カヤック<3904>は、8月15日、東京都内で2016年12月期の第2四半期(1~6月)の決算説明会を開催した。8月12日に発表された第2四半期累計の連結決算は、売上高25億5900万円、営業利益2億3000万円、経常利益2億6100万円、四半期純利益1億4900万円となった。
説明会では、同社の代表取締役CEOの柳澤大輔氏が第2四半期決算の業績概要と、各サービスの状況についての説明を行い、その後質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
■ソーシャルゲームとLobiがQonQで伸長
まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第2四半期期間(4~6月)の売上高は14億1600万円(前四半期比23.9%増、前年同期比76.5%増)、営業利益は1億700万円(同12.8%減、同0.9%減)、経常利益1億1000万円(同27.4%減、同3.1%増)、四半期純利益5000万円(同49.3%減、同24.8%減)と増収減益で着地した。営業利益率が低下した要因は、広告宣伝費を積んだことに加え、仕掛品の影響という先行投資による部分が大きいものとなっている。
続いてサービスごとの状況に目を移すと、まずはクライアントワークは前年同期比25%の増収を達成した。一方で、前四半期比では減収となっているが、こっれは「季節要因によるもの」(柳澤CEO)ということで例年の傾向どおりと言える。
次にソーシャルゲームは、前年同期比で95%増、前四半期比で64%増と大きく伸長し、「過去最高の売上高」(同)となった。これは新たに連結子会社となったガルチの売上が、この四半期からオンしてきたことが大きいが、既存のタイトルについても前四半期比で伸びているという。
なお、好調な既存タイトルとしては『ぼくらの甲子園!ポケット』に加え、DeNA<2432>との協業タイトルである『キン肉マン マッスルショット』を挙げていた。
スマートフォンゲームに特化したコミュニティサービスであるLobiは、前年同期比で88%増、前四半期比で42%増となった。この四半期で大きく伸びたが、これはこれまでの右肩上がりの成長トレンドに加え、プレミアム会員の導入などマネタイズ施策が順調に進んでいることなどが寄与しているもよう。
最後にその他のサービスだが、ゲーム音楽交響楽団の「JAGMO」やブライダルメディアの「プラコレ Wedding」、e-sportsプラットフォームの「RANKERS」などが属している。「RANKERS」は、「少し立ち上がりが遅れている」(同)とのことだが、これは「(RANKERSは)カジュアルゲームをターゲットにしていた。ただ、カジュアルゲームを作ってる会社がそれほど多くない」(同)という状況のようだ。
さらに、直近のトピックとしては、ベトナム子会社のカヤックハノイがVR素材の制作受注を開始した。高クオリティなコンテンツを低価格で提供するサービスとなっており、今後の受注動向などが気になるところだ。
■通期予想は変更なし 下期偏重の予算に
なお、2016年12月期の連結業績予想は、売上高51億円(前期比37.6%増)、営業利益5億1500万円(同31.1%増)、経常利益5億3000万円(同33.9%増)、当期純利益3億3000万円(同26.3%増)の見込みと、従来予想を据え置いている。
通期計画に対する第2四半期までの進捗率は、売上高で50.2%、営業利益で44.8%となっているが、もともと従来より下期偏重の予算になっているとのこと。
また、新たな取り組みとして、蓄積してきたノウハウを生かしてゲームの宣伝を行うゲーセン部を発足した。これは「外資のゲームの日本進出時などに手伝うことを想定している」(同)という狙いのようだ。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社カヤック
- 設立
- 2005年1月
- 代表者
- 代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高174億6700万円、営業利益10億2100万円、経常利益10億3800万円、最終利益5億1100万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3904