VOYAGE GROUP、16年9月期は売上高17%増ながら営業益23%減に アドテクノロジー事業、メディア事業とも利益率が低下 今期も増収減益見込む

VOYAGE GROUP<3688>は、10月26日、2016年9月期の連結決算を発表、売上高208億4100万円(前々期比17.5%増)、営業利益17億2000万円(同23.1%減)、経常利益12億4600万円(同43.1%減)、当期純利益7億3100万円(同55.6%減)となった。
 

各セグメントごとの状況は以下のとおり。

①アドテクノロジー事業…売上高130億3100万円(前々期比32.5%増)、セグメント利益10億8100万円(同17.3%減)
インターネット広告市場におけるプログラマティック取引の急速な普及を背景としながら、グループ内メディア事業の運営で培ったノウハウを最大限に活用し、特にスマートフォン向け媒体社に対する「fluct」の導入提案及び広告収益の最大化支援に取り組んだ。その結果「fluct」の導入媒体数は、2016年9月末現在で約10,700媒体以上(2015年9月末7,000媒体以上)、「fluct」を通じて配信可能な広告表示回数は当連結会計年度で3,427億回(前々期比16.0%増)と順調に増加した。また広告主向けサービス「Zucks」においてスマートフォン向けアドネットワーク広告配信を伸長させたほか、2015年4月に連結子会社化したKauliが有していた広告主向けプロダクト技術をfluct機能に移植・統合し、fluct提携媒体社の広告枠を広告主が直接取引可能とするなどの機能拡充に努めた。

加えて2016年4月に動画・リッチメディア広告の制作・配信に強みを有するゴールドスポットメディアを連結子会社とし、同年7月にインターネット広告配信におけるブランド保護・不正広告対策技術を有するMomentumを持分法適用関連会社とするなど、グループ内各社が有するノウハウやサービスを融合させることにより、さらなる事業の拡大と成長促進に取り組んだ。

②メディア事業…売上高74億2100万円(同3.5%減)、セグメント利益6億1500万円(同37.5%減)
自社メディアは、独自のマーケティングプラットフォームによる、会員の獲得・維持・活性化施策の実施及び効果検証を継続的に行い、特にスマートフォン経由での会員獲得や利用促進に注力した。一方、中長期での成長促進の観点から拡張性を高める目的で実施した「PeX」システムにおける改修が遅れたほか、熊本地震発生に伴い新規会員獲得プロモーションの自粛を行った。

③その他インターネット関連事業…売上高6億94万円(同20.4%減)、セグメント利益2400万円(前々期実績5200万円の赤字)
新卒採用支援事業においては、主に地方の理工系学生とのマッチングを希望する新興企業を中心に顧客企業数が増加し、堅調に推移した。また、ゲームパブリッシング事業は、海外の大手ゲームディベロッパーとの業務提携により、安定した収益貢献を果たす作品の投入が可能となった。

なお、2017年9月期の連結業績予想については、売上高230億円(前期比10.4%増)、営業利益12億円(同30.3%減)、経常益12億円(同3.7%減)、当期純利益7億円(同4.3%減)の見込み。