アカマイ・テクノロジーズは、8月23日、イープラスが高度な機械学習技術を用いて、不正なログインや買い占めなどを行うボットをその「ふるまい」で検知、制御するアカマイのボット・マネージメント製品「Bot Manager Premier(BMP)」を採用した結果、悪質なボットによるアクセスをブロックし、転売目的のチケット買占め問題が改善したことを発表した。
<以下、プレスリリースより>
会員数 1100 万人を超える業界最大級のチケット販売サイト「e+(イープラス)」を運営するイープラスは、チケット転売目的の買占めと疑われるウェブアクセスに以前から悩まされていました。チケットを異常な高額で転売するために買い占める行為は、昨今大きな社会問題となっていますが、正規のユーザーがチケットを買えなくなるだけでなく、チケット販売を委託しているイベントプロモーターからの信用を大きく損ねることにつながるため、対策を急いでいました。しかし、クラウドや様々な自動化技術の普及などによってボットを使った買占めの手法は高度化しており、従来型の対策では対処できない状況にまでなっていました。
こうした背景を踏まえて、イープラスでは様々なボットを検知するソリューションの比較検討を行いましたが、どれも期待されるほどの効果を得ることができませんでした。
・難読文字を使ったソリューション
ボットが難読文字を自動解析して突破するための仕組みが既に普及していることもあり、ほとんど導入効果を得られなかった。
・難読文字の代わりに図形問題を解かせるタイプのソリューション
ソリューションを提供する外部のクラウドベースのサービスが停止し、チケット販売できない時間帯が発生。信頼性を考慮して、導入を断念。
さらに比較検討を進める中でアカマイの BMP を知ったイープラスは、トライアルを実施。「そのデータ解析の結果、我々がそれまで把握していなかったボットのアクセスまで明らかになり、大きな衝撃を受けました」(イープラス システム部 システム開発グループ エキスパート 尾崎欧州氏)。十分な効果を得られると判断したイープラスは、ほどなく導入を決定、運用を開始しました。導入後、イープラスの最初の先行販売チケット発売日 30 分間のアクセスログを分析したところ、チケット購入のアクセスのうちボットの占める割合は実に 9 割を越えていたことが判明し、目に見えて導入効果を実感することができました。
ボットによる転売目的のアクセスの検知・ブロックに加えて、イープラスから導入後に高い評価を得た点は以下のとおりです。
・正規ユーザのアクセスへの影響とユーザビリティの維持
BMP の検知・ブロックが、正規ユーザーにも影響を与えるのではないかという懸念を抱いていたが、ユーザーからの問い合わせは 1 件もなかった。また、難読文字のようにユーザー側に面倒な操作を求めることがない。
・システムの安定性
BMP は導入後も一度も止まることなく稼働を続けており、その安定性に信頼をおいている。
・導入、運用の容易性
BMP のボット判定機能や制御は CDN 側で実装されるため、オリジンとなるサイト上でのシステム改修の手間が不要。
イープラスの尾崎氏は「アカマイの Bot Manager Premier は、当社とユーザーに Win-Win の関係をもたらしてくれた存在と言えます。ボットのさらなる高度化に合わせて、今後も BMP が進化していくこと
を期待しています」と語っています。
アカマイ社長の徳永信二は「今回、国内最大級のプレイガイド事業を提供する株式会社イープラス様に Bot Manager Premier を採用いただいたことを大変嬉しく思います。今日のウェブサイトは、魅力的なコンテンツと快適なパフォーマンスを同時に提供し、かつ収益に貢献することが求められています。こうした中、アカマイのソリューションは今後ますます重要な役割を担うことになると確信しています。アカマイは、より速く、より安全かつ安定したインターネットソリューションを提供することにより、なお一層お客様に貢献してまいります」と語っています。