マイネット<3928>の上原仁社長(写真)は、この日(2月13日)の決算説明会で、クルーズから買収したC&MゲームスのPMI(Post Merger Integration)」について「大変よい状況」と順調に進捗していることを明らかにした。買収後、売上高と利益は安定的に伸びているだけでなく、在籍する正社員も93.8%が引き続き在籍しているという。
「PMI」とは、M&A成立後、買収した会社をグループに統合していくプロセスのことだが、一般的にM&A実施後は、そこに在籍するコアスタッフが退職してしまったり、買収前に比べて業績が落ち込んでしまったりといった問題が発生する。マイネットゲームスやマイネットエンターテイメントなどの経営は若手に任せる一方、上原氏自らがC&Mゲームス社長に就任し、陣頭指揮を執ってきた。
上原氏は、PMIについて最初の3ヶ月間が重要とし、少人数で結成したPMIチームが残るかどうか揺れる社員に「一緒にやろう」と働きかけていった。その結果、買収時点で在籍した正社員224名のうち、210名が会社にとどまったそうだ。「(残った社員から)口を揃えて『残ってよかったです』といってもらえたと明かした。
会場からは経営統合を行わなかった理由について質問がでたが、上原氏は「選択肢としてはありうるが、組織ごとの文化と強みがそれぞれ形成されていた」と回答した。短期間での統合はデメリットが多く、それぞれの強みを発揮させることが望ましいと判断したようだ。タイトルの共同運営など徐々に融合させながら、両社の強みを相互に取り入れていく方針。
なお、上原氏は、「C&Mゲームスのメンバーは、クルーズのメンバーだが、いずれも非常に有能なメンバーばかりだ。鍛え上げたスタッフを預けていただき、(クルーズの)小渕社長には感謝している」と述べた。同社の培ったリビルドや運用のノウハウ「PARADE競争力」を組み合わせることで、買い取ったコンテンツをさらに伸ばしていきたいとした。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社マイネット
- 設立
- 2006年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 岩城 農
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高87億1700万円、営業利益1億6800万円、経常利益1億2500万円、最終利益1億4300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3928