【インタビュー】AimingのTeamCARAVANが贈る期待作『2.5次元の誘惑(リリサ)天使たちのステージ』…TVアニメ『2.5次元の誘惑(リリサ)』のゲーム化にかける思いを聞いた
スマートフォンで本格的なRPGが楽しめる『CARAVAN STORIES』(以下、キャラスト)や10周年と長期運営を続ける『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(以下、ログレス)、さらに『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』(以下、カゲマス)、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか バトル・クロニクル』(以下、ダンクロ)といった人気アニメを題材にしたタイトルを開発・運営するAiming<3911>の第二事業部。
通称「Team CARAVAN(チーム・キャラバン)」と呼ばれる同スタジオの規模は2021年より事業部制を導入して以降、拡大し続けている。
今回は、2023年12月18日に制作が発表(関連記事)された、TVアニメ『2.5 次元の誘惑』(以下、にごリリ)の完全新作スマートフォン向けゲーム『2.5次元の誘惑(リリサ)天使たちのステージ』(以下、リリステ)の開発メンバーへのインタビューを実施した。
◆Team CARAVAN 『リリステ』開発メンバー
Aiming 第二事業部/運営二課/ディレクター 田中響 氏(写真右)
Aiming 第二事業部/アート部部長/シニアマネージャー 板井諒輔 氏(写真左)
――:まずは簡単な自己紹介をお願いします。
田中 第二事業部、運営チーフの田中です。本プロジェクトではディレクターを務めております。アニメ『にごリリ』を活用したゲームのプロジェクトが立ち上がるという際に手を挙げさせてもらって、その時の熱量が認められ、ディレクターを任されています。本日はよろしくお願いします。
板井 第二事業部アート部部長、板井と申します。『リリステ』でアートディレクターを務めさせていただいております。本件のキャラクターや世界観を魅力的に描くために試行錯誤してきました。本日はよろしくお願いします。
――:『にごリリ』の魅力、そしてゲームとの親和性について教えてください。
田中 原作は「少年ジャンプ+」で連載されている漫画作品ですが、「週刊少年ジャンプ」も含めて、本当に今一番ジャンプっぽいなと思っています。最初読んだ時は、コスプレを題材にしたお色気が多い作品と感じていたのですが、だんだんと人の心を動かす力が強い点に魅力を感じました。この物語を我々Aimingがゲーム化することで、もっとたくさんの方へ届けることができるのではないかと思いました。
人の心を動かすというジャンプらしい作品性を大事にしようと考え、この作品の感動できるポイントは何かをしっかり深掘りしてゲームに落とし込むことを意識しています。
――:開発メンバーは田中さん同様、『にごリリ』が大好きなメンバーが集まっているのでしょうか?
田中 そうですね。ゲームのプロジェクトを立ち上げる際に『にごリリ』が好きで参加したいと手を挙げてくれたメンバーがコアとなって開発を進めています。漫画が土曜日に更新されるのですが、翌週の月曜日には現場で感想を言い合ったり、アニメの公式YouTubeで特番が配信された時もみんなでPCの前で集まって視聴するくらいです(笑)
板井 アートメンバーはキャラクターの可愛らしさやタイトルのイメージから参加してみたいという人がたくさんいました。弊社は結構ファンタジーゲームが多かったので、本作『にごリリ』のような世界観の作品に興味を持つメンバーが多かったのは自分としては意外でした。
先ほど田中が言ったように、話が進むにつれ、キャラクターの可愛さだけではなく、コスプレを主題とした世界観の広がりと熱量の高まりを感じていきました。ゲーム開発側のモチベーションも呼応するように変化していっている感じがあります。アートメンバーだけではなくチーム全員が『にごリリ』から非常に強く刺激を受けて開発に取り組んでいます。
――:3月23日、24日に開催されたAnimeJapan 2024に合わせて新情報の発表がありました。
田中 AnimeJapan 2024直前の3月22日で、ビデオメッセージ風のPVを披露しました。その中で可愛らしい3Dキャラクターが登場し、ゲームのオリジナルストーリーの紹介しているのでご覧ください。
――:オリジナルストーリーはどのようなものになっているのでしょうか?
田中 元コスプレ四天王で今は主人公の奥村正宗らが通う高校の新任教師「羽生まゆり」の過去にスポットを当てた「2.5次元の愛情(まゆり)」というタイトルです。
オリジナルストーリーの主人公である「羽生まゆり」の大学生時代を描きつつも、アニメや原作では描かれなかったところをゲームで表現していこうと考えています。
――:羽生まゆりの過去を描こうと思った理由は?
田中 ゲームオリジナルストーリーを作っていく上で、色々なキャラクターの過去に注目しました。その中で、まゆり先生は過去にコスプレ界のスターであったにもかかわらず、コスプレを辞めて教師になったという過去を持っていて、そのドラマは一つの作品になり得ると思いました。
ゲームだけではなくて、漫画、アニメがうまく連動して『にごリリ』のファンの皆さんに届けることができたら嬉しいと思っています。
――:オリジナルストーリーを制作する上でこだわったポイントや苦労されたことは?
