【Facebook Games説明会①】Facebookの新しいゲームPF「Instant Games」の底知れぬ可能性…当面は利便性向上と規模拡大を重視、収益化は考えず



Facebookは、この日(12月5日)、東京都内にあるFacebook Japanオフィスで、Facebook Games10周年を記念して、プレス向けのFacebook Gamesの戦略説明会を開催した。まず、Facebook Games パートナーシップ部門のグローバル責任者であるLeo Olebe(レオ・オレベ)氏がFacebook Gamesのこれまでを振り返り、グローバルにおける今後の戦略や最新プロダクトを説明した。

Facebook Gamesでは、当初はスライド右側の『ファームビル』や『マフィアウォーズ』などのゲームを提供してきたが、現在ではスライド左側にあるように、多種多様なゲームが提供されているようになっており、今後も取り組みを強化していく考えだ。
 

現在、新しい取り組みとして、以下のプロダクトがあげられる。

・Instant Games(インスタントゲーム):モバイル・デスクトップのメッセンジャーやタイムラインなどでゲームを配信するプラットフォーム。
・ライブゲームストリーミング(以下、LGS):ユーザーが自分の遊んでいるゲームを友だちなどに見せるもの。いわゆる実況だ。
・Gameroom:PCのゲームをダウンロードして遊ぶプラットフォーム。

である。Facebookでは、新しい取り組みをする際、Facebookのミッションに立ち戻ることにしているそうだ。そのミッションは、シェアの力を使い、よりオープンでつながった世界にすることだ。そこから導くゲーム事業のミッションは、人々が親しい人とお気に入りのゲームを見つけ、遊び、共有する力を与えること、である。
 

ここでFacebook Gamesの状況について話が移った。Facebook.comが2015年に開発者に支払った金額は25億ドル(約2840億円)にものぼる。これはグローバルでの数字だ。
 

需要側を見ていくと、6億5000万人以上の人が利用しているとのことで、Facebookのマーケット規模の大きさが伺える。そして、膨大なFacebookユーザーは、ゲームにどの程度時間の費やしているかいうと、Facebookの利用時間のうち15%以上の時間をFacebook Gamesの利用に費やしているそうだ。
 

Facebook Gamesの特長としては、ゲーマーはいつでもどこでもゲームで遊ぶことができることだ。モバイルでは、Facebook ConnectやFacebook Login、シェア機能なども利用できる。
 

また、PCデスクトップでは、『リーグ・オブ・レジェンド』において、Facebookの友人を探すことができるだけでなく、Facebookのログイン機能を活用してゲームが遊べる。同様に、ブリザードのゲームでも同様の機能が利用できる。

続いてサービスの説明に移った。まず、ゲーム実況であるLGSは、いつでもどこでも誰もがライブ中継できる。それはデスクトップPCの環境に限らず、モバイルでも行なうことができる。
 

LGSでは、いくつかのユーザー層に分かれているそうだ。例えば、人数は少ないが観客数が最も大きくなる「プロゲーマー」、そして、インフルエンサーとしてプレイしてファンにゲームを共有する「エンターテイナー」、ゲーム開発者、そして、一般のユーザーが存在している。
 

ブリザードとの取り組みとして、「Battle.net」の中にGO Liveボタンを組み込むもので、『オーバーウォッチ』や『スタークラフト』、『ワールドオブウォークラフト』などのゲーム環境ですぐに配信ができる。一般のユーザーの実況は、閲覧者や閲覧回数の面で決して多くはないが、そういった人が何百万人もいることを考えると、膨大な規模であることが伺える。
 

続いて、新しいゲームプラットフォーム「インスタントゲーム」の説明に移った。これはHTML5のゲームが楽しめるもので、デスクトップやモバイルで、ニュースフィードやメッセンジャーを介してゲームで遊ぶことができる。アプリのダウンロードやインストールを行なう必要はなく、ゲームをいつでも手軽に始めることができる。毎月、Facebookにアクセスする人は17億人、そして、メッセンジャーは10億人利用しており、潜在的な利用者数は実に膨大だ。

リリースされているタイトルは、30カ国で17タイトルで、そのうち7タイトルが日本からのものとなっている。この点について、氏は、「素晴らしいゲームが作られており、日本のゲームに愛情を持っている人が世界中に多いからではないか」とコメントした。
 

Facebook上でどのように表示されるかというと、以下のスライドのようになる。Facebook上では、メッセンジャーやゲームリスト、ニュースフィード、FBブックマークから簡単にアクセスできるようになっている。ゲームは5~10秒で始められるそうだ。すでに日本からもアクセス可能となっている。
 

会場から、マネタイズの方法や時期について聞かれると、「時期尚早。まだ考えていない」とコメントした。同社では、新しいゲームのプラットフォームとして展開するため、プラットフォームの機能強化とともに、配信するゲームタイトルを充実させ、素晴らしいゲーム体験を提供していくことが重要との考えを示した。投資規模については非開示だが、「かなり膨大な投資を行っていく」という。


 
(編集部 木村英彦)
Meta(Facebook)

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