【TGS2016】「総力を結集して可愛く作る」…スクエニとグリーが放つ新作VRゲーム『乖離性ミリオンアーサーVR』開発陣に訊く
9月15日から9月18日までの期間、千葉幕張メッセにて開催されている「東京ゲームショウ2016(以下 TGS2016)」。その会場内グリーブースにおいて、『乖離性ミリオンアーサーVR』の戦闘デモを体験してきた。また、同作はHTCブースにおいても体験する事が可能となっている。
GREEブースはタイトル三本立てで展開。メインコンテンツは『乖離性ミリオンアーサーVR』だが、15日に情報が解禁された『武器よさらば』、そして『アナザーエデン 時空を超える猫』の情報が、併設の「WRIGHT FLYER STUDIOS」から発信された。「武器よさらば」と言えばヘミングウェイであるが、なんかもう展示されているイラストから厭戦の空気は感じられないため、最初から切り離して考えていた方も多かろう。まるで野獣だもの。
『乖離性ミリオンアーサーVR』は、『乖離性ミリオンアーサー』のVR版となるコンテンツ。2017年の春を発売目標としており、ジャンルはVRキャラクターコマンドRPGとなっている。プレイ環境は今回の試遊と同じくHTC Viveとの事であるが、その他にも予定中だ。もちろん現在も開発中のため仕様の変更があると思われる。購入を考えている方はこまめな情報チェックを怠らないようにしよう。
■しばらく待って、ここで試遊タイム
ブース内の試遊場所は真っ黒。ゲーム同様ポップなものをイメージしていたので、少し驚いた。知人からちょぼらうにょぽみ絵がありそうと吹きこまれていたが、そんな事はなかったぜ。実際に戦う相手はインタビュー後述の彼女。戦闘前などにこちらへ近付いてくるのだが、その距離がまた近い近い。すぐ真横で煽ってくるため、場違いながら「顔小さいなあ」などと思ってしまう程だった。
試遊ブースには複数で入場し、筆者は傭兵アーサー。Viveのトリガー付きコントローラーでトリガーを引くと、手のグラフィックがニギニギされる。実際に戦闘に入ると、まず富豪アーサーから攻撃スタート。ノータイムで順調にバフをかけていく。というか、自分以外はどんどんバフデバフを実行していく。あれ……みんなVR経験済みなの? 今日2回目なの? と躊躇しながらも攻撃開始。一時瀕死になりつつも、敵を倒す事に成功した。どうも試遊は全員が傭兵で、それぞれ独立して戦闘を行っていたらしい。「爽快感を得てもらうため」との理由であった。
問題のグラフィックはかなり美しく、派手な攻撃エフェクトや近付いてくる「彼女」の存在感もかなりのもの。やはりVRとは言えども、薄着の女の子が間近に迫ってくるのは緊張する。不審者ゆえ通報されるのではないかとドキドキだ。万世橋署が怖い。
兎にも角にも、演出のカッコよさは流石の一言。キャラクターの可愛さは言わずもがなだ。TGS2016のVR試遊はどこも行列を作っており、『乖離性ミリオンアーサーVR』も当然長蛇の列。ホール9のHTCブースでも遊べるため、プレイするために状況に応じて選択して欲しい。整理券の「キャンセル待ち」対応がされている可能性もあるので、気軽にスタッフへ声をかけてみよう。
【先日公開されたプロモーションビデオ】
■スクエニの加島直弥プロデューサー、グリーの桑谷貴志マネージャーに伺う今の事
――:デモはTGS2016用なんですか?
加島氏(写真右):7月に出した体験版とは違い、来年春に発売される製品版に向けて一から作り直しています。元々あるものも利用しているんですが、3Dモデルなどは作り直して、非常に高品質なものに仕上げました!
ミリオンアーサーは可愛いキャラクターが魅力。今回もそこに注力して、可愛いキャラクターが実際に触れるような距離まで近付いてきます。製品版では実際に触れる(反応)仕組みを載せつつ、女の子を可愛がる、みたいな。
――:今回のVRデモで戦うのは。
加島氏:モバイル版現最終ボスのファルサリアです。ミリオンアーサーでもかなりの人気キャラなので、今回3Dモデルにて戦えるようにしました。VR向けにモバイルから完全に作り直して、デザインの方々にクオリティの高いものにしてもらいました。
――:ところで戦闘が終わった後に、頭上か横か分からないところから「ぴょーんぴょーん」と声が……。
加島氏:アニメ「弱酸性ミリオンアーサー」が大変人気なので、VRの最後のオチにウアサハを持ってきました(笑)
桑谷氏(写真左):オープニングに3Dでハイクオリティなウアサハが出てきて、エンディングで弱酸性のウアサハが出てくるという構成になっています!
――:VR化されたのは、きっかけがあったんでしょうか?
加島氏:私がイベント「御祭性ミリオンアーサー」出展用にVRで開発したものがお客様から非常に好評で、GREEさんと製品版を開発しようという流れになりました。VRはモバイルゲームと違って「その世界に入り込めるところ」が特徴。これまでにない体験と世界に入り込む凄さがあるので、今までにファンだった方はよりファンになって、知らなかった方にも「ミリオンアーサーって凄いんだ!」と感じていただければ。
――:今後の開発予定は?
加島氏:ウアサハなどの妖精たちと何かしらのコミュニケーションがとれる仕組みを実装していきます。PVでもウアサハを撫でるものがあったかと思うんですが、あれが実際のゲーム内でできるんです。ここが一番注力して作っているところですよ! ウアサハのクオリティが一番高いかも知れません。「総力を結集して可愛く作る」事が開発中に一番盛り上がっていましたね(笑)
――:更に言うと、今後はどんなものをゲームに盛り込みたいですか?
加島氏:ゲーム内でキャラクターを可愛がるという点で、着せ替え要素などを考えています。好きな衣装を着せて、それを見るという形ですね。どんな内容になるかはまた楽しみにしていただければ。ミリアサはモバイル版でもいろんな衣装があるので、VRで着せて一番面白い、可愛いものを作って見せたいんです。例えばメイド服といった、一般的な可愛いものを中心にしております。
――:他で体験できるような場所は想定されていますか?
加島氏:PC店舗にHTC viveを設置しているところではやりたいと考えています。しかしこれは未定ですので、まだこれから決定・発信させていただければ幸いです。
――:それでは、最後にメッセージをお願いします。
桑谷氏:モバイルアプリと、PCなどでのVR体験は時間が違います。スマホの気軽さとプレイ時間を比較すると短いので、いかにその短時間でVR体験として「質の高い体験をしてもらうか?」そこに重点を置きたいという話はしています。バトルが終わった後のキャラの着せ替えやコミュニケーション、周りの体験全ての質を良くする。全てにおいてVRの体験として楽しめるものを目指しています。
加島氏:VRは『乖離性ミリオンアーサー』に登場する可愛い女の子たちと一緒に遊べるので、これからも楽しみにしてください!
TGS2016前日まで開発して、当日夜中朝方まで続けて……という状態であったそう。またカードまでの長さ・深度の調整なども苦労されたとの事だった。
出来上がった後にプレイした方にコメントを求めて、精力的にブラッシュアップしていくという『乖離性ミリオンアーサーVR』。ちなみにウアサハはどこから見てもプレイヤーと視線を合わせてくれるように調整されているため、ピコピコ動くウサ耳も含めて、積極的かつ情熱的にナデナデできる日を楽しみにしたい。通報されない範囲で。
(取材・文:ライター 平工泰久)
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会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)