2018年 年頭所感(株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス 松田 洋祐 社長)

株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
代表取締役社長 松田 洋祐

 

謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

AI、xR(VR・AR・MR)、次世代通信システム、決済インフラなどの技術進化が同時並行で進行し、コンテンツ産業を取り巻く環境が大きく変わろうとしています。これにより、消費者にとってのコンテンツ体験がより豊かになり、また利便性の向上も見込まれます。当社グループは、今後さらに加速することが予想されるこの環境変化を追い風と捉えてコンテンツ開発に邁進し、グローバルでコンテンツ事業の展開を加速してまいります。



コンテンツ体験を変える技術進化が加速

2017年は、世界的にAIが大きな脚光を浴びて世の中が大きく変化する兆しを見せ、xR(VR・AR・MR)の実用化・普及が進んだ年でした。

国内では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて5Gの導入がいよいよ本格化し、近い将来、低コストで大量のデータ通信を伴う常時接続を実現するモバイルネットワークの整備が現実のものとなります。既に、HTML5によりブラウザ上でネイティブアプリ並みの高品質な3D表現ができるようになっていることから、5G環境下ではブラウザが再びゲームプラットフォームとして脚光を浴びる可能性も見えてきました。

また、FinTechの拡大は、新興国の決済インフラを一気に先進国並みに引き上げることができます。通信インフラとならんでデジタルコンテンツ事業に必要不可欠な決済インフラが急速に発展することは、当社グループの事業の地域拡大にとって大きな追い風となります。

このように、技術の進化は、コンテンツに新しい表現の場と事業機会をもたらしてコンテンツメーカーがお客様に新しい体験をご提供する強力な後押しとなっており、2018年以降、この動きがさらに加速することが予想されます。



デジタルコンテンツのプラットフォームが拡充

さらにデジタルコンテンツ業界に焦点を合わせると、スマートフォンの世界年間出荷台数は15億台(※1)を超え、デジタルコンテンツを楽しむために欠かすことのできないデバイスとして定着、さらにその進化はとどまるところを知りません。

家庭用ゲーム機についても、昨年3月に発売されたNintendo Switchは世界販売台数が1,000万台を超えて世界的な大ヒットを記録、またPlayStation 4の世界販売台数が7,000万台を超え、さらに最新機種Xbox One Xが発売されたXbox Oneシリーズもホリデーシーズンで好調な出足を見せているなど、ゲームパブリッシャー、ゲームデベロッパーにとって大きな事業機会を提供するに至っています。また、2017年は日本産のゲームソフトが世界の家庭用ゲーム市場で大きな存在感を示すことができた年でした。

過去数年に亘り、家庭用ゲーム市場においては、欧米が堅調に推移する中、日本国内においては厳しい状況が続いていましたが、今後は日本市場もこの流れに乗り大きく盛り上がることを期待しています。



世界中のお客様に新たな驚きと楽しみを

当社グループにおいては、2017年は国内外のエンタテインメント・コンテンツ市場において大型作品から中規模作品まで多数のヒットを生み出し、継続して推進しているポートフォリオの拡充戦略が実を結び始めた年でした。2018年は、上述した世界的な技術進化の加速と市場の流れに乗り、さらに高質な創造性あふれるコンテンツを提供し、世界中のお客様に新たな驚きと楽しみをお届けし続けてまいります。

本年も宜しくお願い申し上げます。
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
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