【新規上場企業分析】アカツキの「成長可能性に関する説明資料」をチェック 16年3月期の業績予想は上ブレに 年間2~4本の新作投入を想定

アカツキ<3932>は、3月17日に東証マザーズに新規上場し、公開価格1930円を8.0%下回る1775円で初値を付けた後、公開価格を割り込んだ水準での株価推移が続くなど、やや厳しい船出となっている。

では、実際のところ、同社の今後の成長性などはどうなのか。同社が3月17日に開示した「成長可能性に関する説明資料」を元にチェックしてみたい。
 

■16年3月期は上場発表時の業績予想から上ブレの見込みに


まずは足元の2016年3月期だが、こちらは今回の資料において売上高、経常利益とも、上場発表時の数字から若干上方修正されている。売上高は前回予想が50億3900万円だったのが今回の予想は55億8000万円、経常利益は同13億3200万円が16億2900万円となっている。利益率の上昇が目立つことから、ネット売上になっていると思われる『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』や『テイルズ オブ リンク』の売り上げが上ブレしている可能性が高そうだ。

特に『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』は、1月に1周年記念キャンペーンを実施したほか、2月には「ダブルDOKKANフェス」の実施などでApp Store売上ランキング(ゲームカテゴリー)で首位を獲得(関連記事)しており、予想を上回ったことが予想される。
 
 

■コンスタントに投入される想定の新作の発表に注目か


次に2017年3月期以降の成長戦略に目を移してみたい。こちらは成長戦略の方針として以下の5つを挙げている。

・「こだわり層」を中心に、オリジナル・IPのバランスを取り、厳選したタイトルをコンスタントに市場投入
・国内ヒットタイトルを素早くグローバルに水平展開
・ゲーム周辺事業への展開による既存事業とのシナジーを狙う
・リアルライフ領域での新規事業を中長期の第2の柱に
・次世代デバイス・新技術への取り組み

中で事業の根幹となるのは、やはり一番目だと思うのだが、ここでコンスタントに投入されるべきタイトルが現時点であまり見えてきていないことが、やや気になるところだ。

「こだわり層」向けオリジナルとIPタイトルの両方で厳選したタイトルを年間2~4本のペースで投入することを想定しているとしており、今後もっとその具体像が見えてくることが期待されるところだろう。

一方、新技術・次世代デバイスへの取り組みは、新たな要素として評価しておきたい。「VR(ヴァーチャルリアリティ)」「AR(仮想現実)」「AI(人口知能)」「IoT(Internet of things)」などを具体例として挙げているが、特に「VR」は今年をVR元年と位置付けて取り組む企業も多く、その具体的な取り組みが浮上してくることに期待したい。
 
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社アカツキ
http://aktsk.jp/

会社情報

会社名
株式会社アカツキ
設立
2010年6月
代表者
代表取締役CEO 香田 哲朗
決算期
3月
直近業績
売上高239億7200万円、営業利益26億7600万円、経常利益28億3400万円、最終利益12億8800万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3932
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