【サイバーエージェント決算説明会】「スマホシフトで増収の力強さが増している」 16年9月期は売上・営業益が過去最高 引き続きAbemaTVへの投資期に
サイバーエージェント<4751>は、10月27日、2016年9月通期の連結決算を開催するともに、東京都内で証券アナリスト・機関投資家向け決算説明会を開催した。発表した決算は、売上高3106億円(前の期比22.1%増)、営業利益367億円(同12.3%増)、経常利益353億円(同9.4%増)、最終利益136億円(同8.0%減)と、売上高と営業利益は過去最高を更新した。
【決算説明会関連記事】
・サイバーエージェント、今期はAbemaTVに200億円規模の赤字が出る先行投資 藤田社長「目標の1000万WAUはメディアとしての出発点」
・サイバーエージェント、16年9月期ゲーム事業は営業益70%増の304億円に大幅増…デレステ、グラブル貢献、Shadowverseが新たなヒット作品に
・サイバーエージェント、グループ役職員数4000人突破が間近に…ゲームとネット広告、AbemaTVの増員進む
・【速報】サイバーエージェント、16年9月期はゲームとネット広告好調で営業益12%の367億円 17年9月期はAbemaTVへの投資を積極化、中長期の柱に
決算説明会に臨んだ藤田晋社長(写真)は、「売上高は3000億円を超えた。営業利益も期初は減益予想だったが、大きく上回った。また投資期に入ると申し上げたが、注力しているAmebaTVは4月に開始して半年経過したが、900万ダウンロードを超えた。初速は好調」「大型の買収をせずに新サービスは自分たちでゼロから作っている。スマホにシフトして、増収の力強さが増している」と決算を振り返った。今回は、第4四半期(7~9月)の決算を中心に見ていこう。
その前に、第3四半期の状況を振り返ろう。売上高764億円(前四半期比QonQ2.4%増)、営業利益83億円(同26.0%減)、経常利益80億円(同26.2%減)、最終利益10億円(同80.6%減)となり、四半期ベースでは過去最高の売上高となったが、大幅な減益となった。ゲーム事業が拡大したものの、4月11日に開局した「AbemaTV」への先行投資34億円が響いた。
今回の第4四半期(7~9月)の数字を見ると、売上高856億円(前四半期比12.1%増)、営業利益42億円(同49.3%減)、経常利益35億円(同56.1%減)、最終利益13億円(同27.2%増)と増収・営業減益となった。インターネット広告事業とゲーム事業が大きく伸びたものの、引き続き「AmebaTV」の番組制作やコンテンツ調達、広告宣伝費など先行投資が響いた。さらに決算賞与の支給も利益を負担となった。
藤田社長は、前回の決算説明会の席上、営業利益が350億円を超える分については全て決算賞与に充てる方針を明らかにしていたが、実際はそれを17億円上回る着地となった。「決算賞与を十分支給(31億円)したうえで、さらに350億円を上回った」というから驚きだ。上ブレの要因として、Cygamesを中心とするゲーム事業が予想以上に好調だったことがあげられる。
続いてセグメント別の状況を見ていこう。
インターネット広告事業
売上高が12.2%増の469億円、営業利益が14.6%増の41億円だった。「話すことがないくらい順調に推移した」と総括したが、スマートフォン広告を中心に好調だった。けん引役となったのは、インフィード広告と動画広告だ。市場拡大に合わせて売上も大きく伸びているという。インフィードはLINE、動画広告はFacebook、LINE、Twitterが伸びたという。今後、AbemaTVやFRESHの広告商品の強化する考えで、さらなる拡大を狙う。
ゲーム事業
売上高は前四半期比12.7%増の345億円と過去最高を記録した。Cygamesの新作『Shadowverse』がヒットしたことで、売上が一段と伸びた。他方、利益面では、営業利益が9.6%減の75億円だった。これは、番組スポンサーやテレビCM、街頭ジャックなど広告宣伝費を思い切って使ったため。それでも四半期ベースの営業利益の水準は過去3番目となった。
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サイバーエージェント、16年9月期ゲーム事業は営業益70%増の304億円に大幅増…デレステ、グラブル貢献、Shadowverseが新たなヒット作品に
メディア事業
売上高が14%増の57億円、営業損益が57億円の赤字(前の四半期は34億円の赤字)だった。ここでは既に報じたようにAbemaTVの状況を中心に説明した。ダウンロード数は1000万到達が間近となり、MAU(月次アクティブユーザー数)は593万人、WAU(週次アクティブユーザー数)が290万人、DAU(日次アクティブユーザー数)も100万人規模と順調に伸びている。引き続き積極的に投資し、1000万WAUを目指す。
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2017年9月期は、売上高3800億円(前期比15.9%増)、営業利益280億円(同23.9%減)、経常利益267億円(同24.5%減)、最終利益100億円(同26.5%減)と増収減益を見込む。引き続き「AbemaTV」への投資期と位置づけ、積極的に先行投資を行う考え。藤田社長は、「ゲームが稼げているうちにAbemaTVに投資し、マスメディアとして成功させて企業価値を飛躍的に向上させたい」と決意を示した。
