日本エンタープライズ、16年5月期通期の業績予想を下方修正…新規コンテンツの投入が遅延 ソリューション事業の大型案件も計画下回る
日本エンタープライズ<4829>は、1月8日、2016年5月期通期の連結業績予想の下方修正を発表、売上高は従来予想の61億円から52億4000万円(増減率14.1%減)、営業利益は4億5000万円から2億1000万円(同53.3%減)、経常利益は同4億7000万円から2億3000万円(同51.1減)、当期純利益は同1億9000万円から1億4000万円(同26.3%減)にぞれぞれ修正された。
コンテンツサービス事業におけるスマートフォン向け月額課金コンテンツのプロモーション抑制の影響に加え、定額制サービスの新規コンテンツ投入が遅延。ソリューション事業における一部大型案件が計画を下回ったことや、広告ビジネス(店頭アフィリエイト)の協業先である携帯電話販売店での端末販売数減少なども影響し、売上高が当初予想を下回る見通しとなった。
こうした状況を受け、同社は同日に役員報酬の自主返上を行うことも発表。2016年1月から5月までの期間、代表取締役社長の月額報酬を10%返上するほか、常務取締役の月額報酬も5%返上する。
また、同日発表した2016年5月期の第2四半期累計(6~11月)の連結決算は、売上高25億4700万円(前年同期比1.3%増)、営業利益4300万円(同29.8%減)、経常利益5200万円(同24.9%減)、四半期純利益6900万円(同56.3%減)となった。
各セグメントごとの状況は以下の通り。
①コンテンツサービス事業…売上高11億4800万円(前年同期比11.0%減)、セグメント利益2億8200万円(同5.1%増)
北京業主行網絡科技有限公司の売却などもあり、減収となった。キャリア(移動体通信事業者)向けサービスは、「スゴ得コンテンツ」「auスマートパス」「App Pass」などの定額制サービス向けのコンテンツ売上が、キャリアの施策方針の変化に伴い、計画より下回ったものの、自社広告媒体である店頭アフィリエイトにおいて、携帯電話販売会社とのタイアップを図ることで、月額課金コンテンツの会員獲得に注力した。
一方で、「App Store」や「Google Play」などのマーケットからコンテンツを入手するネイティブアプリ(スマートフォンなどの端末上で動作するプログラムによって作られたアプリ)を同事業の次なる柱とすべく、新たなアプリの開発及び投入を行うとともに、他業種とのアライアンスの実現に向けて企図及び交渉を重ねた。
②ソリューション事業…売上高13億9900万円(同14.3%増)、セグメント利益4100万円(同59.0%減)
システムの企画、構築、運用、デバッグ、サーバ保守管理等の法人向け受託開発は、開発スピード・提供量・品質の充実化を図るとともに、スマートフォン及びタブレットを活用したニーズの拡大を背景に、技術力を向上させ、サービス領域を広げた。また、一部大型案件が計画を下回ったものの、景気回復に伴い、システム開発等の受託開発を大型化・高度化させてきたほか、地方創生ビジネスに伴う事業領域の拡大に取り組んだ。
法人向け業務支援は、リバースオークション&見積徴収システム「Profair」、スマートフォンを活用した企業の内線電話網を構築するアプリケーション「AplosOneソフトフォン」、メッセンジャーアプリ「BizTalk」などの自社サービスの提供を行うとともに、品質改善に努めた。
一方、広告代理サービス「店頭アフィリエイト」は、携帯電話販売店での端末販売数減少やキャリアオリジナルの商材(コンテンツ)との競合の影響を受け、計画より下回ったものの、既存の携帯電話販売会社との連携強化、新規の携帯電話販売会社の開拓、取り扱い店舗数の拡大を積極的に推し進めた。海外では、中国に出店した2店舗(上海)の携帯電話販売は、収益構造の改革に取り組むとともに、端末販売数の伸長に伴い増勢に推移した。
なお、2016年5月期通期の予想については、上記の通り修正されており、売上高52億4000万円(前期比2.4%増)、営業利益2億1000万円(同10.7%増)、経常利益2億3000万円(同12.4%増)、当期純利益1億4000万円(同21.2%減)の見込み。
会社情報
- 会社名
- 日本エンタープライズ株式会社
- 設立
- 1989年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 植田 勝典
- 決算期
- 5月
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4829