Aiming<3911>の椎葉忠志社長(写真)は、10月28日に東京都内で開催した決算説明会で、「リリースした新作アプリが自分たちの思うような結果が得られていない」とし、開発中の新作プロジェクトについて「初動」(リリース当初)に重点を置いたゲームとする方向で見直しを行うことを明らかにした。具体的には、「相手先があるので具体的には申し上げられない」と前置きしつつ、IP(知的財産権)を活用したゲームや、他社との共同プロジェクトをあげたほか、ゲームシステムの見直し、グラフィックレベルの一段の向上を目指す。
ゲームシステムについては、Aimingではユーザーに長く遊んでもらうため、初期からやや難しくしていた部分もあったが、今後はゲーム開始時の難易度を少し下げて、初動時から継続率が出るようにする。といっても、「カジュアルゲームにするわけではなく、MMO(多人数同時接続型)ゲームというジャンルの中でお客様が手にとって遊んでもらえるようにする」。またグラフィックについては、ユーザーから手に取ってもらうには「よくできているゲーム」と思ってもらう必要があるため、さらなるレベルアップが必要と判断したという。
同社が、こうした決断を行った背景には、スマートフォンゲームアプリ市場において、新規ユーザーの獲得がますます難しくなっているという事情があげられる。「サービス開始時の話題が多い時期を除くと、新規のユーザーを獲得することが難しくなっている」。サービス開始後にゲーム内容の改善を行いつつ、KPIをチェックしながら広告費を少しつづ増減させていくという、これまでの運営・マーケティング手法も見直していく考えだ。
ただ、「思うような結果が得られていない」としながらも、7月にリリースした『空と大地のクロスノア』はリリースから20日間で売上高1億円を突破するなど堅調なスタートを見せているほか、スマートフォン向けMMORPG『Project Caravan』など話題性の高いタイトルも用意されている。プロジェクトの見直しはすぐに完了するものではなく、2017年以降に成果が出てくるだろう。開発・運用力で定評のある会社だけに、今後の巻き返しを期待したい。
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(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911