セグメント別の営業利益については、引き続きネット広告事業が伸びる見通しだが、ゲーム事業は減益見通しとなっている。ただ、ゲーム事業は悪化する見通しというわけではなく、ボラティリティを考慮して保守的に見たという。「足元を見るとさらに伸びそうな調子だが、ボラティリティを考慮しコンサバ(保守的)に見た」。上ブレとなる要因としては、ゲーム事業が上ぶれたケース、そして、AbemaTVで番組制作やコンテンツの調達で、予算を使い切れなかったケースが想定されるとのこと。
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決算説明会に臨んだ藤田晋社長(写真)は、「売上高は3000億円を超えた。営業利益も期初は減益予想だったが、大きく上回った。また投資期に入ると申し上げたが、注力しているAmebaTVは4月に開始して半年経過したが、900万ダウンロードを超えた。初速は好調」「大型の買収をせずに新サービスは自分たちでゼロから作っている。スマホにシフトして、増収の力強さが増している」と決算を振り返った。今回は、第4四半期(7~9月)の決算を中心に見ていこう。
その前に、第3四半期の状況を振り返ろう。売上高764億円(前四半期比QonQ2.4%増)、営業利益83億円(同26.0%減)、経常利益80億円(同26.2%減)、最終利益10億円(同80.6%減)となり、四半期ベースでは過去最高の売上高となったが、大幅な減益となった。ゲーム事業が拡大したものの、4月11日に開局した「AbemaTV」への先行投資34億円が響いた。
今回の第4四半期(7~9月)の数字を見ると、売上高856億円(前四半期比12.1%増)、営業利益42億円(同49.3%減)、経常利益35億円(同56.1%減)、最終利益13億円(同27.2%増)と増収・営業減益となった。インターネット広告事業とゲーム事業が大きく伸びたものの、引き続き「AmebaTV」の番組制作やコンテンツ調達、広告宣伝費など先行投資が響いた。さらに決算賞与の支給も利益を負担となった。
【サイバーエージェントの四半期別売上高・営業利益の推移(単位:億円)】
藤田社長は、前回の決算説明会の席上、営業利益が350億円を超える分については全て決算賞与に充てる方針を明らかにしていたが、実際はそれを17億円上回る着地となった。「決算賞与を十分支給(31億円)したうえで、さらに350億円を上回った」というから驚きだ。上ブレの要因として、Cygamesを中心とするゲーム事業が予想以上に好調だったことがあげられる。
■セグメント別の状況
続いてセグメント別の状況を見ていこう。
インターネット広告事業
売上高が12.2%増の469億円、営業利益が14.6%増の41億円だった。「話すことがないくらい順調に推移した」と総括したが、スマートフォン広告を中心に好調だった。けん引役となったのは、インフィード広告と動画広告だ。市場拡大に合わせて売上も大きく伸びているという。インフィードはLINE、動画広告はFacebook、LINE、Twitterが伸びたという。今後、AbemaTVやFRESHの広告商品の強化する考えで、さらなる拡大を狙う。
▲インフィード広告の売上高の推移
▲動画広告の売上高の推移
ゲーム事業
売上高は前四半期比12.7%増の345億円と過去最高を記録した。Cygamesの新作『Shadowverse』がヒットしたことで、売上が一段と伸びた。他方、利益面では、営業利益が9.6%減の75億円だった。これは、番組スポンサーやテレビCM、街頭ジャックなど広告宣伝費を思い切って使ったため。それでも四半期ベースの営業利益の水準は過去3番目となった。
【関連記事】
サイバーエージェント、16年9月期ゲーム事業は営業益70%増の304億円に大幅増…デレステ、グラブル貢献、Shadowverseが新たなヒット作品に
メディア事業
売上高が14%増の57億円、営業損益が57億円の赤字(前の四半期は34億円の赤字)だった。ここでは既に報じたようにAbemaTVの状況を中心に説明した。ダウンロード数は1000万到達が間近となり、MAU(月次アクティブユーザー数)は593万人、WAU(週次アクティブユーザー数)が290万人、DAU(日次アクティブユーザー数)も100万人規模と順調に伸びている。引き続き積極的に投資し、1000万WAUを目指す。
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■2017年9月期の見通し
2017年9月期は、売上高3800億円(前期比15.9%増)、営業利益280億円(同23.9%減)、経常利益267億円(同24.5%減)、最終利益100億円(同26.5%減)と増収減益を見込む。引き続き「AbemaTV」への投資期と位置づけ、積極的に先行投資を行う考え。藤田社長は、「ゲームが稼げているうちにAbemaTVに投資し、マスメディアとして成功させて企業価値を飛躍的に向上させたい」と決意を示した。
セグメント別の営業利益については、引き続きネット広告事業が伸びる見通しだが、ゲーム事業は減益見通しとなっている。ただ、ゲーム事業は悪化する見通しというわけではなく、ボラティリティを考慮して保守的に見たという。「足元を見るとさらに伸びそうな調子だが、ボラティリティを考慮しコンサバ(保守的)に見た」。上ブレとなる要因としては、ゲーム事業が上ぶれたケース、そして、AbemaTVで番組制作やコンテンツの調達で、予算を使い切れなかったケースが想定されるとのこと。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高8029億9600万円、営業利益418億4300万円、経常利益414億7500万円、最終利益162億4600万円(2024年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751