マーベラス<7844>の音楽映像事業が引き続き好調だ。第3四半期累計(2016年4~12月)の業績をみると、売上高が前年同期比で25.2%増の37億0900万円、セグメント利益が24.2%増の9億9000万円となり、過去最高記録を更新した。第3四半期(10~12月)だけでみても、売上高が14億6000万円、セグメント利益が3億9100万円となり、いずれも第3四半期としては過去最高の水準となった。四半期ごとに変動は見られるが、セグメント赤字を出すことはなく、安定した収益成長でマーベラスを支える事業に育った。総合エンターテイメント企業であるマーベラスの強みがみえる。
▲セグメント利益についてはベースが徐々に切り上がっているのが確認できるだろう。
同社によると、「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」(16年5月公演)や、『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』(16年6月公演)といった新作舞台と映像商品、配信が好調に推移したことに加えて、新作テレビアニメ『刀剣乱舞-花丸-』が大ヒットし、業績の伸びをけん引したとのこと。また、「ミュージカル『テニスの王子様』」「舞台『弱虫ペダル』」「ミュージカル『薄桜鬼』」「舞台『K』」「超歌劇『幕末Rock』」といった定番シリーズの新作もそれぞれ好評だった、としている。
第4四半期は「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」と「『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』~Take your marks!~」を公演した。どちらも大幅に公演規模を拡大したが、チケット入手が困難になるほど盛況だったという。2月から3月には「舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇~スタートライン~」も公演する。映像関連は、劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』の映像商品を3月8日に発売するほか、2月5日より「プリキュア」新シリーズ「キラキラ☆プリキュアアラモード」を放送開始する。
こうした取り組みにより、2017年3月通期では、売上高48億円(前期比6.0%増)、セグメント利益13億5000万円(同3.2%増)と過去最高の業績を見込む。第3四半期までの実績から第4四半期(1~3月)の計画をみると、売上高10億9100万円、セグメント利益3億6000万円となる。今期の成長をけん引した2大新作の再演が大好評だったことを考えると、同社の見通しはやや控えめに見えるが、どういった着地になるのか注目される。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーベラス
- 設立
- 1997年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7844