【TGS2015】思わず「ふーっ!」と息を吹きかけて…時流に逆らう新世代ガジェット「ピコカセット」を体験 期待されるコレクション要素の価値


サンフランシスコに本社を置くBeatrobo(ビートロボ)は、9月17日(木)より幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催された「東京ゲームショウ2015」(以下、「TGS」)にて、シロクと共同開発中のスマートフォン向けゲームプラットフォーム「ピコカセット」を出展した。なお、上部は「ピコカセット」のティザームービーである。

「ピコカセット」とは、スマートフォン時代向けの新しいゲームプラットフォームデバイス。ゲームアプリをダウンロードするのではなく、ゲームカセットをゲーム機に差し込んで楽しんでいた時代と同様に、昔熱狂したゲームや新作ゲームの「ピコカセット」を、スマートフォンに差し込んで楽しめる。
 

この小さな「ピコカセット」は、あらかじめ専用アプリをダウンロードしたのち、「ピコカセット」をスマホのイヤホンジャックに挿すことでゲームを起動させられる。ちなみに「ピコカセット」自体にはゲームのデータは入っておらず、あくまでも起動させる鍵の役割となる。
 


▲まだまだゲームはサンプルだが、カセットを挿してゲームを遊ぶその行為は、ファミコン(ファミリーコンピュータ)世代のゲームっ子たちが経験したあの頃と違和感ない。思わず筆者もティザームービー同様に、イヤホンジャックに挿し込む際は、「ふーっ!」と息を吹きかけてしまうほど。

このプロジェクトでは、シロクで培ったスマホアプリの開発・運営ノウハウ、アプリのグロースハックノウハウを活かし、スマートフォンをゲーム機本体と見立てて使用するためのアプリを開発しており、ゲームカセットはビートロボの保有する特許技術「PlugAir」を活用してサービス設計を行っている。

オリジナリティのあるレトロガジェットとして、筆者もだいぶお気に入りなのだが、人によっては「何故いちいちカセットにしたのか?」と疑問を持つことだろう。担当者に話を聞いてみると、いわゆる“コレクション要素としての価値”を高めていきたいとのこと。
 

確かにゲームカセット(ソフト)が棚に並んでいる光景は、なかなか気持ちいいのがある。加えてファミコンのカセットはタイトルごとに色が異なり、並んでいるだけでも鮮やかだ。同様に「ピコカセット」でもコレクションしていく楽しみを、年配のゲーマーはもとより、若い女性層にも響きそうだ。

何より小さいカセット状のおかげで、友達との貸し借りも容易にできるため、ゲームを買いに行って、帰ってカセットをゲーム機に挿して、面白かったら友達に共有する……といった一連の昔のゲーム体験を忠実に再現している。ちなみにカセット状のほか、ゲームのキャラクターやTシャツ型など、様々な形状も用意しているという。

とはいえ、現状は課題もあるようだ。まずイヤホンジャックに「ピコカセット」を挿してしまうため、イヤホンでサウンドを楽しめない点。また、当然カセットのため、急に「ピコカセット」を抜いてしまうとゲームは終了してしまう。後者は個人的にそれも含めた昔のゲーム体験のため、そのままでも良いと思うが、途中セーブなどが追加することに落ち着くのだろうか。

そんな課題点の解消とさらなるクオリティアップもあり、「ピコカセット」プロジェクトは2016年春開発完了を目標に開発中だ。価格は未定で、販売方法もWEB・店頭を含め調整中とのこと。

また、現在はゲームメーカーのパートナーを募集しているようだ。時流に逆らう新世代ガジェット「ピコカセット」に注目。
 

 

「ピコカセット」プロジェクト


 
株式会社シロク
https://sirok.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社シロク
設立
2011年12月
代表者
代表取締役 飯塚 勇太
決算期
9月
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