トーセ<4728>がこの日(7月8日)発表した第3四半期の決算短信で、家庭用ゲーム市場やモバイルゲーム市場、SNS業界の動向を以下のようにまとめている。あくまで投資家向けの会社業績を伝えるための資料なのだが、何かの参考にはなるかと思う。
■家庭用ゲーム業界
・ニンテンドー3DSが発売され、さらに「プレイステーション・ヴィータ」や「Wii U」を発表するなど、次世代ゲーム機器への移行が鮮明となった。
・しかし、ニンテンドー3DSについては、東日本大震災の影響で発売直後の重要な時期に十分なプロモーション活動ができない状況となり、ユーザーの消費活動や娯楽に対する自粛ムードも重なったことから、市場の盛り上がりはやや緩やかなものとなった。
・さらに、ゲーム会社へのサイバー攻撃による顧客情報の流出が相次ぎ、ネットワークサービスが停止されるなどの問題も発生し、家庭用ゲーム市場は停滞を余儀なくされた。
■モバイル・インターネット業界
・iPad2の発売やAndroid搭載スマートフォンやタブレット型端末を各携帯電話会社が発売したことにより、スマートフォン・タブレット型端末市場はさらに拡大した。
・しかし、Android向けコンテンツ市場は未だマーケットを牽引するストアが存在しておらず、ストアが乱立している状況にあるため、比較的簡単で、無料や安価なコンテンツが市場の大半を占めている。
・そのため、コンテンツ制作会社にとっては、安定収益を確保できるビジネスモデルを確立することが課題となっている。
■SNS業界
・各ゲームメーカーが過去の家庭用ゲームソフトの有名タイトルの移植版や、新作コンテンツを発表し、それらがランキングの上位に食い込み、カジュアルゲームが多くを占めていた市場に変化の兆しが見られた。
・東日本大震災において携帯電話がつながりにくい状況にある中、SNSやTwitterを利用した情報発信や連絡など、エンタテインメントを超えた生活ツールとしての注目も集めた。
会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728