
gumi<3903>は、12月12日、東京都内で2017年4月期の第2四半期(5~10月)の決算説明会を開催した。説明会に先立ち、12月9日に発表され第2四半期累計(5~10月)の連結決算は、売上高112億7900万円(前々期比3.2%増)、営業利益5億6300万円(前年同期15億円の赤字)、経常利益6億1000万円(同15億6100万円の赤字)、四半期純利益5億4200万円(同17億6500円の赤字)と増収を確保し、大幅黒字転換を達成した。
説明会では、國光宏代表取締役社長が今後の取り組み、川本寛之代表取締役副社長が決算概要と第3四半期の業績予想、各タイトルの状況についての説明を行った。質疑応答の内容も踏まえつつ、ゲーム事業を中心にその内容をまとめてみた。
■利益は会社側予想を大きく上回って着地
まずは第2四半期の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比11.5%増の59億4500万円、営業利益は同22.5%増の3億1000万円、経常利益は同48.0%増の3億6400万円となった。特に利益面では予想を大きく上回り、減益予想から一転しての増益での着地となっている。また、グロス売上高は過去最高を大幅に更新している。


続いて、サービス別売上高の内訳を見てみると、この第2四半期は国内ネイティブアプリ、海外ネイティブアプリともにQonQで増収を達成している。国内については、『ファントム オブ キル』(以下『ファンキル』)が2周年イベントの実施などにより、MAU(月次アクティブユーザー数)が増加したこともあり、増収を達成。『誰ガ為のアルケミスト』(以下『タガタメ』)もコラボ施策などが奏功し、QonQで大幅な増収を達成した。
一方、海外については、『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』(以下『FFブレイブ』)の海外版が引き続き好調に推移していることが大きいようだ。

次に費用面を見てみると、売り上げの増加に伴うストアへの支払手数料の増加以外は特に大きな変化はないと言えそうだ。広告宣伝費については、徹底的な効果検証を継続し、売上高広告宣伝費率は8.5%まで低下した。ただし、第3四半期については、『タガタメ』と『クリスタル オブ リユニオン』(以下『クリユニ』)のTVCMを実施しているため、「広告宣伝費が約4億5000万円増加する」(川本副社長)見通しだ。


■『タガタメ』は8月に過去最高の売り上げを記録
次に各タイトルごとの状況を見てみよう。『ブレイブ フロンティア』(以下『ブレフロ』)は売上高の減少にようやく歯止めがかかりつつある。日本語版のマルチプレイ実装などの施策により、今後も安定した推移を志向していくことになりそうだ。

『ファンキル』は前述のとおり、2周年記念イベントなどが奏功し、ユーザーベースが大幅に拡大している。また、『タガタメ』も8月は「『世界樹の迷宮』とのコラボ実施の効果により、過去最高の売り上げを記録」(同)するなど好調に推移した。


一方、『シノビナイトメア』は、バトルシステムの改修やバランスの調整などの大型アップデートを実施。『ドラゴンジェネシス』は、MAUが増加傾向となるなど安定した推移が続いている。


『クリユニ』は、前述のとおりTVCMを11月より放映開始した。さらに海外言語版の配信も今冬に予定している。8月24日に配信を開始した『ブレイジング オデッセイ』は、60万ダウンロードを突破した。今後は継続的に有名IPタイトルとのコラボを実施していくほか、「アリーナ」のリニューアルなども予定している。


『FFブレイブ』は、国内版は12月に『FF15』よりノクティスの参戦などを予定しているほか、TVCMの放映も合わせて予定されている。海外版も800万ダウンロードを突破するなど順調にユーザーベースを拡大しており、国内版同様に『FF15』よりノクティスの参戦などが予定されている。


■3Qは『タガタメ』と『クリユニ』のTVCMの展開で広告宣伝費が増加
なお、同社は2017年4月期通期の予想については非開示としており、第3四半期期間(5~1月)の業績予想のみを開示している。売上高は175億7900万円(前年同期比9.4%増)、営業利益5億6300万円、経常利益6億1000万円の見込みで、第3四半期期間(11~1月)だけを見ると、QonQで6.0%の増収、各利益項目はゼロの予想となっている。これは前述の『タガタメ』と『クリユニ』のTVCMの展開による広告宣伝費の増加の影響を見込んでいるため。
「『クリユニ』の広告効果は遅れて出てくる傾向がある」(同)ほか、「『タガタメ』は年末年始に広告を展開している」(同)とのことで、広告宣伝による効果は第3四半期は限定的な寄与になるもようだ。

(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903