田中 大変だったところとしては、我々はあくまでも漫画とアニメが第一だと思っているので、設定を破綻させずに新しいストーリーをファンの皆様へ届けることをとても大切にしています。一つのお話、一つのキャラクターの歴史を作り上げるということは、ただ一回読むだけではなくて、漫画を何度も読み込んで、まゆり先生の過去の出来事や心情変化はどういうものなのか考え抜いて作り進めています。
我々の作ったストーリーが『にごリリ』ファンに受け入れてもらえるものにするというところはすごく意識しています。漫画やアニメでは一瞬だけ描かれた魅力的な出来事を、ゲームでより深く掘り下げ皆様へ届けたいと思います。
――:公開されたPVはアートチームで作られたものですか?
板井 3D素材は全てアートチームで製作したものになり、実際のゲームでも使われるものになります。今回のPVはまだその片鱗をお見せしたという感じですね。実際のゲームで使用するキャラクターや背景の3Dモデルを使っていて、ストーリー自体は今回そのためにプロットを起こして進めました。
先ほどお話した作品の魅力の中で心が動いたり感動するところを主にしていると説明しましたが、今回のPVに関しては、作品のもう一つの方向性であるオタクのコミカルさというところもちゃんと出して『にごリリ』の雰囲気をしっかり表現しようと考えています。
そのためにアートチームでは今回フルモーションキャプチャーした上で3Dモデルを作っていますので、人間の動きだったりも含めてコミカルさにつながるように表現できたらいいなという気持ちです。
田中 今回のPVは、漫画やアニメでも描かれている『にごリリ』のメインヒロインであるリリサに対して、まゆりが「高校生になったらまたおいで」という過去回想のシーンを描いています。実際のゲームの中でもそこをスタートとして本編につながっていく。メインヒロインと出会うところにつながっていくというところをちゃんと描ければという風に思ってそこをPVの中に入れさせてもらいました。
――:ゲームとしての3Dグラフィックをすごく押し出しているという感じがしますね。
板井 キャラクターの演出とか背景に関しては、ほぼフル3Dになります。実際のゲーム内容、メインコンテンツにそれが反映されていく内容になるかなと思いますね。
本作では3Dモデルで女の子の可愛らしさ、魅力を見せたいので、例えばカメラが寄っても奇麗に見えるような表現をしていくことを主軸を置いて作っています。
もちろん結構大変な作業ではありますが、やっぱり学園生活みたいなところを推していくときに、近くで女の子と触れ合っているみたいなところ、コミュニケーションをとっているところはこだわっていきたいなと思っています。
あとはコスプレ表現の際のポージングについて、アクションゲームと違って、ずっと動いているわけではないので、ピタッと止まったときに髪がめり込んだり関節がひしゃげないようにするのが苦労した部分です。
――:ちなみにアニメについても新情報などはありますか?
田中 アニメは今年の7月放送開始予定で、PVも公式のYouTubeチャンネルで投稿されております。『にごリリ』の公式Xでいつでも最新情報を入手できますので、ぜひフォローしていただきたいです。先ほども言ったように漫画も今すごく盛り上がっていて、本当に毎話神回なんじゃないかってくらい面白い展開が続いています。アプリ版「少年ジャンプ+」で最新話まで初回無料で読めますので、まだ読んだことのない方、初めて知った方たちにも見てもらいたいです。
――:リリースに向けて鋭意開発中の『リリステ』ですが、人材面においてどんな人をチームに迎え入れたいですか?
田中 プロジェクト全体の特徴として、みんなで自分たちの思い、気持ちを出した上でより良いゲームを作ろうというチームなので、積極的な方はすごく活躍できる現場です。それは企画、運営、エンジニアもそうなんですけど、デザイナーから意見をすごく積極的に出してもらえますし、この作品が好きな方はとてもやりがいがあると思います。
板井 アートチームとしては、高品質な3Dモデルに興味のある方、あるいはモーションについて興味がある方がいいですね。次の技術という意味では、ただのモデルの表現、骨などの動きだけではなくて、物理表現だったり骨格の表現についての新しい技術というところを常に狙っていこうと思っているので、新しい技術に対して知見のある方、興味のある方と一緒にお仕事をしたいなと思います。
当社は他にも魅力的なタイトルがあり、そのタイトルの専任者だから他のチームには意見を出さない、というような組織体制ではありません。
より良い、面白いゲームを作りたいという想いやアイデアを発信することで、専任以外のタイトルにも関わっていくことは可能です。そういった熱い想いを持ち、モチベーション高く開発に関わっていきたいというやる気のある方は大歓迎です。
――:それでは最後にメッセージをお願いします。
田中 2024年の年内にアニメもゲームも始まっていく予定なので、皆さん楽しみにしていてください。
板井 『にごリリ』が持つ熱血、青春、コスプレ、そしてそこを取り巻くギャグ要素等も含めて、アニメでの動きや演出をゲームでも表現していけるようにグラフィックのほうも制作を進めていきます。ただ可愛いというだけでなくそこに対する熱い想いが伝わるような作品を目指していきますのでご期待ください。
©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会 ©Aiming Inc.
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911