【2016年1~3月のゲーム関連株動向】全体市場低迷下で31銘柄上昇とゲーム株は健闘 VR関連でCRI・ミドルウェア急騰 アカツキやマイネットなど新顔も人気
2016年も4月に入り、早くも3ヶ月が経過した。そこで今回は、2016年最初の3ヶ月間(1~3月)におけるゲーム関連株の動きを振り返ってみたい
下の表は、現在上場しているゲーム関連株の主だったものをピックアップし、1月4日の始値から3月31日の終値までの騰落率をまとめたものだ。今回の集計期間は、全体市場が日経平均株価で年初の始値1万8818.58円から3月31日の終値1万6758.67円まで2000円超の下落を演じる厳しい市場環境となっていた。その中で、ピックアップした銘柄のうち、31銘柄が上昇するなどゲーム関連株は比較的健闘した。
今回の期間において、最大の上昇率となったのは、アカツキ<3932>だ。ただし、同社は3月17日に上場したばかりのニューフェースで、実質半月分くらいの値動きということになる。そのため、同社はあくまで参考として位置付けると、CRI・ミドルウェア<3698>が82.1%と最大の上昇を演じる形になった。年初から右肩上がりのトレンドだが、特に同社株価が大きく上昇したのは3月の半ばとなる。この時期は、世界最大のゲーム開発者向けイベント「GDC2016」に出展を行っているタイミングで、ここでVR向け高画質動画再生技術を紹介していたことなどからVR関連として人気を集める格好となったもようだ。
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続いて上昇率が大きかったのは、73.1%の上昇となったマイネット<3928>だ。同社も昨年12月に上場したばかりのニューフェースと言える銘柄だが、評価のきっかけは、2月10日に発表した2015年12月期の連結決算と、続く2016年12月期の連結業績予想ということになるだろう。特に2016年12月期に売上高、利益とも倍増を見込む意欲的な業績予想を打ち出したことが、ポジティブサプライズとして市場に受け止められた。セカンダリー市場を新たな成長の方向と位置付ける企業が徐々に増えてきているが、その先駆者的なビジネスを展開する同社の今後の成長には引き続き注目が集まりそうだ。
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一方、下落率が最も大きかったのは、30.6%の下落となった日本ファルコム<3723>だ。年初から右肩下がりのスタートとなっていたが、2月10日に発表した第1四半期(10~12月)決算が売上高で45%減、営業利益で64%減と大幅減収減益となったことを受けて、2月半ばに一段安する展開となった。現時点では通期予想を据え置いているが、2015年9月期は『イース』最新作の期ずれなどで業績予想の下方修正を実施しており、市場が今後の下方修正リスクを意識する展開となったようだ。
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ほか、下落率が大きかったのは、モブキャスト<3664>、アエリア<3758>、KLab<3656>といったところだ。モブキャストは2015年12月期の連結決算で4.4億円の営業赤字を計上したことが、KLabは2015年12月期の第4四半期期間(10~12月)で8四半期ぶりの営業赤字を計上したことが嫌気されており、業績数字の悪化がストレートに悪材料として働いた結果と言えそうだ。
なお、下の表は主なゲーム関連株を3月31日現在の時価総額で並べ、その上位20社を抽出したものになる。大きな変動が少ない中で、目新しい変化としては、3月上場のニューフェースであるアカツキ<3932>が17位に入ってきたことだろう。上場時の初値が市場の予想よりもかなり下で形成された同社だが、それはこの規模感が重しになり、市場で吸収し切れなかったということなのだろう。
下の表は、現在上場しているゲーム関連株の主だったものをピックアップし、1月4日の始値から3月31日の終値までの騰落率をまとめたものだ。今回の集計期間は、全体市場が日経平均株価で年初の始値1万8818.58円から3月31日の終値1万6758.67円まで2000円超の下落を演じる厳しい市場環境となっていた。その中で、ピックアップした銘柄のうち、31銘柄が上昇するなどゲーム関連株は比較的健闘した。
■VR関連でCRI・ミドルウェアが3月に急上昇、マイネットは高成長への期待で
今回の期間において、最大の上昇率となったのは、アカツキ<3932>だ。ただし、同社は3月17日に上場したばかりのニューフェースで、実質半月分くらいの値動きということになる。そのため、同社はあくまで参考として位置付けると、CRI・ミドルウェア<3698>が82.1%と最大の上昇を演じる形になった。年初から右肩上がりのトレンドだが、特に同社株価が大きく上昇したのは3月の半ばとなる。この時期は、世界最大のゲーム開発者向けイベント「GDC2016」に出展を行っているタイミングで、ここでVR向け高画質動画再生技術を紹介していたことなどからVR関連として人気を集める格好となったもようだ。
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続いて上昇率が大きかったのは、73.1%の上昇となったマイネット<3928>だ。同社も昨年12月に上場したばかりのニューフェースと言える銘柄だが、評価のきっかけは、2月10日に発表した2015年12月期の連結決算と、続く2016年12月期の連結業績予想ということになるだろう。特に2016年12月期に売上高、利益とも倍増を見込む意欲的な業績予想を打ち出したことが、ポジティブサプライズとして市場に受け止められた。セカンダリー市場を新たな成長の方向と位置付ける企業が徐々に増えてきているが、その先駆者的なビジネスを展開する同社の今後の成長には引き続き注目が集まりそうだ。
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■下落率上位のファルコム、モブキャスト、KLabなどは決算内容を嫌気
一方、下落率が最も大きかったのは、30.6%の下落となった日本ファルコム<3723>だ。年初から右肩下がりのスタートとなっていたが、2月10日に発表した第1四半期(10~12月)決算が売上高で45%減、営業利益で64%減と大幅減収減益となったことを受けて、2月半ばに一段安する展開となった。現時点では通期予想を据え置いているが、2015年9月期は『イース』最新作の期ずれなどで業績予想の下方修正を実施しており、市場が今後の下方修正リスクを意識する展開となったようだ。
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ほか、下落率が大きかったのは、モブキャスト<3664>、アエリア<3758>、KLab<3656>といったところだ。モブキャストは2015年12月期の連結決算で4.4億円の営業赤字を計上したことが、KLabは2015年12月期の第4四半期期間(10~12月)で8四半期ぶりの営業赤字を計上したことが嫌気されており、業績数字の悪化がストレートに悪材料として働いた結果と言えそうだ。
■3月上場のアカツキが時価総額で上位に登場
なお、下の表は主なゲーム関連株を3月31日現在の時価総額で並べ、その上位20社を抽出したものになる。大きな変動が少ない中で、目新しい変化としては、3月上場のニューフェースであるアカツキ<3932>が17位に入ってきたことだろう。上場時の初値が市場の予想よりもかなり下で形成された同社だが、それはこの規模感が重しになり、市場で吸収し切れなかったということなのだろう。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社マイネット
- 設立
- 2006年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 岩城 農
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高87億1700万円、営業利益1億6800万円、経常利益1億2500万円、最終利益1億4300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3928
会社情報
- 会社名
- 株式会社CRI・ミドルウェア
- 設立
- 2001年8月
- 代表者
- 代表取締役会長 鈴木 正彦/代表取締役社長 押見 正雄
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高28億4000万円、営業利益9700万円、経常利益1億3800万円、最終損益3億3900万円の赤字(2022年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3698