーモニーランド」を運営している。しかし、この事業は長年にわたって苦戦を続けてきた。

かつては投資家の間で「お荷物事業」と見られることもあった。特にコロナ禍では休園や入場制限の影響を受け、テーマパーク運営会社であるサンリオエンターテインメントは2022年3月期に44億円を超える債務超過に陥った(利益剰余金のマイナスも76億円に拡大)。

 

しかし、その後の回復は目覚ましい。

2023年3月期に11億6900万円、2024年3月期に16億8900万円、2025年3月期に24億5400万円の最終利益を計上。わずか3年で累計50億円を超える利益を積み上げ、2025年3月期には債務超過を解消してしまった。

これは単なるコロナ禍からの正常化だけではない。

もし入園者数がコロナ前に戻っただけなら、利益は一定水準で落ち着いても不思議ではない。しかし実際には利益が毎年拡大している。

背景にあるのは、テーマパークの魅力向上に向けた継続的な施策だ。

同社は近年、インバウンド需要を意識した言語に依存しないショーの導入を進めている。キャラクターの魅力を前面に押し出したノンバーバルな演出は、海外からの来園者でも楽しめるようになっているという。

さらに、人気アーティストとのコラボレーションや季節イベント、新アトラクションの導入なども積極的に展開。来園者数の増加に加え、グッズや飲食を含めた客単価の向上にもつなげている。

その成果は業績にも表れている。2026年3月期中間期のテーマパーク事業の営業利益は過去最高を更新した。

これはコロナ前への回帰ではなく、「コロナ前より強い事業」へと変貌したことを意味している。

興味深いのは、サンリオがテーマパークを単独の収益事業として捉えていない点だ。

現在のサンリオは、ライセンス事業や物販事業、映像、ゲーム、イベントなどを組み合わせたIP戦略を推進している。その中でテーマパークは、キャラクターとファンが直接出会う場として重要な役割を担う。

ショーやグリーティングを通じてキャラクターへの愛着を深めてもらい、グッズ購入やSNSでの発信、さらにはライセンス商品の消費へとつなげる。テーマパークは単なる遊園地ではなく、IP価値を高める拠点として機能しているのだ。

また、サンリオらしい企業文化も特徴的だ。過去には閉園後のピューロランドを貸し切り、館長を初めとする役員や社員が接客役となってアルバイトスタッフをもてなすイベントを開催したこともある(関連記事)。単なる施設運営ではなく、「みんななかよく」という企業理念を体現する場所として位置付けられていることがうかがえる。

 

ハローキティをはじめとするキャラクターの人気が世界的に高まるなか、サンリオの成長を支えているのはライセンス収入だけではない。

44億円の債務超過から過去最高益へ――。

かつては重荷と見られたテーマパーク事業は、今やサンリオのIP戦略を支える重要な資産へと生まれ変わった。テーマパークを維持し続けた長年の投資と挑戦が、ようやく大きな果実を実らせ始めている。

 

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株式会社サンリオ
https://www.sanrio.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サンリオ
設立
1960年8月
代表者
代表取締役社長 辻 朋邦
決算期
3月
直近業績
売上高1444億400万円、営業利益518億600万円、経常利益534億5300万円、最終利益417億3100万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
8136
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