Aiming<3911>は、10月28日、2016年12月期第3四半期(1~9月)の決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表された第3四半期の連結決算は、売上高69億5400万円(前年同期比25.9%減)、営業損益4億3600万円の赤字(前年同期28億3600万円の黒字)、経常損益4億3900万円の赤字(同28億500万円の黒字)、最終損益6億7900万円の赤字(同18億円の黒字)と赤字転落に終わった。
当初からこの第3四半期は過去最大規模のプロモーションを行うことで大幅な赤字を計上する予定であったが、コンテンツ評価減に売上原価の増加などもあって、予想よりも赤字幅が拡大する結果になったという。
決算説明会では、同社の椎葉忠志代表取締役社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
■『ログレス』と『クロスノア』の貢献でQonQで増収を達成
まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第3四半期期間(7~9月)の売上高は25億7200万円(前四半期比27.8%増)、営業損益6億9800万円の赤字(前四半期6900万円の赤字)、経常損益6億9800万円の赤字(同7500万円の赤字)、最終損益8億3700万円の赤字(同5700万円の赤字)となった。「『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(以下『ログレス』)と『空と大地のクロスノア』(以下『クロスノア』)が貢献し、QonQで増収した」(椎葉社長)という。
一方、費用面を見てみると、前述のプロモーション費用により広告宣伝費が大きく増加しているほか、ロイヤリティが大きく拡大している。これは「『クロスノア』の売り上げが増加したことでライセンス費用が増加したためと、『ログレス』においてIPとのコラボを実施したため」(同)とのこと。
■『ログレス』のKPIが大きく改善 「アクティブユーザーの増加は好要因」(椎葉社長)
続いて、主力タイトルの『ログレス』の状況を見てみよう。『ログレス』は大型アップデートとIPとのコラボの実施により、各種KPIが改善した。特に「AU(アクティブユーザー)の増加は好要因と考えている」(同)としていた。
『ログレス』は、大型アップデートにより、プレイヤー同士がチームを組むことができる「クラン機能」を実装した。これが、ゲームの活性化策として機能していたとすると、第4四半期以降もAUが安定して推移することが期待される。
また、期中は簡体字版『ログレス』の配信も開始した。
今期にリリースした新作は、『クロスノア』は堅調な推移が続いている。一方、そのほかの3タイトル(『トライリンク 光の女神と七魔獣』『街コロマッチ!』『彗星のアルナディア』)については「望んでいたような結果が出ていない」(同)としていた。今後は各種KPIを元に、引き続き改善に取り組んでいくという。
また、こうした状況を踏まえ、開発スキームの見直しや、ゲーム内容やゲーム性の見直しなど、プロジェクトの見直しも進めていく。そうした一環として、IPタイトルについても視野に入れているとのこと。
ちなみに現在のパイプラインは以下のとおり。
■第4四半期は「広告宣伝費は適正な数字の中で行う」(椎葉社長)
なお、第4四半期(10~12月)の業績予想は、売上高23億5000万円(前四半期比8.6%減)、営業損益1億5200万円の赤字、経常損益1億8200万円の赤字、四半期純利益500万円の見込み。
第4四半期は「広告宣伝費は適正な数字の中で行う」(同)としており、費用面は改善する見通し。売上高の前提としては、『ログレス』は横ばいよりやや下がる予想、『クロスノア』以外の新作3タイトルは売上をさらに落とす見通しとしていた。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911